2010年3月20日 (土) 掲載

◎北斗、谷川小の2年生が16メートルの太巻き作り体験

 【北斗】北斗谷川小(柏崎誠校長、児童184人)の2年生27人が19日、同校で、“特大”の太巻き作りに挑戦した。5年生や保護者、地域住民約50人の協力を受けながら取り組んだ2年生は見事、16・3メートルの太巻きを完成させた。

 1年生から継続してきた生活科の授業「心を一つに」の集大成として企画した授業で、児童の母親がご飯や具財を提供。米9升を用意し、のり約100枚、すしを巻く「まきす」66枚を並べた。

 市内七重浜のとんかつ店「せき乃」の関野則夫さん(60)からまきすの巻き方の指導を受けた児童らは、横一列に並んでのりの上にご飯や玉子焼き、から揚げなどの具材を載せ、準備が整った後、みんなで呼吸を合わせて一斉にまきすを巻いていった。

 児童たちは「壊れそう」「やばい」などと言いながら恐る恐るまきすを扱っていたが、しっかりとのりが巻かれた太巻きが出来上がると歓声が上がった。

 高橋唯央さん(8)は「簡単だと思っていたけど難しかった」、川原虎博君(8)も「うまく出来てうれしかった」と笑顔。担任の太田尚美教諭は「授業で伝えてきた心を一つにが体現できた」と喜んでいた。(鈴木 潤)



◎函館鮨同業会「函館すし祭」初開催へ

 函館近郊のすし店でつくる函館鮨同業会(豊田隆夫会長、会員39人)主催の「函館すし祭(まつり)」が4月18日、函館国際ホテルで初開催される。職人が握る自信作の食べ放題、握り体験教室のほか、すしに合う日本酒なども取りそろえる。豊田会長(66)は「すしには人の温もりも握られている。おいしいすしを原動力に一層の地域発展を図り、住民の和をはぐくんでいきたい」と意気込んでいる。

 道南は漁場に恵まれ、すし文化が栄えた土地。カウンター越しに客と職人が会話を重ね、心を通わせてきた。ただ、近年は大型店との競合で個人店を取り巻く環境は厳しさを増しているという。

 豊田会長は「すしの醍醐味(だいごみ)は、人と人との触れ合い。暗い世相の今こそ、すし文化が果たす役目は大きいはず。『すし祭』を成功させ、第2回開催へとつなげられれば」と、伝統の食文化を守りたいという関係者の思いを代弁する。

 ねたの魚介類は函館近海を中心に、コメは道南産の人気品種ふっくりんこを使う。日本酒はふっくりんこなど道産。ソフトドリンクもある。

 昼の部(正午―午後2時)・夜の部(同6時―同8時)で各回職人10人が腕を振るう。熟練職人が手ほどきする「お寿司教室」、来場者には「函館育ちふっくりんこ」精米2キロ1袋をプレゼント。抽選会ではすし券のほか、ふっくりんこ1年分(60キロ)などの景品を用意する。

 チケットは昼の部3500円、夜の部は5000円で各200枚。

 問い合わせは豊田会長(鶴寿司)TEL0138・55・6677、齊藤範明さん(すし屋のよいしょ)TEL同47・1420。(田中陽介)



◎国に「要望書」提出、介護給付費過誤申請で

 函館市の西尾正範市長らは19日、国から受ける2009年度の介護給付費「財政調整交付金」を過誤申請した問題で、厚生労働省と民主党の幹事長室を訪問。詳しい経緯を説明するとともに、厳しい財政事情などの実情を訴え、過誤を調整する救済措置を求める正式な「要望書」を提出した。帰函した西尾市長は、「担当課長は『正式に大臣に伝える』と言っていた。どうなるかはまだ分からないが、修正してくれることを願う」と期待した。

 過誤申請は、申請時の計算に使用するソフトの運用ミスや確認漏れのため、交付見込額(約11億9000万円)より約1億3000万円少ない額が内示された。西尾市長は11日にも長妻昭厚生労働相に直接救済を求めたが、担当課は内示通りに交付する態度を崩していない。

 この日、西尾市長には、福祉部の西川康之介護高齢福祉課長と総務部の谷口諭次長らが同行した。持参した要望書では、同交付金について「高齢者が負担する保険料の軽減に大きな役割を果たしている」とし、市の事務処理ミスで内示額が著しく少ない結果となり、内示額のまま確定した場合は「会計上大幅な歳入欠陥が生じ、次期計画の介護保険料に多大な影響を及ぼす事態となる」と説明している。

 幹事長室へは、道8区選出の逢坂誠二衆院議員(民主党)も同行し、小沢一郎幹事長あての要望書を青木愛副幹事長に提出。厚労相では介護保険計画課の課長らに対し、約1時間にわたり状況などを説明し、理解と対応を求めた。

 過誤申請については、同日行われた市議会の予算特別委員会(佐古一夫委員長)で、複数の委員が質問した。瀬尾保雄氏(公明党)は「民主党の政治主導が本当に行われるか、試されている事案だ」と位置付ける一方、市に対しては「また起きるのではという気がする」と、同様のミス再発を懸念。小柏忠久副市長は「どうチェックするかを全庁的に洗い直したい」とし、職員が自前でシステムを構築する仕組みを含めて対応を検討する考えを示した。(小泉まや)


◎ひろめ荘 入館者30万人達成

 函館市大船町832の「ホテル函館ひろめ荘」(西村晴美総支配人)は19日、入館者数30万人を達成した。市内旭岡の農業佐々木ミエ子さん(61)が30万人目を飾り、同ホテルから宿泊券と花束が贈られた。

 ホテルは2007年8月にリニューアル。源泉かけ流し温泉と地元の新鮮な魚介類料理などが人気だ。08年6月に10万人、09年5月には20万人と着実に来館者を伸ばしてきた。

 午後零時半ごろ、佐々木さんは夫の正之さんと来館。入浴券を購入すると、「おめでとうございます」と西村総支配人が祝福した。

 佐々木さんは満面の笑みで「農作業の合間に年2、3回来ている。ここの温泉は体も心も温まるから大好き」。ミエ子さんは20日が誕生日で正之さんは「運が良かった。いい誕生祝いになった」と感謝していた。

 感謝企画で22日限定の「ランチバイキング」を予定。午前11時半―午後2時、入浴料込みで中学生以上1500円、小学生800円。

 5月末までは@「レストラン限定メニュー3割引き」(日曜・祝日のみ)A1日2組で1泊2食「和洋室部屋食プラン」1人1万円(通常1万3650円)。問い合わせは同ホテルTEL0138・25・6111。(田中陽介)


◎高橋病院が2年連続で道IT経営貢献賞を受賞

 函館市元町の高橋病院(高橋肇理事長)が、優れた情報技術(IT)経営を実践している中小企業などをたたえる「北海道IT経営貢献賞」(北海道経済産業局長表彰)を2年連続で受賞した。テレビ、インターネット、診療情報閲覧などの多様な機能を備えた「ベッドサイドシステム」が、患者や家族のニーズに対応した質の高いサービスを提供しているとして評価された。(宮木佳奈美)

 同病院は2003年から電子カルテシステムを導入。08年4月から本格稼動した地域医療連携ネットワークシステム「道南MedIka(メディカ)」の構築に尽力し、昨年は医療分野で初めて同賞を受賞。経済産業省の「IT経営実践認定組織」にも認定されている。本年度の北海道IT経営貢献賞は9社で、2年連続の受賞は同病院が初めて。

 ベッドサイドシステムは、06年2月から始まり、現在は179床のうち119床で導入。入院患者のベッド横に設置したタッチパネル式モニターで、病院案内や、患者の検査値やリハビリテーション計画などを知らせる診療情報、インターネットなどの娯楽系コンテンツを閲覧できる。ITになじみがない患者への説明役を担う同病院顧客サポートセンター「ひまわり」、料理や落語など趣味、娯楽の情報を提供する専用コンテンツ「げんき化計画」も備える。

 また「転倒・転落防止システム」では、特に注意が必要な項目をタッチパネルで入力すると、電子カルテと連動し、患者の体の状態に合わせた注意喚起ビデオが自動的に流れる。ビデオは70パターンあり、職員が製作、出演。ベッドからの起き上がり方、車いすや排せつ時の介助方法などを映像で分かりやすく教え、視覚的に患者が理解しやすくした。ほかにもゲーム感覚で1人でできるリハビリソフト、患者の声を聞くアンケートシステムなども入っている。

 高橋院長は「ベッドサイドシステムでは患者の視点でサービスを追及し、賞をいただいた。ITをITだと意識させず、1日の大半を過ごすベッドでも楽しくリハビリができれば前向きに利用してもらえるので、さらに充実させたい」と話している。(宮木佳奈美)


◎函館公園動物園でオープンイベント

 4月1日にリニューアルオープンする函館公園動物舎(函館市青柳町)では3、4日に、「オープン記念イベント」(函館市住宅都市施設公社主催)を開催する。動物クイズやマジックショー、動物との記念撮影など多彩な催しが行われる。同公社は「子ども向けのイベントを多く用意したので、家族で楽しめると思う」と話している。

 初日の3日は、全問正解者の中から抽選で50人に景品をプレゼントする動物クイズや、顕微鏡での生物観察体験を実施。4日は風船で動物を作るアートバルーン体験やマジックショーが行われる。

 同動物舎スタッフによる施設案内や、押し花でウサギを作りラミネートフィルムで仕上げるクラフト体験会、花苗や隣接する「こどものくに」の利用券プレゼント(各日先着50人)などは両日とも開かれる。また風景や草花、動物を対象とした写真展を同ビジターセンターで23日まで開催している。

 同動物舎は老朽化にともなう改修工事のため、2008年から閉鎖されていた。今回新たに同公園全体を所管する函館公園ビジターセンターを新築したほか、障害者やお年寄りも舎内を移動しやすいようスロープを設け、動物との“ふれあいゾーン”も新設。ミニチュアホースやウサギに触れることができ、エサをあげたりブラッシング体験などもでき、週末限定で6月ごろに実施する予定。

 同公社は「施設をリニューアルし、バリアフリーにも対応した。動物も見やすくなっているので、この機会に来てみてほしい」と来場を呼び掛けている。入場無料で、午前10時―午後3時まで。駐車場は住吉公園グラウンドなどを開放するが、混雑が予想されるため公共交通機関の利用が望ましい。イベントの問い合わせは同公社TEL0138・40・3605、会期中は090・6874・7932。(山田孝人)