2010年3月2日 (火) 掲載

◎気分は貴婦人…ハイカラ衣裳館営業開始

 函館市元町11の旧函館区公会堂(槻泰治館長)で1日、明治時代をほうふつさせるモダンな衣装を来て館内を楽しむことができる「ハイカラ衣裳館」の営業が始まった。早速市民や観光客が利用し、バルコニーなどで記念写真を楽しんでいた。

 同館が1992年から始め、毎年好評を得ており、昨年は約1万3000人が利用した。前日に訪れて知り、この日に再来館した観光客も。2008年からは衣装に合わせたヘアスタイルやポイントメークも行っている。埼玉から卒業旅行で来函した杉内茉莉さん(21)は「旅行ガイド誌で知ったが、衣装だけではなく本格的にゴージャスな気分になれうれしい。早く結婚したくなった」と笑顔で話していた。

 槻館長は「歴史ある建物の見学のみならず、衣装を着るという体験の要素が観光客にとってうれしいことと思う。今年は1910年に建築され、開堂100年の節目。ぜひ利用してほしい」と呼び掛けている。

 営業は12月25日まで。時間は3月と11月からは午前9時から午後4時40分まで。4―11月は午前9時から午後5時まで。利用料は1着20分で1000円。ヘアーセットとポイントメークは1回1000円。入館料は別。問い合わせは同館TEL0138・22・1001。(山崎純一)



◎函館市の中期財政試算、5年間で財源不足249億円

 函館市は1日、2010年度から5カ年の中期財政試算を公表した。一般会計は5年間で249億7800万円の財源不足が生じるが、行財政改革の推進と市債(借金)の発行、基金(貯金)の活用で252億800万円を生み出し、収支を2億3000万円の黒字とする計画。財源調整用の基金は本年度当初予算の段階で1億6400万円とほぼ底をついたため、11年度は使途が限られる特定目的基金から借り入れるとしており、財政運営は今後も厳しい状況が続きそうだ。

 中期財政試算は例年、11月下旬から12月中旬にかけて公表しているが、昨夏の政権交代に伴い「国の地方財政計画の制度設計が一変する可能性があった」(市財政課)ため、この時期に策定。新年度の一般会計予算計上額をもとに、いずれも現行制度に基づいて試算した。

 歳入の柱となる普通交付税は新年度に338億4100万円を計上したことから、11年度以降の4年間を同額で見積もった。市税は景気低迷と人口減から増加の要因はなく、11年度以降、毎年1%減を想定。生活保護など扶助費の伸びと合わせると、毎年度5億円程度の減収となる。

 普通建設事業費は、新年度に市民体育館の増改築や国際水産・海洋総合研究センターの建設に着手することを考慮し、11年度に101億円を見込んだが、12年度以降は圧縮する。

 財源不足は11年度、扶助費増などに加え、いわゆる「団塊世代」の職員退職がピークを迎えることから48億円と算定。12年度以降は退職者数が80人台に減ると想定、加えて起債償還額の減などで圧縮され、14年度には30億円を割る見通し。退職者が減る分、事務事業の見直しや、各部局に対して予算要求基準を決めておく「シーリング」といった行財政改革を進め、5年間で132億円を生み出す。

 さらに退職手当債と行政改革推進債の市債を105億円発行し、基金の活用は22億円。11年度は特定目的基金のうち、公共用地の先行投資に充てる土地開発基金から11億円を借り入れ、その他の同基金からの借り入れは12年度に2億円を予定。15年度以降は基金に頼らない財政運営を目指す。(千葉卓陽)



◎来春改選時の議員定数「30」で合意…函館市議会4会派

 函館市議会の4会派は1日、議員定数削減に関する協議を行い、来春の次回改選時の議員定数を「30」とすることで合意した。24日の議会運営委員会に諮り、26日の定例会最終日に関係条例の改正を提案する。

 函館市議会の議員定数は現在、旧4町村との合併特例で暫定的に「38」だが、来春の次回改選では34とすることが決定済み。共産党を除く4会派は34からさらなる削減に向け、先月から幹事長レベルで議論を進めていた。

 各会派によると、新生クラブ、市民クラブ、公明党が「人口1万人に対し議員1人」という中核市の一般的な目安に近づける観点から「30」かそれ以下を提案したのに対し、民主・市民ネットが合併した旧4町村地域に配慮する目的から「31」とする案を出して意見が分かれていたが、最終的に「30」で一致。改選後の中間年となる2013年に、改めて定数を見直すことも申し合わせた。

 全国41中核市の平均は9866人(昨年6月1日現在の住民基本台帳)で、函館が「30」とした場合には9469人(今年1月末現在の住民基本台帳)となる。また、議員1人あたりの面積規模は22.6平方キロメートル(同)で、全国の中核市中4位となる見通しだ。(千葉卓陽)


◎車両の雄姿に鉄道ファン夢中…超低床電車導入記念撮影会

 函館市交通局は1日、3年ぶりとなる超低床電車「9602号車」の導入を記念して「車両搬入撮影会」を、駒場町の駒場車庫で開催した。市内や札幌などから鉄道ファン23人が参加。この日早朝に函館に到着したばかりの車両の搬入作業に食い入るように見入り、シャッターを切った。路面電車搬入時の撮影会は全国的にも珍しく同交通局では初めて。

 この日は午前8時ごろから搬入作業を開始した。始めに電線から電力を受けるパンタグラフを設置。続いて特殊トレーラーに乗せられた電車の軌道幅と、車庫内の軌道幅の位置を慎重に合わせ、ロープで引っ張りながら少しずつ地上に下ろした。参加者らは好みのアングルを確保しながら、通常は一般の目に触れることのない作業や、ラッピングされたままの真新しい車体をカメラに収めていた。

 このほか作業台に乗り込んでの車両上部撮影や、アミューズメントトラムで秘蔵映像の鑑賞会を実施。また今回特別に制作された明治時代の函館名物を再現した「箱館ハイカラ號弁当」を味わった。市内から参加した西山太志さん(39)は「珍しい作業や新型車両を見ることができてよかった。こうした作業を一般に公開してくれると、市電により親しみが持てると思う」と笑顔で話していた。

 今回導入された新型車両は、2007年3月に導入された函館市電初の超低床電車「9601号車(らっくる号)」と同型。障害者だけでなく、幼児から高齢者までが利用しやすいユニバーサルデザインが特徴だ。同交通局によると、調整作業が終わり次第運行するという。(山田 孝人)


◎公立高入試の最終出願状況…市立函館は1.4倍に

 道教委は1日、2010年度の公立高校入試の最終出願状況を発表した。市立函館の倍率は1.4倍と出願変更後より0.1ポイント上昇、函館中部は変更後と同じ1.2倍だった。

 当初の総募集定員から推薦入試などの合格内定者数を除く道内の実質募集定員は全日制3万4101人、定時制2340人。推薦入試で合格内定しなかった生徒などを含む出願者数は全日制3万7028人、定時制1322人で、全体の平均倍率は変更後と同じ1.05倍(前年度比0.01ポイント増)となった。

 再出願で変更後より倍率が0.4ポイント以上高くなったのは、大野農業の食品科学、函館工業の電子機械と情報技術、函館商業の流通ビジネス、国際経済、会計ビジネス、情報処理、函館水産の品質管理流通、機関工学。

 学力検査は3日、合格発表は16日。(新目七恵)