2010年2月17日 (水) 掲載

◎「e―Tax」にFMいるかパーソナリティー八木森さん挑戦

 2009年分の所得税の確定申告の受け付けが16日、全国一斉に始まり、函館、八雲、江差の道南3税務署でも申告書の作成や提出に訪れる人で混雑した。初日はFMいるかパーソナリティーの八木森佐知子さん(41)が函館市内の自宅でインターネットを利用した国税電子申告納税システム「e―Tax(イータックス)」に挑戦した。

 函館税務署(函館市中島町)は午前中から申告や相談に訪れる人で込み合い、この日だけで市内の自営業者や年金受給者ら約1200人が来庁。署内には昨年より29台多い78台のパソコンが設置され、職員のアドバイスを受けながらネットで申告手続きする人も多く見られた。

 この日は八木森さんが自宅でパソコンを操作し、イータックスを利用した申告を体験。事前に画面上で作成した申告書を職員の説明を受けながら送信し、5分足らずで手続きを済ませた。八木森さんは「数字を入れるだけなので帳簿の計算がこれまでより断然楽。本当に大丈夫と思うくらい簡単でなので、ラジオ番組でも勧めたい」と話した。

 所得税や贈与税の確定申告は3月15日まで、個人事業者の消費税や地方消費税は3月31日まで。受け付けは土日、祝日を除く午前8時半から午後5時まで。イータックスは期間中、24時間利用できる。同税務署は「例年期限が迫ると混雑するので早めの申告を」と呼びかけている。(森健太郎)



◎「海炭市叙景」クランクイン

 函館出身の作家、故佐藤泰志の原作を基にした映画「海炭市叙景」が16日、函館市内でクランクインした。初日は小林薫さん、南果歩さんらが撮影に臨んだ。構想から1年余りがたち、“函館発”の市民映画制作がいよいよ本格的に始まった。

 作品は函館がモデルの地方都市「海炭市」に生きる市井の人々を描く。市民有志の製作実行委員会(菅原和博代表)が企画し、監督は帯広出身の熊切和嘉さん。加瀬亮さん、谷村美月さんのほか、地元住民も多く出演し、3月中旬まで撮影が行われる。

 初日は花園町の団地の一室で、小林さんと南さん演じる共働きの夫婦が会話するシーンなどを撮影。熊切監督の「用意、スタート!」の声でフィルムが回ると、現場は一気に緊張感に包まれていた。

 撮影後、インタビューに応じた南さんは「前日にリハもあり、空気感を大事にする監督なのでスムーズに物語に入っていけた」と笑顔で話した。出演の決め手は「熊切監督と佐藤泰志」とし、以前読んだという原作を再読した感想を「寒くて暗い話だが人間が生きていく姿に今読んでも共鳴できる。埋もれた名作が映画化で復活すれば」と語った。

 函館ロケはデビュー作の「伽椰子のために」(1984年)以来で「空港も駅もきれいになったが路面電車など風情はそのまま」と話した。実行委は現在も、募金やロケで使う物資を募っている。問い合わせは事務局nisibori@ms7.ncv.ne.jp

 本紙では今後、「ロケ日誌」として撮影現場の様子と実行委員を不定期で紹介する。(新目七恵)



◎現駅へ「20分以内」 アクセスに要望【道新幹線】

 北海道新幹線新函館開業対策推進機構(会長・森川基嗣函館商工会議所副会頭)と函館、北斗両市、七飯町は16日までに、新函館駅(仮称)と現函館駅のアクセス充実に向けた要望内容をまとめた。主に@所要時間20分以内を実現する車両の導入A円滑に乗り継げる運行ダイヤB対面乗り換え可能なホーム整備―の3点で、17日にJR北海道本社や道などに要望する。

 4者は昨年11月、新函館駅からの鉄道アクセス充実に関する検討部会を設置。今月までに計3度会合を開き、内容をまとめた。

 車両導入は、JR北海道が札幌地区で運用しているディーゼル車を想定。最高速度130キロで加速性にも優れているため、これに準じた車両で現在の渡島大野駅―函館駅の所要時間(普通列車で24―30分)を20分以下に短縮できると判断した。

 検討部会では当初、JRが開発し、ディーゼルモーターと電気エンジンとを組み合わせた「モーター・アシスト式ハイブリッド型列車」の要望も浮上したが、「導入のハードルを高める必要はない」(同機構)として見送る。

 また、ホームに関しては新幹線と函館、札幌両方面で対面乗り換え可能なホーム整備とともに、函館方面リレー列車の車両数に見合った長さを求める。同機構は「リレー列車が繁忙期に4両編成を必要とする場合、函館側ホームとして100メートルが必要になる」としている。(千葉卓陽)


◎町の情報“窓口”開設 HP「とべとべおとべ」

 【乙部】乙部町は15日、町内情報の発信や住民による情報交流の拠点となるポータルサイト「とべとべおとべ」を仮オープンした。3月までに農産物や地場産品のネットショップ、地域SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を活用した住民交流サイトなどのコンテンツを充実させる方針だ。

 サイトはパソコンと携帯電話の両方で閲覧できる。トップページでは、縁結びの神木として親しまれるカツラの巨木「縁桂(えんかつら)」をデザインしたキャラクターが来訪者を出迎える。サイトの名称は町内の小中学生などから公募した。

 サイト内では、飲食店、ホテルや旅館、元和台海浜公園などの観光施設、年間のイベント情報をはじめ、商店や公共施設などの生活情報も網羅。3月中にもアスパラなどの特産品を販売するネットショップも立ち上げる。地域SNSは、事前に会員情報を登録した人が、地域の耳寄り情報をはじめ、自治会やサークルなどの団体、札幌や東京にあるふるさと会などのメンバー間での情報交換と共有を可能にするという。

 また、町外からの新規就農者向けに、本年度初めて出荷額が1億円を突破したブロッコリーなど野菜類の契約栽培の取り組みのほか、IT技術を活用して、リアルタイムで農産物の集出荷情報や気象データを携帯端末で出入力できる「農業支援システム」(新年度運用開始)の紹介ページも設ける。

 サイトは総務省の「地域ICT(情報通信技術)活用モデル構築事業」を活用して開設準備を進めてきた。行政情報が中心だった町ホームページに代わり、住民同士の交流や民間情報の発信拠点とする狙いがある。町の小石裕之企画室長は「パソコンや携帯電話を通じて、リアルタイムの情報をやり取りでき、高齢者を含めた住民の交流拠点になるようなサイトを目指したい」と話している。HPアドレスはhttp://www.tobe-tobe.com/index.php(松浦 純)


◎七飯町長選来月13日に公開討論

 【七飯】任期満了に伴う七飯町長選(3月16日告示、同21日投開票)に合わせて、町民有志による実行委員会(山田聖一委員長)が立候補予定者の公開討論会の開催を計画している。

 立候補を表明している現職、中宮安一氏(55)と元町職員、石田広紀氏(61)両者とも討論会に参加する意向を示しており、3月13日、町文化センターで開催する方向で準備を進めている。開始時間は午後6時を予定している。

 討論会は、司会者の質問に双方が制限時間内で答える方法で行い、両者のフリートークも設ける。

 司会者は現在、実行委で選定中。北海道新幹線開業を見据えたまちづくりや大沼観光の振興策など町が抱えている課題を取り上げ、質問をする考え。実行委は「市町村の選挙は、生活に直結した選挙。両者の主張が公平に直接伝えられる場となるよう公平中立に運営していく」と話している。

 実行委は討論会準備の協力者も募集している。問い合わせは実行委事務局TEL090・8373・4772。(鈴木 潤)