2010年3月15日 (月) 掲載

◎変わり種「やき弁」第3弾はイカスミ ハセガワストア

 コンビニエンスストアのハセガワストア(函館市中道2)は16日から25日までの10日間、看板商品「やきとり弁当」のご飯にイカスミを混ぜ込み、イカポッポをのせた「やきとり弁当イカ墨ご飯」を市内・近郊の全14店で限定販売する。

 同社は昨年9月から、季節に合わせた変わり種のやきとり弁当を企画。これまでに好評だった「栗(くり)ご飯」「秋鮭(あきさけ)ご飯」に続く第3弾で、今回は地元・函館の特産品をやきとりと組み合わせようと考案した。  新作は通常の「やきとり弁当小」のサイズ。約200グラムのイカスミご飯の上にノリが敷かれているため「あけてびっくり、食べてびっくり」(同社)。やきとり3本のほか、野菜くしに替えてくし焼きにした小ぶりのイカも添え、魚介の風味豊かに仕上げた。

 味はタレ、塩、塩ダレ、旨辛(うまから)ダレの4種類。一個450円。期間中は午前10時―午後2時と、午後4時―同8時の計2回、各店20―40食限定。考案した同社西桔梗店の佐藤至由店長(54)は「見た目はインパクトがあるが、生臭さもなく地元の人に新しい味を楽しんでもらいたい」とPRしている。(森健太郎)



◎現職、元町職員 対決へ 七飯町長選あす告示

 【七飯】任期満了に伴う七飯町長選挙は16日、告示される。いずれも無所属で、現職の中宮安一氏(55)と、新人の元町職員、石田広紀氏(61)が立候補を予定している。他に出馬の動きはなく、現職対新人の一騎打ちとなる公算が大きい。両陣営とも今月上旬から中旬にかけて総決起集会を開き、選挙戦に向けて士気を高めた。投票は21日で、即日開票される。

 現職対新人の一騎打ちは2002年3月以来。中宮氏、石田氏とも元町職員で、両氏とも子育て支援や高齢者福祉の充実、雇用・企業誘致対策などを重要施策に掲げる。明確な争点が乏しいと言われる中、中宮町政の継続か交代を選択する選挙となりそうだ。

 2選を目指す中宮氏は1期目からの充実、発展を掲げる。桜町に連合後援会事務所を開設し、町内5カ所にも地区後援会を設立。連合渡島や建設関係の企業など約30団体の推薦を受けた。

 保育所・子育て支援センターの整備・充実や民間資金を活用した図書館整備、子宮けいがんのワクチン助成などを掲げ、1期4年間で基金(貯金)を増額させるなど健全財政を堅持した実績もアピールする。陣営幹部は「挑戦者のつもりで、最後まで気持ちを引き締める」と話す。

 石田氏は学校の同窓生や知人らを中心に後援会を設立。鳴川に連合後援会事務所を構え、町内5カ所に地区後援会を組織。特定の政党、団体の推薦を受けない「草の根」運動を展開し、これまで町内を2巡し、着実に浸透を図っている。

 高校生までの医療費無料化や給食費の軽減、町長公用車の廃止などを公約に掲げ、現職との違いを「退職後、外から町政を見てきた」とし、町民目線の姿勢を強調する。陣営幹部は「日増しに手応えを感じている」と話す。  両氏とも16日午前8時半すぎ、連合後援会事務所前で第一声を上げる予定。(鈴木 潤)



◎将棋の基本 プロから学ぶ 親子初心者教室

 文化庁主催の「親子初心者将棋教室」が14日、ホテル湯元河畔亭(函館市湯川2)で開かれた。3人のプロ棋士を講師に迎え、3歳から高校生まで約80人の子どもたちが将棋の基礎を学んだ。

 この日は、日本将棋連盟から室岡克彦七段、武市三郎六段、中村太地四段が来函。午前中の将棋講座では、参加者をレベルに合わせて2グループに分け、初心者は駒の種類や動かし方など基本から説明を受け、経験者は実際の対局を想定した指導を受けた。

 午後からは本格的な指導対局を行い、終了後にはプロ棋士との写真撮影やサイン会などのサービスも。函館中ノ沢小4年の鈴木智矢さんは「これまで、はさみ将棋しかやったことがなかった。クラスで本格的に将棋を知っている人が数人いるので、しっかり打ち方を覚えて対戦できるようになりたい」と話していた。

 同教室の運営責任者で日本将棋連盟公認将棋普及指導員の工藤祐紀さん(函館市戸倉町)は「プロから学んだことを誇りに、将棋に興味を持ってくれる子どもたちが増えてくれるとうれしい」と話していた。(小川俊之)


◎稜北高の青山さん英検準1級合格

 函館稜北高(竹内和男校長)2年の青山勝俊君(17)が、1月に行われた本年度の第3回実用英語技能検定(英検)で準1級に合格した。同校在学生が準1級に合格したのは初めて。高校生での合格率は10%前後という難関突破に青山君は「苦手だったヒアリングも、先生たちの協力によって克服することができた。将来は英語を生かした道に進みたい」と話している。

 同校では数年前から生徒の英語力アップを目指し、英検資格取得に力を入れており、試験直前には昼休みを利用した補習授業などを取り入れている。この結果、2007年度の合格者は2級2人、準2級67人、08年度は2級4人、準2級86人、09年度は準1級1人、2級7人、準2級107人と着実に成果が表れている。

 今回準1級に合格した青山さんは、高校入学後に初めて英検に挑戦。当初は「みんなが受けるので自分も受けてみた」という軽い気持ちだったが、1年時には全3回行われる試験で、1回目に3級、2回目に準2級、3回目で2級を次々と合格するなど英語の実力が開花。しかし2年時には準1級のヒアリングにつまずき2回連続で不合格。本年度最後となる3回目で必ず合格したいと意欲を見せ、担任で英語教諭の高橋和哉さんや、カナダ出身の英語指導助手らからアドバイスを受け、冬休み期間は毎日3時間の自主勉強を行うなどして実力を磨き、見事に結果を出した。

 国公立大学への進学を希望するため、英検の最高峰となる1級への挑戦はひとまず中断し、新年度は受験勉強に集中する。「将来は英語を生かした仕事を目指したい。そのためにも今回の合格を自信にしてさらに英語のレベルアップを図りたい」と話している。(小川俊之)


◎本丸御殿と礎石の配置酷似 館城跡の発掘調査報告会

 【厚沢部】国指定史跡・館城跡の発掘調査成果報告会(町教委主催)が14日、館地域振興センターで開かれた。本年度見つかった多数の礎石について、調査を担当する石井淳平学芸員が「本丸御殿の記録と遺構の整合性が確かめられた。予想外の大きな成果だった」と解説し、館城跡の全容解明への期待感を熱く語った。

 地域住民を中心に約30人が参加した。本年度の発掘調査では、建物の基礎を支えた多数の礎石を発見。江差町の旧家・増田家に伝わる本丸御殿の平面図と照らし合わせたところ、建物の構造や寸法がよく一致したという。石井さんは「図面に描かれた建物と礎石の配置が非常に似ている。今後はさらに詳しい発掘調査が必要。明治になって多くの城郭は軍の施設や学校になり遺構が破壊された。幕末期の御殿建築を知る上でも貴重な発見」とした。新年度の発掘は5月から8月中旬に予定している。

 報告会では、今後の館城跡の活用について意見交換した。参加者が館城跡の魅力や活用策を発表。「史跡を花いっぱいにする」「散策路やキャンプ場を作りたい」「発掘体験ツアーを行ってはどうか」など、活発な意見が出された。館城攻防戦で勇戦の末に戦死を遂げた、松前藩法華寺の僧で、藩の正義隊隊長も務めた三上超順(1835―1868)のキャラクター化といったユニークな案も。参加者の意見は、専門家による館城跡発掘調査検討委員会の検討材料として提供する。(松浦 純)