2010年4月14日 (水) 掲載

◎箱館ハイカラ號 15日から運航

 函館に本格的な観光シーズンの訪れを告げる、復元チンチン電車「箱館ハイカラ號」の運行が15日から始まる。函館市交通局では、今季の客室乗務員2人が試運転や研修を行い準備を進めている。今季もレトロな車体が函館の街に彩りを添える。

 ハイカラ號は1910年に千葉県で運行を開始。台車は今年、100年の節目を迎える。18年から36年まで函館市内で客車として活躍し、除雪用のササラ電車として改良された。92年の市制執行70周年記念事業で復元され、路面電車開業80周年、市営交通発足50周年を祝い、93年から営業運行を開始。以来、函館の風物詩として定着し、市民や観光客を喜ばせている。

 今年は2日から準備を開始。試運転で車体の状況などを確認し、アナウンスの練習や車掌業務などの研修を行っている。本年度は運転士の山川武士さん(37)と車掌の高田亜美さん(21)が運行を担当する。山川さんは「今年は台車にとって節目の年。これからも大事に使っていきたい。市民の人にも多く利用してもらえれば」と話し、高田さんは「ハイカラ號に乗って異国情緒あふれる函館の街並みを体感して」と呼びかけている。

 ハイカラ號の第1便は、15日午前8時59分に駒場車庫前を出発。運行は10月末までで、悪天候時などは運休する。詳しい運行時刻などは同交通局TEL0138・52・1273。(山田孝人)



◎15日に北海道・東北の新幹線沿線自治体が青森で初会合

 北海道新幹線の札幌延伸と北海道・東北の広域連携を目指し、道内と東北の沿線18市町が集まり、延伸効果などについて協議する会合が、15日に青森市で開かれる。道南からは函館市、北斗市など6自治体が参加、札幌延伸はもとより、12月に開業する青森や南東北との連携に向けた好機とする考えだ。

 会合は、上田文雄札幌市長の呼びかけで初開催。道内からは「北海道新幹線建設促進関係自治体連絡協議会」(会長・上田市長)を構成する札幌ほか小樽市、倶知安町、長万部町、八雲町、七飯町、函館市、北斗市、木古内町が参加。東北からは青森市、今別町、七戸町、八戸市(以上青森県)盛岡市、二戸市、岩手町(以上岩手県)と仙台市、福島市が出席する。

 札幌市新幹線対策室によると、当日は東北新幹線新青森駅を視察した後、青森市内のホテルで会議を開き、首長らが延伸効果や広域連携について話し合うとともに、延伸の必要性を訴える決議文を採択する予定としている。

 同推進室は「札幌まで延びることで移動時間が短縮され、交流が大幅に増える。会合によって新幹線が北海道・東北に必要であることをアピールし、延伸につなげたい」と話す。

 道南からは西尾正範函館市長のほか滝口直人北斗市副市長、中宮安一七飯町長、大森伊佐緒木古内町長らが参加する。函館市新幹線対策室は「青森との連携が大きな主眼となる。開業前の事例や並行在来線の扱いも含めて学ぶものは多く、相互交流や連携の第1段階としたい」と話している。(千葉卓陽)



◎函館市、子ども手当書類の封筒詰め作業を開始

 函館市は13日、子ども手当の支給に向け、全対象世帯に発送する「請求書」など関係書類の封筒詰め作業を開始した。お知らせ文と申請に必要な請求書、返信用封筒などを同封し、19日以降に各家庭に発送。24日までには全対象世帯に届く見込み。このほか新規に受け取る中学生家庭に対しては、学校を通して保護者に通知文を渡す予定だ。

 同市内の対象は、これまで児童手当を受けていた約1万4000世帯(2万人)に、新規世帯と対象者が増加する世帯を加えた約2万世帯(3万人)。同市では、これら3種類の世帯ごとに異なるお知らせ文を作成し、各家庭に郵送する。

 市役所の子育て支援課ではこの日、職員による封筒詰め作業を開始。担当者は、封筒に収まるように折り目を付けた書類を、一組ずつ封筒に入れる動作を繰り返していた。16日ごろまで封筒詰めを続け、19日から発送を開始する。最初の振り込みとなる4、5月分は、請求書の返送などが順調であれば6月末までに行われる見込み。

 多くの自治体では、保護者が単身赴任の場合など、生計維持者と対象となる子どもが別の自治体で生活している場合、対象世帯だと把握できない可能性がある。同課は「対象なのに書類が届かない場合は、生計維持者が住む自治体に問い合わせてほしい」と話している。問い合わせは同課TEL0138・21・3267。(小泉まや)


◎「もりまち桜まつり」のキャラバン隊が催しPR

 森町の青葉ケ丘公園とオニウシ公園で5月3―16日に開催される「もりまち桜まつり」のキャラバン隊が13日、渡島総合振興局を訪問した。寺山朗振興局長らに催しの魅力を伝え、この日に合わせて花を咲かせた枝12本をプレゼント。「森町が誇る素晴らしいサクラを存分に楽しんでもらいたい」と来場を呼びかけた。

 森観光協会の松田勝利会長や森町観光ボランティアガイドの会の手代木惇さんら実行委メンバー計10人が訪れた。松田会長は「肌寒い日が続き開花は若干遅れるかもしれないが、今年はウソなど野鳥の食害被害は少なく、両公園合わせて1500本のサクラは見事に咲くはず」。手代木さんは森町のみに咲く「森小町」などに触れ、「宇宙でただ一つのサクラ。森中学校の生徒もボランティアで観光ガイドを頑張るので、ぜひ来場をお願いしたい」とPRした。

 昨年、まつり会場に足を運んだ寺山振興局長は「花より団子で楽しんだのを覚えている。今年はじっくりサクラを眺め楽しめれば」と話していた。

 また、来場者に会場を分かりやすく伝えるために国道の歩道橋に横断幕を掲げる提案も。寺山振興局長は「国との協議も必要だと思うので、できることがあればご相談をいただきたい」と応えた。

 祭りの主なイベントは、5月3日はオープニング、オニウシ太鼓、お茶会。8日は物産販売、企業選抜のど自慢大会。9日は、ばん馬競技大会、前川清さん出演のSTVラジオ公開生放送。16日はペタンク大会。

 キャラバン隊は、函館市内の報道機関のほか、4月27、28日には札幌でもPR活動を行う予定。

 祭りの問い合わせは実行委(森観光協会事務局)TEL01374・2・2432。(田中陽介)


◎石川啄木の99回忌、しめやかに

 明治期を代表する俳人・詩人の石川啄木(1886―1912年)の99回忌にあたる13日、函館市住吉町の東海山地蔵堂でしめやかに啄木忌の法要が行われた。あいにくの雨にもかかわらず、多くの啄木ファンが啄木をしのんで焼香した。

 函館啄木会(岡田弘子、宮崎郁子代表理事)主催で毎年開催。同会会員や市民ら約50人が参加。法要に続き、啄木夫妻や3人の子どもらが眠る「石川啄木一族の墓」への墓参も行われ、傘を差しながら墓前に手を合わせる姿も見られた。

 再び地蔵堂に戻って行われた追悼講演では、前函館市文学館館長の和田裕さんが「啄木と朔太郎」をテーマに、啄木の代表歌集「一握の砂」が日本文学史上に果たした役割について解説。両氏の作品を比較しながら、萩原朔太郎が啄木から受けた影響の大きさにについて分析した。

 岡田代表は「毎年たくさんの人が足を運んでくれてうれしい。来年は100回忌にあたるので、記念のイベントなども計画していきたい」と話していた。(小川俊之)