2010年3月31日 (水) 掲載

◎駒ケ岳が開山へ、12年ぶり入山規制を部分解除

 【森】駒ケ岳周辺の自治体や警察、消防などでつくる駒ケ岳火山防災会議協議会(事務局・森町)の会合が30日、同町公民館で開かれ、噴火の恐れがあるとして1998年10月から継続している駒ケ岳の入山規制を一部緩和し、期間限定で登山道を開けることを決めた。規制解除は約12年ぶりで、周辺の観光業者らは開山を歓迎している。

 登山道は森町の赤井川ルートのみを活用し、登山の受け入れ期間は6月から10月31日までの土曜、日曜、祝日に限定し、時間は午前9時から午後3時まで。学校の夏休み期間中に当たる7月下旬から8月中旬は毎日開放する考え。

 登山をするには事前に森、鹿部、七飯、函館の3市町防災窓口への届け出が必要となる。登山口ゲートから標高900メートル地点、通称「馬の背」と呼ばれる地点までを開通する。馬の背から山頂までは立ち入り禁止とする。

 駒ケ岳の入山規制をめぐっては、1996年3月の小噴火後、入山を全面禁止。98年6月に一部規制を解除したが、同年10月に再び小噴火し、以後入山規制が続いている。

 2000年9月から約2カ月間小噴火が複数発生したが、その後、噴火活動は小康状態が続いている。規制中、登山愛好者や観光産業の関係者からは規制解除を望む声が上がっていたが、防災面で「安全対策がとれない状況で解除すべきでない」という意見が根強く続いていた。

 火山活動が静穏に推移する中で、昨年12月、周辺の観光協会が渡島支庁や七飯、森、鹿部の3町に規制解除の要望書を提出。これを受けて3町の町長が規制緩和に向けた検討を進めることで合意し、安全面の確保や実施時期を探っていた。この日の同協議会の会合で、事務局案が承認された。

 昨年、6合目付近に防災無線の拡声器整備を実施。同協議会は「規制解除に向けた第一歩。登山者の安全確保を徹底していきたい」とした。

 大沼観光協会の堀元会長は「関係者の尽力に感謝したい。登山客を呼び戻し、観光振興につなげていきたい」と話している。(鈴木 潤)



◎あす支庁再編、渡島総合・桧山振興局発足へ

 道の改正支庁再編条例が4月1日に施行される。渡島支庁は渡島総合振興局、桧山支庁は桧山振興局に名称を変更する。初代の渡島総合振興局長には寺山朗渡島支庁長が、桧山振興局長には高橋則克桧山支庁長がそれぞれ就任する予定だ。

 両支庁で組織改編を行うのは2004年4月以来。総合出先機関としての“支庁”の名称は、1897年の支庁制度発足から113年で消滅する。両局ともに局長は本庁部長級の職員を配置。現行の支庁体制をほぼそのまま踏襲するため、職員数に大きな変化は生じない。渡島・桧山ともに副支庁長が所長を兼務する保健福祉事務所を内部組織化し、保健環境部を新設。従来の保健福祉部は保健福祉室に再編する。これまで出先機関としていた農業改良普及センター、家畜保健衛生所、水産技術普及指導所も総合振興局・振興局の内部機関となる。市町村合併や支庁再編を担当した参事ポストは廃止する。

 渡島総合振興局は、函館土木現業所を内部組織化し、地域政策、産業振興、保健環境、函館建設管理部の4部制とする。現行の出先機関を含めた課体制は同じく38課となる。桧山振興局は地域政策、保健環境、産業振興の3部制。課体制は現行の14課体制のまま。これまで函館土現所長が檜山支庁参与を兼務していたが、再編後は土現関連の事務を所管する渡島総合振興局副局長が、桧山振興局の副局長を兼務する。

 新年度当初に、振興局から総合振興局に集約する広域事務は、支庁職員を対象とした@職員研修A福利厚生B教養・安全衛生C健康管理D職員相談―に限定。当初案で提示していた19項目は新年度中の継続協議とした。

 支庁再編は、堀達也知事時代の2001年度に浮上。高橋はるみ知事が再選された07年度から議論が本格化した。当初は地域生活経済圏をもとに6支庁に再編する方針だったが、道央や道北地域の反発を受けて9支庁案に後退。08年6月には、14支庁を9総合振興局(支庁)と5振興局(支庁出張所)とする、支庁再編条例が可決された。だが、檜山や日高など振興局地域の反発は収まらず、国政を巻き込んだ議論に発展。当時の自公政権が条例施行に必要な公職選挙法改正案の国会上程を見送ったことから、施行を断念した高橋知事は昨年3月、再編条例を未施行のまま改正。地方自治法上は14支庁を同格とする改正条例が成立した。再編をめぐる議論は足かけ10年に及ぶが、地域の合意形成につまずいた道は、現行の支庁体制を維持せざるを得ない結果となり、市町村や道民にも再編の目的や効果が見いだせないものとなった。(松浦 純)



◎北斗市副市長に滝口氏

 【北斗】北斗市議会の第1回定例会は30日、本会議を続行し、滝口直人市民部長(54)を副市長に選任する人事案に同意した。滝口副市長の任期は2014年3月29日まで。

 滝口氏は小樽商大卒業後の1979年4月、旧上磯町役場入りし、2002年に総務課長に就任。06年2月の市誕生後も同課長を務め、08年4月に市民部長に就いた。

 高谷寿峰市長は「人格、識見とも豊かな人材」と提案理由を説明し、満場一致で同意を得た。

 滝口氏は「責任の重さを痛感している。高谷市長が進める市民のための市民による市政を実現するため、与えられた職責をまっとうしたい」と抱負を述べた。

 このほか、任期満了に伴う教育委員も選任。本会議終了後の教育委員会の定例会で吉元正信委員長(67)、藤巻博司教育長(61)を再任した。任期は14年3月29日まで。(鈴木 潤)


◎ミスはこだて新制服披露

 観光都市函館をPRする本年度の「第31代ミスはこだて」の春季制服が30日、函館市役所でお披露目された。2010年度ミスの小川舞子さん(22)、小池恵子さん(24)、高橋千尋さん(26)が華やかな新制服に身を包んで西尾正範市長を訪問し、今後のPR活動へ激励を受けた。

 函館物産協会(石黒義男会長)が制服を寄贈した。今春のデザインは、春らしい淡いピンクが目を引くスーツとスカートで、コサージュがあしらわれたベレー型の帽子が特徴だ。石黒会長は「サクラのシーズンにこの制服を着て函館をPRして」と話した。

 懇談ではそれぞれがあいさつし、小川さんは「函館を多くの人に紹介したい」、小池さんは「多くの人に函館に来てもらい楽しい思い出を作ってほしい」、高橋さんは「一生懸命にPRに励んでいきたい」と抱負を述べた。西尾市長は「今年は箱館奉行所や函館競馬場オープン、東北新幹線の新青森開業など、時期ごとに大きなイベントがあり、それに合わせて函館を売り込んでいく」とし、「この活動が函館の観光振興につながるので頑張って」と語った。

 3人の任期は4月1日から来年3月31日まで。初仕事は同5日に函館競輪場で行われる春の交通安全イベントで、同13―15日は千葉市内の百貨店で物産展に参加する。(山田孝人)


◎4月からFMいるかで、学生が大型生番組スタート

 函館のコミュニティーFMラジオ局「FMいるか」(周波数80・7メガヘルツはこのほど、4月からの番組編成を発表した。注目の番組では、市内の学生による生放送「キャンパスデイズ!」が4月6日からスタート(毎週土曜日午前11時―午後3時)。4時間にわたる市民参加大型番組として、地元に密着した情報を届けていく。

 「キャンパスデイズ!」は市内の3大学と2高校の学生が企画・制作・出演を自分たちの手で行う。第1土曜は北大水産学部の生協組織委員、第2土曜は道教育大函館校の放送サークル、第3土曜は函館大谷短大の学友会のメンバーがそれぞれ担当する。また第4土曜日は函館中部高と市立函館高の放送局が制作した番組を中心に放送する予定。

 FMいるかの斉藤正樹さんによると、市民参加型による毎週4時間の生放送は全国的にも珍しいという。「もちろんFMいるかのスタッフもバックアップするが、番組制作の主体はあくまでも学生の皆さん。市民の視点と若者の自由なセンスを生かした魅力あふれる放送に期待したい」と話す。

 このほか、毎週金曜日に放送する「函館マニアDX」内に、厚沢部町営うずら温泉と函館市昭和に店舗を構える中国料理「彩風塘」の宮川朝広さんによる料理コーナーが登場(午後4時20―30分)。斉藤さんは「一流料理人によるアドバイスに加え、ちゅう房から迫力ある調理の様子を音で届けることに挑戦したい」と意欲を見せている。(小川俊之)