2010年4月10日 (土) 掲載

◎フユザクラ開花 松前

 【松前】サクラの名所、松前町松城の松前城資料館前のフユザクラが9日、開花した。春の暖かな日差しを浴びて白い花をのぞかせている。

 フユザクラは、春と秋の年に二度咲き、松前城の周りには十数本の木がある。昨年は4月6日に開花した。

 この日は、町の担当職員が午前中に1輪咲いているのを確認。午後から気温は高くなり、午後3時すぎに、一本の木に5輪以上咲いているのを確認し、開花を宣言した。町商工観光課では「寒暖の差が激しく、平年より数日遅い開花となった。今はつぼみが多いが徐々に花をつけていく」と話している。函館海洋気象台によると、松前町の午後3時の気温は11・1度を記録した。

 町内には250種類約1万本のサクラの木があり、町の予想では早咲きのオオヤマザクラの開花予想日は27日。ソメイヨシノは5月1日と予想しており、松前町はこれからサクラの季節を迎える。 (松宮一郎)



◎がごめロールケーキ食べて きょうから発売

 函館がごめ連合は10日から、生地やクリームにガゴメコンブを使用した「がごめロールケーキ」を、函館市弁天町24の「函館がごめ昆布アンテナショップ」で販売する。

 ガゴメコンブの生産者や加工販売業者など33団体でつくる同連合が、市内の洋菓子店ペイストリースナッフルスと昨年10月に共同開発した。これまでは受注販売のほか、ガゴメコンブをPRするイベントなどで試食品として提供し、好評を得ていた。今年3月には函館圏優良土産品推奨会で入賞し、本格的な販売に乗り出した。

 米粉に細かく刻んだガゴメコンブを混ぜた生地は、もちもちとした食感が特徴。無塩タイプの粉末ガゴメコンブを混ぜ、甘さ控えめに仕上げたクリームをたっぷり使用している。アンテナショップの茂森慶子店長は「函館にガゴメコンブというおいしい食材があることをロールケーキをきっかけに知ってもらいたい」とPRする。

 ロールケーキは1本(長さ16a)1260円、1切れ(4センチ)315円。数量限定販売になり、平日は1日2本と4切れ、土日曜は4本と8切れで、予約販売も行う(注文は前日午前中まで)。市内5店舗のスナッフルスでも4月中旬から販売する。

 問い合わせは同連合TEL0138-27-4777。 (宮木佳奈美)



◎本年度初の豪華客船、15日に入港

 オランダ船籍の豪華客船「アムステルダム」(6万2735トン)が15日午前7時、函館港に入港する。大型客船の寄港は本年度初めて。同船の入港は2008年9月以来、約1年半ぶりで2回目。函館市では歓迎セレモニーやイベントなどを企画しており「市内のイベント会場や見送りセレモニーに来て、歓迎ムードづくりに協力して」と呼び掛けている。

 同船は白と紺色に塗り分けられた勇壮なカラーリングが特徴で、全長は約238メートル、全幅は約32メートル。乗客定員は1653人、乗組員数は647で、客室数は690室を誇る。3月20日にシンガポールを出発し、香港や鹿児島などを経由して函館に寄港する。

 函館には午前7時に到着し、同日午後6時に出港する予定。当日は船内に観光インフォメーションデスクを設置し、遺愛女子高校の生徒などが通訳スタッフとして乗船。パンフレットや地図を配布して函館をPRする。

 午前8時45分から午後3時までは、市地域交流まちづくりセンターで歓迎イベントを開催。市内のギャラリーなどが協力して伝統工芸品の物販を初めて行い、アイヌ文様の切り絵体験コーナーも設ける。同3時半からは同港で桔梗幼稚園児が「いか踊り」を行い見送る予定だ。

 船内の見学はできないが、歓迎イベント会場は一般も入場可能。問い合わせは市港湾空港部TEL0138-21-3488。(山田孝人)


◎JR函館駅前市有地 公募時期を本格検討へ

 函館市は本年度、JR函館駅横の市有地(若松町)の有効活用に向けて、公募時期の本格的な検討に入る。市は2015年度の北海道新幹線開業までに民間主導での施設整備を計画しており、本年度は現況調査と不動産鑑定評価を実施して土地の現状を見極め、公募の時期や方法を定める考えだ。

 市有地は6783平方メートル。1996年に総合情報センターや青少年科学館など文化交流施設の建設予定地として市土地開発公社が先行取得し、現在は駐車場として利用されている。

 08年には有識者による検討委員会が、隣接するJR北海道の土地も含めて有効活用を図ろうと議論を進め、西尾正範市長に「公益性や集客性のある施設整備を」とする答申を行った。市は昨年1月に答申をもとに利用方針をまとめたが、経済・不動産市況の悪化から公募時期を延期した経緯がある。

 市は昨年6月の市議会で「施設の設計から工事完成まで3―4年を想定している」と答弁しており、新幹線開業を見据えた場合に残された時間は多くない。

 利用方針策定時の簿価は19億2794万円、時価推定額は07年の路線価ベースで4億7484万円と積算。本年度に不動産鑑定などを行うことで、公募への足がかりとする考えだが、長引く不況から土地価格はさらなる下落も想定される。

 本年度予算に必要経費700万円を計上した。市企画部は「土地の潜在能力は高く、新幹線開業で注目が集まる時期に何らかの手立てが必要」とする一方、「調査がまとまった段階で売却や賃貸など、方法を詰めていきたい」と話している。(千葉卓陽)


◎僕らの歌 全国で響け 全盲の大平さんら音楽グループ

 全盲の写真家、大平啓朗さんや函館の男性音楽ユニット「りぼん」のメンバーらが、秋に東京で開かれる障害者ミュージシャンを対象にした「ゴールドコンサート」(日本バリアフリー協会主催)の参加を目指している。曲は大平さんが一人旅の経験を基に歌詞をつづった「さぁ」。音楽を身振り手振りで示すミュージックサインも付け、多くの人に思いを伝えようとメンバーは練習に励んでいる。

 7回目となるこのコンサートは全国選抜で選ばれたさまざまな障害のある音楽家約10組がオリジナル曲を披露し、グランプリを目指す。企画から運営まで当事者が担当し、障害者の自立や社会参加の必要性を伝えるのが狙いだ。プロの音楽評論家らが審査するため、大会のレベルは高い。

 「さぁ」は昨年6月から単独の全国旅行を始めた大平さんが詩を書き、りぼんの高島啓之さんが曲を付けて同10月に完成した。大平さんは旅の写真で作ったカレンダーの収益金でレコーディングを計画。さらに「仲間で作り上げたこの歌をいろいろな人に聞いてほしい」と発表の場を探していたところ、このコンサートを知って応募を決めた。

 参加メンバーの初顔合わせとなった8日は早速、曲の音や動きを合わせて演奏練習に取り掛かり、メンバーの息はぴったり。ボーカルの高島さんは「函館を伝えたい」と意気込む。

 「そこにみんながいるから/さぁ/ニコッと/会いにいこう」―。歌詞には明るく、前向きなメッセージが込められており、大平さんは「目指すはグランプリ。歌詞の意味を伝えたい」と話している。(新目七恵)