2010年2月3日 (水) 掲載

◎森町、駅前大通りで産業市「食KING市」開催へ

 【森】森町はJR森駅前の大通りで、地元の農水産物や特産品の販売などをする産業市「食KING(ショッキング)市」(仮称)の構想を固めた。毎月1回程度、継続的に開催する新たな取り組みで、4月からの実施を目指している。佐藤克男町長は「地域活性化の起爆剤として実施したい」と話している。(鈴木 潤)

 2日に町公民館で、佐藤町長が農業や商業団体の関係者に示した。

 食のKING(王様)と、あっと驚く市場を目指して、名前をショッキングとした。町によると、町内では砂原や濁川など地域単位での産業市は行われているが、森町が主導して地域全体で継続的に行うのは初めてという。

 昨年5月、町と商工会議所や農協、漁協など産業5団体で町産業・経済活性化協議会(産官サミット)を立ち上げ、中心市街地の活性化や地域振興について定期的に協議してきた。商店街は日曜日を休みとする業者がほとんどで、佐藤町長が日曜でも人が集まる市場開催を提起していた。

 構想では、函館市の昔の朝市をイメージし、毎月1回、日曜日に定期開催する方針。ホタテやカボチャ、プルーンなど季節の農水産物、イカ飯などの特産品を格安販売し、毎月「目玉商品」を設け、呼び物にする。割引商品「今月の参ったネ(値)」、タイムバーゲン「今月の待ってたネ(値)」も設け、町外からの購買者を増やし、観光ルートにも育てたい考えだ。

 出席者からは「観光客はその場で特産品を食べたいはず。買い物だけでなく飲食メニューも提供してはどうか」「本州、札幌方面に出荷されて地元の人が食べる機会の少ない食材を売ってほしい」「駒ケ岳にあるマツタケは目玉になる」などの提案が寄せられたほか、日にちの設定や季節の目玉がない場合の対応策、保健所との手続きといった課題も挙げられた。

 今後、産官サミットでさらに具体的な日程や手法を詰めていく予定で、佐藤町長は「やってみなければ分からない部分はあるが、やってみる価値はある。いずれは毎週できるようにしていきたい」と意気込んでいる。



◎桧山スケトウ漁 本年度過去最低

 【江差】桧山支庁水産課は、本年度の桧山沿岸スケトウダラ漁の結果をまとめた。累計漁獲量は3232トン(対前年比2・3%減)で、1993年以降では、昨年を下回り最低の水準だった。累計水揚げ額も魚価が下がった影響で6億5442万円(同19・1%減)だった。

 桧山沿岸では乙部町で昨年11月6日、江差町でも同10日に今季のスケトウ漁がスタートした。11月は波浪の影響で休漁日が多く、最盛期を迎える12月も水揚げは振るわなかった。年明け以降は水揚げがゼロに近い町もあり、1月上旬で今シーズンの出漁を打ち切り、スルメイカ漁などに切り替える漁業者も。

 昨年11月から今年1月の累計漁獲量をひやま漁協(乙部町)の支所別にみると、乙部1372トン(同10・9%減)、江差826トン(同44%増)、上ノ国497トン(同1・5%減)、熊石538トン(同22・2%減)。産卵場所に近い乙部・熊石の漁獲減少が目立った。漁獲額は乙部2億9706万円(同26・2%減)、江差1億4793万円(同17・5%増)、上ノ国9145万円(同9・9%減)、熊石1億1798万円(同34・2%減)だった。

 スケトウダラの人気が高い韓国への輸出は、急激な円高やウォン安の影響もあり1051トン(同13・9%減)に減少。輸出額も1億2833万円(同25・1%減)と大きく減らした。輸出減少に伴い、同漁協が強化した国内向けの生鮮出荷は19トン(同95・2%増)だった。

 桧山沿岸のスケトウダラ漁は、1993年度の1万7770トンをピークに漁獲量が減少を続け、06年度には最盛期の半分に当たる5273トンに減少。07年度は4932トン、08年度も3430トンと右肩下がりで落ち込んでいる。(松浦 純)



◎日銀12月の道南金融経済動向

 日本銀行函館支店(市川信幸支店長)は昨年12月の道南地方の金融経済動向を発表した。公共投資に頭打ち感が見られるが、耐久消費財などに改善の動きがあり、「非常に厳しい状況が続いているが、持ち直しや下げ止まりの兆しもみられる」として総括判断を据え置いた。(宮木佳奈美)

 個人消費は、主要小売店(10社)の売り上げが催事や特売の前倒しの効果で、前年比0・9%増と、2カ月ぶりに前年を上回った。

 家電販売は、引き続きエコポイント対象商品の薄型テレビやDVD・ブルーレイレコーダーが好調。寒波の影響で、暖房機も伸びている。乗用車販売では、新車登録台数で軽乗用車が同8・1%減だったが、エコカー減税の恩恵が大きい普通・小型車は同36・2%増と5カ月連続で前年を上回った。

 公共投資は目立った大口案件がなく、これまでの前倒し発注の反動で、前年比12・5%減と4カ月ぶりに減少。景気対策の効果が薄れて頭打ち感がみられ、2006年7月以来、43カ月ぶりに下方修正した。設備投資は、函館市内でドラッグストアなど店舗の着工があり、特に床面積は前年から4・4倍の大幅増。減少テンポが鈍化していることから、08年5月以来21カ月ぶりに上方修正した。

 観光面は、主要ホテル(20社)の宿泊客数が前年比5・2%減、函館空港乗降客数が同1・0%減でいずれも20カ月連続のマイナス。函館山ロープウェイが同6・1%減、五稜郭タワーが同7・9%減でともに3カ月連続で前年割れ。ただ減少幅が1ケタ台にとどまり、アジアからの外国人観光客が回復傾向にあり、下げ止まりの兆しがみられる。

 生産は造船が高水準の受注残から安定した操業を続け、中国向けの電子部品の輸出も回復し、高めの生産水準。水産加工は個人消費の弱まりから、操業度を引き下げている。

 同支店は「個人消費は家計の節約志向がわずかに緩和されたようにみられるが、1月の小売店では、特売の前倒しの反動減がみられる可能性もある」とみている。


◎市営函館競輪新年度から新システム ICカード導入

 市営函館競輪は新年度から車券販売コンピューターシステムを更新するとともに、全国の競輪場で初となるキャッシュレス投票機器を、函館競輪場(金堀町10)とサテライト松風(松風町10)で導入する。ICカードを使って車券購入と払い戻しを行うもので、従来の現金での購入と併存させる。市競輪事業部は「新システムの導入でファンサービスの充実に努めたい」と話し、4日からICカードの利用申し込みを受け付ける。

 市競輪事業部がまとめた昨年度の市営競輪売上額のうち、本場とサテライト松風の売り上げは08年度比20・4%減の6億8027万円と低迷。地元での売り上げ増を目指すとともに、本年度に「全日本プロ選手権自転車競技大会記念競輪」など3つの記念レースが開かれることに合わせ、導入を決めた。

 同機器では専用のICカードを使って車券購入と入金、出金が行えるほか、車券購入額200円につき1ポイントが付与される。ポイントをためることで競輪場内の食堂での飲食などが可能になるとしている。現金での車券購入をこれまで通り残すほか、システムを知ってもらうための「1日利用券」も導入する考え。

 機器は市営競輪の包括委託業者の車券機器販売メーカーが納入する。市議会では新年度の更新に関して「現在の機器を修繕することで対応できるのでは」との指摘が上がったが、西尾正範市長は「経年劣化による故障の発生が懸念される」として、早期更新する考えを示していた。

 同部は「競艇やオートレースなど他の公営競技ですでに同様の機器が導入されている点も踏まえ、ファンサービスの充実を目的に導入する。累積赤字の解消に向け、少しでも売り上げ増加につなげたい」と話している。(千葉卓陽)


◎2年間の集大成、楽しく披露 函館大谷短大が発表会

 函館大谷短大(福島憲成学長)の「こども学科卒業研究発表会」が2日、函館市五稜郭町の市芸術ホールで行われた。2年生約60人が光る影絵やダンス劇など2年間の集大成を披露し、招待された市内の園児らを喜ばせた。

 卒業を間近に控えた学生が音楽や表現、幼児体育の科目を総合し、創作表現活動に取り組んだ成果を発表する場。市内13カ所の幼稚園や保育所などから子どもたち約720人が集まった。

 学生は始めに「ブレーメンの音楽隊」と題した光る影絵と人形劇を発表。続いて、ピーターパンや不思議の国のアリスをモチーフにした2つの舞台を繰り広げた。オリジナルダンスを盛り込んだり、園児に人気のあるアニメキャラクターも登場する独自のストーリーに園児らは引き込まれ、楽しそうに鑑賞していた。

 市立はこだて幼稚園の森琴泉ちゃん(4)は「ブレーメンの音楽隊が面白かった」と喜んでいた。創作ダンスの舞台に立った杉澤実奈さん(20)は「出来上がりが心配だったけど楽しくできて良かった」、小柳有可さん(20)も「準備が大変だった分、本番が楽しくて思い出に残る発表会になった」と満足していた。(新目七恵)