2010年4月2日 (金) 掲載

◎応神天皇千七百年式年大祭 天皇陛下からの幣帛奉納

 応神天皇を祭る函館八幡宮(函館市谷地頭町、中島敏幸宮司)で1日、「応神天皇千七百年式年大祭」が行われた。氏子や関係者、一般の約150人が参列。天皇陛下からの幣帛(へいはく)や舞楽が奉納されたほか、中島宮司が式年(百年)の祝詞を奏上した。

 今年は応神天皇(在位270―310年)が亡くなってから1700年にあたり、この日は神社本庁が選んだ宇佐神宮(大分)、石清水八幡宮(京都)、鶴岡八幡宮(神奈川)の三大八幡宮や、藤崎八幡宮(熊本)など全国10社で大祭を行った。本道・東北では函館八幡宮のみで行われた。

 天皇陛下からの幣帛は3月16日に中島宮司が宮内庁から受けており、この日は初めに中島宮司が社殿に供えたほか、神社本庁からの幣帛が道神社庁から授与され、供えられた。

 続いて、一本栗地主神社(七飯)の神職らが「蘭流王」を厳かに奉納。最後に参列者が玉ぐしをささげた。

 中島宮司は「(函館八幡宮)鎮座650年の歴史の中、また、わたしの宮司として一生に一度あるかないかの祭礼をでき格別な日だった。謹んで奉仕をさせていただきました」と話していた。(山崎純一)



◎3月の日銀短観 道南の景況感横ばい

 日銀函館支店(市川信幸支店長)が1日に発表した3月の企業短期経済観測調査(短観)によると、渡島・桧山管内の企業の景況感を示す業況判断指数(DI、「良い」とする割合から「悪い」とする割合を引いた指数)は、全産業でマイナス19と、12月の前回調査から横ばいだった。全国の回復傾向に比べて道南の企業心理には依然として慎重な見方が残っている。

 産業別では、製造業が前回と同じマイナス6。このうち機械が前回より21ポイント改善のプラス11と急伸した一方、企業数のウエートが大きい食料品は前回より9ポイント悪化のマイナス27だった。

 非製造業はマイナス24と前回から1ポイント低下。中でも小売が40ポイント改善のマイナス20、宿泊・飲食サービスが26ポイント改善のマイナス37と大幅に回復し、消費関連に明るさも見られた。ただ、建設が18ポイント悪化のマイナス12と3期ぶりに悪化に転じ、全体の景況感を押し下げた。

 企業の設備投資額では、2009年度の実績見込みが全産業で前年度比46.3%と低水準だが、修正率では28.9%の大幅改善。10年度の計画でも前年度比2.8%プラスの推移を見込んでいて、改善傾向もうかがえた。

 雇用の過剰感を示す雇用人員判断DIは全産業でプラス4と、前回より3ポイント過剰感が増した。雇用者数も全産業で前年比3.0%増。先行きも4ポイント上昇のプラス8と、全国水準より過剰感が強まっている。

 3カ月後の景気予測を示す先行きDIは、全産業で今回より3ポイント悪化のマイナス22。製造業はマイナス10、非製造業はマイナス28と悪化を見込んでいる。ただ、「良い」に比べて「悪い」と答えた企業の縮小幅が小さく、同支店は「悪化というよりは、先行きの不透明感から企業が自信を失っている」とみている。  調査は2月中旬から3月末まで道南の104社(製造業31社、非製造業73社)を対象に実施。今回から対象企業の一部を見直した。(森健太郎)



◎「恵山コミュニティセンター」がオープン

 函館市恵山地域の市民・文化活動の拠点となる「恵山コミュニティセンター」(日ノ浜町154)が1日、オープンした。同地区では初の大型公共施設で、開所式には西尾正範市長ら市関係者のほか多くの地域住民が出席し、地域の悲願だった新施設の完成を祝った。

 同センターは、老朽化が著しかった日ノ浜会館を解体し、恵山地域のコミュニティの充実と活性化を図る目的で新設された。建物は鉄骨造平屋建てで、延べ床面積832平方メートル。総事業費は3億170万円で、合併特例債も活用した。ステージが付き、コンサートなどが行える集会室をはじめ、研修室、調理実習室と和室2部屋を備え、幅広い用途に対応できる。

 午前11時半から行われた開所式には約120人が出席。西尾市長は式辞で「(旧4町村との)合併から5年にして、地域の拠点となるセンターの完成をみんなで喜び合いたい。社会教育や文化活動を進める上で住民が集まり、地域活性化に大きく寄与していけると思う」と述べた。同センターの指定管理者となった恵山地区町会連合会の野呂繁義会長は「完成を待ちわびていた。大規模集会の開催が可能になり、文化団体の活動も盛んになると期待している」と喜びを示した。

 西尾市長、吉田崇仁市議会議長らがテープカットを行った後、出席者は施設内を見学し「明るくていい」「モダンな作りだ」と大喜び。恵山女性会の大坂栄勢会長(67)は「広々としていて、とてもいい施設と感じた。いろいろなことに使えそうです」と笑顔で話していた。開館時間は午前9時―午後9時(月曜日と年末年始は休館)。(千葉卓陽)


◎函館公園動物舎が開園 3日から記念イベント

 施設老朽化のため2008年6月から閉鎖されていた、函館公園内(函館市青柳町)の動物舎が1日、約2年ぶりにオープンした。あいにくの雨模様だったが、開場を待ちわびた市民らが少しずつ来場。真新しい施設や新たに飼育される愛らしいミニチュアホースやシマリスに見入った。

 動物舎整備の総事業費は3億6000万円で、敷地面積は0.5ヘクタール。新たに同公園全体を管理するビジターセンターを新築したほか、障害者やお年寄りも舎内を移動しやすいようスロープを設け、動物との“ふれあいゾーン”も新設した(共用は6月以降の土・日曜を予定)。

 この日は悪天候のため、ふれあいゾーンで飼育されるミニチュアホースは厩舎から外に出なかったが、ドアが開放され眺めることは可能で、足を止めて見入る来場者の姿が目立った。また同センター1階には、鳥やシマリスなどを飼育する動物ゲージが新たに設置され人気を集めていた。また1992年まで同動物舎で飼育されたヒグマ「花子」のはく製も展示された。

 開園を楽しみにしていたという函館北中2年の奥田航平君(13)は「前と違いすごくきれいになった」と話し、双子の薫海君(13)は「ガラス張りで動物がとても見やすい」と満足していた。

 3、4日にはオープン記念イベントを開催。両日とも先着100人には花苗などがプレゼントされる。問い合わせは同公社TEL0138-40-3605。(山田孝人)


◎宍戸、古西さんが全日本リコーダーコンテストで銀賞

 函館を中心に活動するリコーダーの演奏グループ「フィオリ・ムジカーリ」(宍戸良子代表)のメンバー、宍戸代表と古西朋子さんが、このほど東京で行われた「第31回全日本リコーダーコンテスト」の一般二重奏部門で銀賞を受賞した。今回が初出場だった二人は「全国の舞台で貴重な経験をすることができた。道南地域のリコーダー普及のために生かしていきたい」と意欲をみせている。

 フィオリ・ムジカーリは、宍戸代表を中心としたリコーダー愛好家が2006年に結成。現在は10人が所属し、旧函館市公会堂や五稜郭タワーなどでのリサイタルや、市内の小中学校を訪問するコンサートなど、年間20件以上のステージ活動を展開している。

 同グループからの同コンテスト挑戦は今回が初めて。2人は昨年の夏から、難曲として知られるテレマン作曲「ソナタニ短調」に取り組み、1月に札幌で行われた全道大会で見事に全国出場権を獲得。小学生から一般まで約100団体が集まる全国大会では「独特の緊張感があったが、楽しく演奏できた」と満足のいく内容で、最高位である金賞に次ぐ銀賞を獲得した。

 宍戸代表は「リコーダーは誰でも簡単に扱うことができる身近な楽器の一方、長い歴史があり音楽的な奥の深さを持ち合わせている。今後は全国大会で学んだことを生かして、リコーダーの面白さをたくさんの人たちに伝えていきたい」と話している。(小川俊之)