2010年2月9日 (火) 掲載

◎市民の意見で「ポイ捨てダメ」看板設置 函館新道高架下

 函館開発建設部は8日、函館市昭和3の国道5号函館新道高架橋下に、ごみのポイ捨て防止を呼びかける看板を設置した。2年前から高架橋下の一帯などで自主的にごみ拾いを行っている近隣住民からの意見を契機として設置したもので、同建設部は「市民の美化活動に貢献していきたい」としている。

 看板は縦75センチ、横60センチ。函館市が昨年、ブランド総合研究所(東京)の調査で「最も魅力的なまち」の第1位に選ばれたことに引っかけ、「魅力的な街ナンバーワン」の文字とともにイヌの絵をあしらい、ポイ捨て防止を呼びかけている。

 看板設置は昨年10月、市内昭和4の会社員、杉本悟さん(71)が同建設部に寄せた意見がきっかけ。杉本さんは08年春から年間20回ほど、JR五稜郭駅前から道道函館上磯線(産業道路)に至る約3`のごみ拾い活動を一人で行っている中で、高架橋下に「ペットボトルや空き缶、タバコの吸い殻が大量に投げ捨てられている」と、投棄抑制看板の設置を求めた。

 杉本さんは「街灯が暗く、夜間に車からポイ捨てするケースが多いと感じた。札幌方向から市内に入る玄関口の場所だけに、ごみが多いのはどうかと思った」と話す。

 同部はこの申し出を受けて看板製作を決め、啓発ポスターを作る函館市とも協議を重ねてレイアウトやデザインを決定。高架下約400bの区間で、計8カ所に設置した。

 8日午後に行われた設置作業には、杉本さんも駆けつけて様子を見守った。杉本さんは「すぐに取り組んでくれてありがたい。これからもごみ拾いをやらないわけにはいかないね」と笑顔。同建設部は「国も利用者の目線に立った道路管理が必要。看板が魅力ある街1位の一助になれば」と話している。(千葉卓陽)



◎31人に1086万円返還請求 聴覚障害偽装で函館市

 札幌市の耳鼻咽喉(いんこう)科医師の診断書による聴覚障害偽装について、函館市は8日までに、同医師の診断により取得した障害者手帳で障害福祉サービスを受けたり、課税を免れた市民の人数や金額の調査結果をまとめた。障害者手帳を取得したのは37人で、うち31人に対し、補助金や追徴課税など、総額1086万507円(1日現在)の返還を請求することを決めた。対象者には2月中旬から調査結果を伝え、同下旬から返還金を請求する計画。

 市は2008年2月から対象となる手帳取得者の面談を実施し、対象者は手帳を返還。助成金などの返還は、昨年10月に道が示した基本方針やマニュアルに沿い、全道で統一した対応を行う。障害福祉サービスの返還は文書保管期間の過去5年間、市・道民税は徴収時効の同3年間、介護保険料は同2年間にさかのぼり請求する。

 市が返還金を求めるのは、手帳が交付された37人のうち、死亡した5人とサービスを利用しなかった1人を除く31人(40−70代)。04年合併前の居住地別内訳は、旧函館は13人、旧恵山は12人、旧椴法華は4人、旧戸井は2人となる。

 障害福祉サービスなどで利用されたうち最も多額になった重度心身障害者医療費助成は、31人全員が利用し、総額は856万円。次いで高額な児童扶養手当は、1人の利用で159万円。このほか日常生活用具(1人、6万2000円)、市の事業として福祉灯油(1人、5000円)がある。

 追徴課税などは、道・市民税が対象者8人で合計59万円。介護保険料の対象は2人で5万5000円だった。

 返還金の1人当たりの金額は数千円から、多い人では百万円台にも上るという。返還方法について市福祉部は、「個々の状況に応じ、一括返済が不可能であれば分割などの対応をしたい」とする。 (小泉まや)



◎冬の通学路これで安心 各町会独自に対策

 今冬の函館市は平年を上回る大雪と寒さに見舞われているが、市内の各町会では、凍結した通学路を自らの手で整備し、子どもたちを転倒事故などから守ろうとする動きが広がりを見せている。複数の町会で協力体制を敷いたり、学校や市民、市と町会が協同するなどして、安全確保に力を注いでいる。

 高丘町会(武下秀雄会長)では8日、スマイルクリーン運動という名称で、近隣にある高丘小、戸倉中の通学路の除雪作業を行った。市の土木部維持課からつるはしや融雪剤、雪を運ぶ軽トラックを借り、町会員と学校関係者20人が周辺の通学路の除雪作業に汗を流した。武下会長は「冬の歩道は道幅が狭いので、子どもたちが車道にはみ出す危険性が高い」と、今後も状況に応じて除雪を行い、安全な通学路を確保する。

 美原町会(若松均会長)は、市土木部維持課が推進する冬期間の歩行者の交通安全確保を目的とした「スノーボランティアサポートプログラム」を活用し、中央小の通学路の除雪を行っている。市と協定を結び、スコップ、小型除雪機、融雪機、軽トラックを借り、堆積場へと除雪した雪を運ぶ。協定は単年契約だが、若松会長は「天候と路面状況を見て来年以降も実施を検討したい」と話している。

 このほか、坂道が多い西部地区では、以前から市民が率先して除雪をしてきた。青柳町会(佐藤信夫会長)では区域内の青柳小、潮見中学校の通学路に砂をまき、すべり止めを施している。町会関係者は「街の地形上、助け合いの精神で除雪を行わなければいけない」と語る。高盛町会(佐藤福明会長)と日乃出町会(伊藤正則会長)、堀川町会(古屋義昭会長)のように3町会が連係し、小学校近くの交差点で児童がけがなどをしないようパトロールを行なっているところもある。

 函館市町会連合会の敦賀敬之会長は「町会連合会から特に指示を出しているわけではないが、各町会が独自に子どもたちを守るための安全対策を行なっていることは評価すべき」と話していた。(黒田 寛)


◎前年同月比56.2%減 12月の函館港貿易・輸出

 函館税関がまとめた12月の函館港貿易速報によると、輸出は船舶がゼロだったため、前年同月比56.2%減の3億1900万円と2カ月連続でマイナスとなった。輸入は石炭が全減となり、同19.6%減の8億100万円で、5カ月連続で前年を下回った。

 輸出の品目別では、船舶のほか、中国向けのサケが減少した影響で、魚介類・同調製品が前年同月比62.0%減の5900万円と前年割れ。ただ、韓国向けのタラは同6.8倍の3300万円で全体を大きく占めた。

 このほか韓国向けの鉄鋼のくずが同3.3倍の1億4200万円と大幅増。漁網が2300万円、非金属鉱物製品(セメント)は7000万円でいずれも全増だった。

 輸入は、前年に1億2600万円あった石炭のほか、一般機械が全減。ニシンやタコが全減となった魚介類・同調製品は同27.1%減の2億7800万円だった。一方、米国やカナダからの小麦・メスリンが同1.3%増の1億5100万円で、米国などからの石油製品は同97.6%増の2億3400万円と大幅に増えた。

 同税関管内(道内と青森、秋田、岩手の東北3県)は、輸出が前年同月比9.2%増の414億2700万円で2カ月連続のプラス。輸入は同5.2%減の1137億4900万円で、14カ月連続のマイナスとなった。

 輸出は韓国向けなどの鉄鋼が同55.0%増の78億1100万円と2カ月連続で増加。中国向けのサケ、韓国向けのタラなどが好調な魚介類・同調製品は同2.1倍の52億2000万円、米国向けなどの自動車部品が同84.6%増の54億6900万円で、上位を占めた。

 輸入は原油・粗油が同46.7%増の557億8900万円と2カ月連続でプラス。オーストラリアからのニッケル鉱などの非鉄金属鉱が29.5%増の53億4700万円と2カ月ぶりに増加に転じた。一方、ロシアからのカニが減少した魚介類・同調製品が同39・8%減の48億400万円と9カ月連続で減少した。(宮木佳奈美)


◎「食KING市」実行委発足

 【森】町と、産業団体でつくる町産業・経済活性化協議会(産官サミット)の臨時会が8日、町役場で開かれ、JR森駅前の大通りで開催を計画している毎月1回の産業市「食KING市」の実行委員会を立ち上げた。

 実行委は町と産官サミットの参加組織で構成。委員長に佐藤克男町長を選任。副委員長は増田裕司副町長とサミットの各団体のトップが務める。

 この日の臨時会では、実行委の規約や開催日、開催時間などを協議。名称を「楽市楽座もりまち食KING(ショッキング)市」とし、4月から毎月第一日曜に開催することで合意した。

 出席した委員からは「人が集まる5月の桜まつりに合わせて1回目を開催してはどうか」という案もあり、今後さらに協議して詰めていく。

 同市では、地元で生産された新鮮な農産物、海産物や加工食品などを販売する意向。保健所の許認可や、農協、漁協側との調整、他地域の市場との競合などをどう進めていくかが課題となっている。佐藤町長は「諸問題をクリアしながら成功に結びつけていきたい」と話す。

 同市は衰退する商店街の活性化を目指して開催を計画。構想では、イカ飯やカボチャなど町の特産品を格安で販売し、毎月「目玉商品」を設けるほか、割引商品「今月の参ったネ(値)」、タイムバーゲン「今月の待ってたネ(値)」も行う。町外からの購買者を増やし、観光ルートにも育てたい考えだ。 (鈴木 潤)