2010年3月3日 (水) 掲載

◎4月1日に函館公園内の動物施設がリニューアルオープン

 施設老朽化のため2008年6月から閉鎖されていた、函館公園内(函館市青柳町)の動物舎が4月1日、リニューアルオープンする。新たに同公園全体を所管する管理センターを新築したほか、障害者やお年寄りも舎内を移動しやすいようスロープを設け、動物との“ふれあいゾーン”も新設した。市緑化推進課は「これから暖かくなり外に出かける機会も多くなるので、大勢の市民に利用してもらいたい」と話している。

 動物舎整備の総事業費は3億6000万円で、敷地面積は0.5ヘクタール。

 1億5000万円で建設した管理センターは地上3階建てで、延べ床面積は435平方メートル。3階にはエントランスや研修室を設け、2階には管理室など、1階は鳥やリスなどを飼育する動物ゲージを設置。維持管理や運営は市住宅都市施設公社が担う。入場時間は午前9時―午後4時半(冬期は4時まで)の予定。

 舎内の特徴は来園者の利便性や見やすさを意識した作りだ。改修前は事前に申し込んだ場合のみ動物と触れ合うことができたが、今回ふれあいゾーンを設けたことでミニチュアホースやウサギなどに、常時エサをあげたり触ることができる。また動物の飼育環境にも配慮したほか、スロープを設置してバリアフリーにも対応。舎内では31種の動物を飼育する。同課は「工事は開放的で動物を見やすくすることを心掛けた」と話す。

 函館公園は1879(明治12)年に開設され、国内でも早期に作られた都市公園。動物舎は1933年(昭和8)年ごろに設置され、当初はクマなどを飼育し一般に開放していたという。54年の北洋博開催を機に小動物の飼育施設などを整備し現在に至る。

 今回の整備は02年度から市が進める函館公園整備の一環で、これまで園内の池や歩道、花壇などを実施。動物舎は08年度から2カ年計画で行われ、初年度は管理センターの建設を、本年度は動物舎内の施設整備を実施していた。

 4月3、4日にはオープン記念イベントを開催。両日とも先着100人に花苗などがプレゼントされる。問い合わせは同公社TEL0138・40・3605。(山田孝人)



◎渡島・桧山管内の高卒者就職率61.7%

 就職を希望する今春卒業の渡島・桧山管内の高校生の就職内定率が1月末現在、前年同期比7.2ポイント減の61.7%にとどまっていることが函館公共職業安定所のまとめで分かった。前年同期の下落幅は過去10年で大。特に道外求人の落ち込みが激しく、急速な景気悪化の波が若者の就職戦線を直撃している。

 高校生の就職率は2002年以降、上昇傾向にあったが、08年秋のリーマンショック後は全国で新規採用を手控える動きが加速。「全体の3割近くを占める製造業の求人が半減し、道外求人の落ち込みが目立つ。バブル崩壊後の就職氷河期に近い水準」(同職安)という。

 管内の高校卒業者はほぼ前年並みの4144人で、このうち就職希望者は同13.4%減の1012人。1月末までに就職が決まったのは同22.6%減の624人にとどまり、就職希望者全体の約4割に当たる計388人の就職が決まっていない状況だ。

 一方、求人数は全体で同31.4%減の1058人と急減し、00年以降で最大の減少率となった。管内や道内の求人が前年比約2割の減少幅に対し、道外は同43.4%減の392人と急激な落ち込みで、同職安は「本来は就職希望の高校生が専門学校などへの進学に切り替える動きも出ている」と話す。

 ただ、就職希望の高校生は地元志向が強い一方、企業側には経験者や即戦力を求める傾向があり、求人と求職者の「ミスマッチ」も深刻だ。同職安は「引き続き地元企業への個別訪問などを積極的に行い、学卒者も応募できる求人開拓に力を入れたい」としている。(森健太郎)



◎85歳後藤さん卒業おめでとう 函館中部高定時制最高齢者

 函館市に住む後藤吉子さん(85)が1日、函館中部高校の定時制を卒業した。結婚、子育て、仕事を経てから再び入学し、学び直した4年間を振り返り、「胸がいっぱい」と感激した様子で卒業証書を受け取った。最高齢の卒業生に、同高は「特別表彰」を贈った。

 後藤さんは1924年、函館で生まれ、戦時中に青春期を過ごした。早くに父を亡くし、体の弱い母を気遣って高校進学を断念。結婚し、3子をもうけて育て上げ、40代後半から介護職に就いて家計を支えた。夫を亡くして十年余りたったある日、高齢者でも受け入れる同高定時を知り、二女の勧めもあって入学を決意。2006年、一度はあきらめた勉学への一歩を踏み出した。

 4年間の学生生活を「頭を抱える毎日」だったというが、「もう中途半端ではなく、何とか1つのものを達成しよう」との意気込みで通い続けた。教員や若いクラスメートの存在にも励まされ、昨年11月の沖縄への修学旅行は「頑張ったご褒美みたいに楽しかった」と振り返る。

 卒業式では46人の同級生と肩を並べて座り、長女の睦子さん(58)に支えられながら登壇。黒田信彦校長から卒業証書をしっかり受け取ると会場から大きな拍手がわいた。その後、黒田校長が檀から降りて特別表彰の賞状を手渡し、式辞で「ご高齢でも意欲を持ち、生涯学習の見本として立派だった」と頑張りをたたえた。

 式後、お祝いに駆け付けた子どもたちに囲まれ、後藤さんは「感無量」と涙を浮かべていた。(新目七恵)


◎福島町の新年度予算案 中学生対象に子宮頚がんワクチン接種

 【福島】福島町(村田駿町長)は2日、2010年度の予算案を発表した。一般会計は本年度当初比6.6%減の30億1462万円。4特別会計と1事業会計を含めた総額は同4.2%減の46億231万円となった。11日開会予定の町議会3月会議に提案する。

 事業費はがん対策として、女子中学生を対象に子宮頚(けい)がんワクチン接種を行い、予防に重点を置く。対象者は50人で1人3回ワクチンを接種する。費用は全額助成。実施前には対象者や保護者らへの啓発活動も行うため、合わせて241万円を計上した。ワクチンは昨年承認を受け、販売を開始したばかりで、全国的にも先駆的な取り組みだという。

 また、給食センターの11年度建設に向けた設計委託料に1103万円。福島中学校の学力向上支援事業として、町が臨時教諭を採用するため379万円を盛り込んだ。産学官連携で特産品の開発など、産業振興を図るため、新たに100万円を計上した。

 歳入の58.9%を占める地方交付税は同2.9%増の17億7420万円。町税は景気の冷え込みなどのため同2.5%減の4億291万円を見込む。財源不足となるため、財政調整基金を取り崩し5000万円を充てる。

 一方、歳出は公債費が同7.2%減の6億1273万円。人件費は共済費が増加したため、同8.9%増の7億7625万円となった。(松宮一郎)


◎厚沢部町の新年度予算案 町民プール新築へ

 【厚沢部】厚沢部町(渋田正己町長)は2日、2010年度予算案を発表した。約3億2000万円の町民プール建設費を盛り込んだ一般会計総額は本年度当初比9.9%増の37億200万円。7特別会計を含めた総額は、同3.5%増の58億9829万円。9日開会の第1回定例町議会に提案する。

 町民プールは、厚沢部小とパークゴルフ場に隣接する町民体育館跡地に新築する。木造1階で床面積は約900平方メートル。25メートル・5コースの屋内プールを整備する。新年度の早い時期に工事を発注し、年内の完成を目指す方針。

 主な新規事業は、新町地区での公営住宅整備(4棟8戸)が約1億2800万円、大豆シストセンチュウ対策として導入するクリムゾンクローバーの種子購入費助成に270万円、館小学校の空教室を利用して行う「放課後子どもプラン推進事業」は303万円。学力向上対策では、市販ゲーム機を活用したモデル授業の実施、先進的な取り組みを行っているノートルダム学院小学校(京都市)からの講師派遣などに206万円を盛り込んだ。

 移住促進対策は3200万円で、関西方面でのラジオCMやパンフレット作成などのPR対策に取り組む。町の第3セクター・素敵な過疎づくり株式会社には、今年完成した移住体験用住宅の運営や管理を委託する。国指定史跡・館城跡では、城跡の外郭線などの発掘調査に本年度の約1.6倍に当たる1067万円を計上した。(松浦 純)



◎上ノ国町新年度予算案 医療費助成を継続

 【上ノ国】上ノ国町(工藤昇町長)は2日、2010年度予算案を発表した。5月告示の町長選を前に骨格予算の形を取るが、一般会計総額は本年度当初予算とほぼ同額の37億3358万円。水道事業を除く7特別会計を含めた総額は56億3875万円。9日開会の第1回定例町議会に提案する。

 昨年8月にスタートした、高校生以下を対象とする医療費助成は新年度も継続する。助成対象は764人。期間が年度当初からとなるため、予算額は24%増の2165万円。骨格予算のため、政策判断を要する新規事業は計上を留保したが、町立2診療所と1歯科診療所の機器更新には410万円を盛り込んだ。

 主な継続事業は、道の駅もんじゅで行う物産販売などの特産品販路拡大に745万円、ナマコやホッケの増養殖を進める沿岸漁業振興特別対策が940万円、ナマコ種苗生産中間育成試験は665万円。農家253戸を対象とする堆肥(たいひ)購入費助成は150万円。

 道が本年度から磯焼け対策として農業用肥料を海中に投入している実証試験では、町負担分の295万円を盛り込んだ。文化財関連では、国指定史跡・勝山館跡の丸太柵列の改修、花沢館跡、洲崎館跡の標柱設置などに2210万円、勝山館の物見跡の発掘調査には122万円を計上した。(松浦 純)