2010年2月14日 (日) 掲載

◎赤ふんダービーに歓声 はこだて冬フェス

 「2010はこだて冬フェスティバルin五稜郭」(実行委主催、えぞ共和国主管)が13日、2日間の日程で五稜郭公園で開幕した。ゲームや抽選会のほか、2年ぶりに設けられた雪像すべり台、恒例の「赤ふんダービー」に、来場した子どもから大人までが楽しんだ。)

 午前中は海産物などが当たる抽選会が行われ、当選番号が読み上げられるたびに歓声が沸き起こった。午後からは陸上自衛隊第28普通科連隊が制作した高さ約5b、長さ約40メートルの雪像すべり台が開放され、親子らがゴムチューブを使って豪快な滑りを楽しんだ。昨年は雪不足で中止されたため、この日は最大約30分待ちという人気ぶり。函館市内本通の鍵怜冶君(8)は「全然怖くなく、楽しかった。雪は冷たかったけど、また滑りたい」と笑顔だった。)

 「赤ふんダービー」は北大水産学部の学生約20人が出走。タイヤチューブで作った“馬”にまたがった騎手を引っ張り、約70メートルのコースを駆け抜けた。勢いのあまり転倒する場面もあり、会場を盛り上げた。)

 最終日の14日は午前9時から午後2時まで雪像すべり台を開放。午前10時ごろから「尻相撲大会」、午後1時ごろから「箱館奉行所復元!ウルトラクイズ」などが行われる。(小山博美)



◎北斗市長選 告示まで1週間で新人2氏が激しい前哨戦

 【北斗】任期満了に伴う北斗市長選は21日の告示(同28日投開票)まで1週間となり、立候補を表明している、いずれも無所属の新人で、前副市長の高谷寿峰氏(58)と、市議の山本正宏氏(65)=以上五十音順=が激しい前哨戦を繰り広げている。ともに12月中旬から下旬に出馬表明し、短期間での準備活動だが、両氏とも支持拡大に懸命だ。(市長選挙取材班)

 同市長選をめぐっては、合併前の旧上磯町時代を含め連続9期35年にわたって首長を務めてきた、初代市長の海老沢順三市長(78)が昨年11月下旬、今期限りでの引退を表明。市の発展のかぎを握る一大プロジェクトである、北海道新幹線の新函館駅(仮称)周辺整備が新年度から新市長のもとで進められるため、将来への展望を直接左右する選挙となる。

 高谷氏が海老沢市長から後継指名を受けて出馬を表明。山本氏が現体制の刷新を掲げて名乗りを挙げた。両氏とも新幹線開業を見据えたまちづくりを重要課題に挙げていて公約内容に大きな差異は見られず、現体制の継続か、刷新かを争点に選挙戦が展開されそうだ。

 高谷氏は市役所OBらを中心に後援会組織を立ち上げ、市内飯生と旧大野地区に事務所を開設。市職労や市内企業、経済団体など約90団体の推薦を取り付けた。豊富な行政経験と副市長としての実績を訴えながら、支持拡大を進める。9日に市総合文化センター、13日に市公民館で開いた総決起集会はいずれもほぼ満員の支持者で埋まるなど、勢いに乗る。

 後援会幹部は「ようやく名前や人柄を認識してもらい、相手陣営の後ろ姿が見えてきた」と冷静に見ており、「気持ちを緩めず時間が許す限り支持者回りをしていく」と追い込みにかける。

 山本氏は「流れを変えよう」「改革」をキャッチフレーズに掲げ、4度目の首長選挙に挑戦。前回選挙の後援会組織を母体に七重浜地区と旧大野地区に事務所を構え、支持拡大を図る。一部の団体から推薦を受けているが、告示までミニ集会、総決起集会を開かない方針。市内を精力的に回り“草の根運動”を展開している。

 後援会幹部は「市民の中に『流れを変えたい』という空気があり、その点で前回とは雰囲気が違う」と手応えを感じており、「告示日直前まで市民とのつながりを求めていく」と批判票の取りこみに全力を注ぐ。

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 14日午後1時半からは市総合文化センターで、立候補予定者の公開討論会(実行委主催)が開かれ、高谷氏、山本氏が登壇する。

 道教育大の専任講師で、憲法や行政法を専攻する高木康一さんが司会を務め、10分間ずつフリートークの後、@新幹線A財政B環境C福祉・教育をテーマについて意見や主張を聞く。入場無料。



◎高齢者の事故割合、10年前と比べ2倍以上に

 2009年に道警函館方面本部管内で発生した人身交通事故で、発生件数に占める65歳以上の高齢者が第1当事者となる割合が、2000年と比べて2倍以上になったことが同本部交通課のまとめでわかった。免許証の取得率は昨年3月末現在で、高齢者が34.3%であるのに対し、30歳以上―60歳未満では88.1%と高いことから、高齢化の進行とともに、今後はさらに高齢者が引き起こす事故の増加が懸念される。

 同管内では09年に1702件の人身事故が発生し、このうち高齢者による事故は308件で構成率は18.1%。2000年は2512件中、高齢者による事故が221件で構成率は8.8%だったことから、事故件数全体が減少傾向の中で、高齢者の占める割合は右肩上がりで増加しているのが分かる。

 追突事故を起こした年齢層を基に事故の起こしやすさを分析した道警の統計では、平均値を「1」とすると、30歳代の「0.74」を最小値に、加齢とともに増加し、60―64歳で「1.23」、65歳以上では「2.13」、75歳以上に限れば「4」以上に跳ね上がるという。身体能力の判断能力の低下が事故に影響していることがうかがえる。

 一方、高齢者が犠牲となる事故も毎年多発しているが、過去10年間の死者65人の傾向をみると、運転免許証がある人は5人、ない人が60人と大きな開きがあった。同課は「免許証を持つ人は、道路状況や車の危険性の認識が高いのではないか」と分析する。

 同課は「高齢歩行者は、横断中は足元のみを注意しがちで、車を発見できない。ドライバーには、歩行者の特性を常に認識しながら走行してもらいたい」とする。同課では引き続き、交差点での横断歩行者妨害や高齢者への啓発活動に力を入れて、事故減少に努めていきたいとしている。(今井正一)


◎日本郵趣協会が9月に函館で初の全国会員大会開催

 郵便切手収集家の全国組織、財団法人「日本郵趣協会(JPS)」の2010年度の全国会員大会が、9月25、26の両日、函館で初めて開催されることが決まった。全国からの会員約150人、一般約250人の参加が予想される大規模なイベントの成功を目指し、JPS函館支部(渡利正義支部長、会員約30人)では着々と開催準備を進めている。

 JPSは1946年に発足し、全国に会員約3万人、110の支部を持つ国内最大の会員制郵趣団体。全国会員大会はこれまで県庁所在地のある大都市で開催してきた。今回函館が選ばれたのは、発足以来、欠かすことなく月例会を開くなど活発な活動を続けてきたことが評価されたもので、渡利支部長も「期待に応えられるように精いっぱい頑張りたい」と意欲を見せている。

 大会会場は両日とも函館国際ホテル。ゲストを招いた記念講演やミニセミナーなどのほか、オークションも予定されていて、会員同士が自慢のコレクションの価値を確認し合いながら交流を深める。また切手の特別展や企画展も予定されていて、こちらは一般参加者も鑑賞することができる。

 このほど、同ホテルで行われた函館支部の月例会では、大会の成功に向けて会員同士が協力体制を確認。渡利支部長は「一般の参加者にも足を運んでもらい、切手の魅力を知ってもらえるように、周知徹底に務めていこう」と呼びかけた。JPS函館支部の問い合わせ先は、渡利支部長TEL0138-51-5890。(小川俊


◎「そば辰・ゆがの会」 江差産そば粉、商品開発へ熱く

 【江差】江差町のそば愛好家が結成した「そば辰・ゆがの会」(西海谷望会長)では、江差産そば粉のブランド化や商品開発を目標に掲げ、長い歴史を誇る江差を「北海道そば発祥の地」として売り出すことも視野に入れながら、日々熱い“そば談義”を交わしている。(松浦 純)

 ゆがの会は2006年、新しい地元特産品の開発を目標に、そば好きの企業経営者、ソバ生産者、食品業者ら20人で組織。会員の出資で製粉機を購入し、ソバ栽培からそば粉の生産、そばの試食会、そば店への販売PRを進めている。会員の小笠原隆さんが経営する五勝手屋本舗は、町内産そば粉を使ったカステラを商品化した。

 「そば辰」の“屋号”は、町内の鰔川地区でソバ栽培に取り組む農家・澤口辰雄さんの名前にちなんだ。農村地帯の鰔川は「ゆがの里」の愛称で呼ばれた地域。古くからソバの生産が盛んだったが、輸入物に押されて地域の生産者は減少。澤口さんは休耕田などを生かしながら少しずつ生産量を増やしている。

 このほど町内のレストランで開かれた総会では、一般消費者をターゲットに1`程度に小分けしたそば粉の販売、そば好きの町民を巻き込んだ試食会やそば打ち教室などのアイデアが次々と出された。また、函館市でそば粉専門の製粉所を営む山欣司さんを新会員に迎え、専門的なアドバイスをはじめとする活動への協力を取り付けた。席上では、澤口さんが昨秋に収穫し、山さんが粉をひいた江差産の新そばを試食。会場では「コシがあってとてもおいしい」と笑顔があふれた。

 このほか、上ノ国町内の、15世紀末に築かれた山城・勝山館跡(国指定史跡)でソバの実が発掘されていることから「北海道のそば発祥の地としてアピールできないか」とするユニークな意見も。西海谷会長は「桧山には道内で最も早くそばが根付いた可能性がある。地域の歴史と食文化をタイアップすることで江差産そばの魅力も高まるはず」と期待を寄せる。