2010年3月1日 (月) 掲載

◎迫力のパドックシアター…函館競馬場プレオープン

 スタンドの全面改築工事が進められている日本中央競馬会(JRA)の函館競馬場(函館市駒場町12)は27日、すでに完成している2階部分などをプレオープンした。午前中から競馬ファンや家族連れなどが大勢来場し、大型モニターが設置された「パドックシアター」などで、ゆったりとレースを楽しんでいた。

 プレオープンしたのは、パドックの周りに約600の観客席と650インチの大型スクリーンを設置した「パドックシアター」、4店舗が入った「フードコート」、子どもたちが遊ぶことのできる「キッズコーナー」など。

 JRAでは初の試みとなるパドックシアターには一般用シートに加え、車いす利用者シート、畳席、65歳以上が利用できるシニアシートなどを設置。同競馬場によると「函館での競馬開催は年間8週のみなので、それ以外はこのパドックシアターで楽しんでもらいたい」と期待する。

 また「雲の広場」と名づけられた2階通路部分は、内装に木目調やレンガを多用するとともに、高い天井からは自然光を取り入れる仕様で、函館ならではのリゾート地の開放感あふれる競馬場をイメージしている。

 訪れた市内桔梗の高城サチ子さん(75)は「リニューアルした競馬場に興味があって足を運んだが、想像以上にきれいでびっくりした。一日中のんびりとした時間を過ごすことができそうなのでこれからも遊びに来たい」と喜んでいた。

 同競馬場の新スタンドグランドオープンは6月19日を予定。屋外のライブシートやターフシート、花道部分も一新される。(小川俊之)



◎新ミスはこだてが決定

 「第31回ミスはこだてコンテスト」(はこだて国際観光コンベンション協会主催)が27日、函館市の函館国際ホテルで開かれた。審査の結果、函館市在住、病院職員の小池恵子さん(24)、同、大学生の小川舞子さん(21)、北斗市在住、市臨時職員の高橋千尋さん(26)の3人が栄冠に輝いた。4月から来年3月末までの1年間、道内外の物産展などで函館の魅力をPRする観光大使として活動する。

 ここ数年応募者が減少し、今回も募集期間を延長するなどの措置が取られた。全応募者13人のうち、10人が出場。1次審査を経て、6人が最終2次審査に進み、同協会の木村孝男会長ら13人の審査員を前に一人一人が30秒間の自己アピールをした。



◎五稜郭病院 単孔式腹腔鏡手術が随時可能

 函館五稜郭病院(老松寛院長)は、重症化していない胆石症などへの胆のう摘出や急性虫垂炎への虫垂切除の手術で、へそ1カ所の切開で行う「単孔(たんこう)式腹腔鏡手術」を取り入れている。随時この手術が受けられる体制が整い、外科医長の舩渡治医師(41)は「傷がほとんど目立たない。術後は3日程度で退院でき、痛みや組織の癒着が少なく、回復も早い」とメリットを挙げる。

 一般的に腹腔鏡手術は全身麻酔で体の4、5カ所を5―12ミリほど切開し、内視鏡(カメラ)や鉗子(かんし)を入れ、モニターを見ながら行う。一方、単孔式腹腔鏡手術はへその真ん中1カ所を2a切開し、そこからすべての器具を入れて行う最新の手法だ。

 一般的な腹腔鏡手術と同様に全身麻酔下での手術となる。へそのくぼみを引き出して反転させてから切開して皮下をはがし、器具を挿入するための5―12ミリの穴を皮膚の下に3、4カ所開けて行う。  皮膚表面の傷跡は最初に切開した1カ所のみで、へそのくぼみにあるため、ほとんど目立たない。ただ重症化していると適さない場合があり、安全面から手術中でもすぐに一般の腹腔鏡手術へ移行することもできる。

 同病院によると、単孔式は日本で昨年夏ごろから本格的に行われるようになり、胆のう摘出や虫垂切除で随時、実施しているのは道南で同病院だけという。同病院では内視鏡手術の専門医の舩渡医師が昨年9月から開始した。実績は今年2月までに胆石、胆のうポリープ23例(女性19、男性4)、虫垂炎12例(女性9、男性3)。舩渡医師は「整容性へのメリットが一番だが、患者さんの満足度が非常に高い」と話している。 (宮木佳奈美)


◎北方領土の早期返還 再確認…日ロ関係ゼミナール

 北方領土復帰期成同盟渡島地方支部(村上幸輝支部長)は27日、函館市国際交流プラザ(元町14)で「日ロ関係ゼミナール―函館から北方領土を考える―」を開催した。渡島管内で北方領土の返還運動に携わる関係者ら約70人が出席。ロシアとの友好関係を築きつつ、領土の早期返還を求めていく思いを再確認した。

 村上支部長は「北方領土問題は、手が届く範囲にありながらも、解決に至っていない」と現状を指摘。江戸時代の豪商・高田屋嘉兵衛によって漁場が開拓されて以来、函館経済界と強いつながりがあった領土について「返還は国の意志であり、願い。機運を盛り上げていこう」と参加者に訴えた。

 ロシア極東大函館校の大渡涼子総務課長が「ウラジオストクと函館をつなぐ橋」と題し、昨年、同大学創立110周年の式典に参加した際の様子を写真を交えて説明。「領土返還には市民レベルでの交流も大切」と述べた。北方4島ビザなし交流に参加した学生らの成果報告も行われ、参加者はうなずいたり、メモを取るなど熱心に聞き入っていた。

 村上支部長は「日ロ間の相互交流や互恵関係を基軸とし、領土の早期返還を可能にしていきたい」と話していた。(黒田 寛)

 


◎白百合高で卒業式

 函館白百合学園高校(吉田めぐみ校長、生徒455人)で27日、卒業式が行われた。保護者や在校生、教職員に見守られ、「白百合ではぐくんだものを人生に生かしたい」との思いを胸に、137人が学びやを巣立った。

 壇上で卒業生一人一人に吉田校長から卒業証書が手渡された。吉田校長は「あなたの存在が周囲を幸せにする。社会で理不尽なことを味わうかもしれないが、笑顔としなやかな心を忘れず、どこにいても愛し、愛される人であってほしい」と式辞を述べた。

 卒業生代表で高橋朋代さんが「うれしいことがあれば一緒に笑える、悲しいときには優しさを持ち合える素晴らしい仲間がいた。3年間は、時を経ても濃密な時間として思い出に残る。この出会いに感謝したい。ありがとう」と涙で声を詰まらせた。

 市内の私立高校は2月1日の函館ラ・サールを皮切りに3月上旬、公立高校は3月1日に行われる。(田中陽介)