2010年4月26日 (月) 掲載

◎迫力、豪華絢爛 江差山車会館オープン

 【江差】姥神大神宮渡御祭に参加する13基の山車を展示する「江差山車(やま)会館」(中歌町193の3)が25日にオープンした。落成式には町内の祭礼関係者や渡島・桧山管内の首長ら約100人が出席し、お披露目された館内では「松寳丸(まつほうまる)」と「神功山(じんこうざん)」の勇姿に見入っていた。

 同会館は、日本宝くじ協会(東京)の全額助成で建設。町負担分を含めた総工費は1億1450万円。式典で濱谷一治町長は「姥神大神宮渡御祭の歴史と伝統を後世に正しく守り伝える場としたい」と式辞を述べた。高橋則克桧山振興局長は「年間を通じた道南観光の拠点として活用されることを期待する」と語った。式典では、町内13基の山車を代表する子供たちが、祭礼に参加するはんてん姿でテープカットを行い、同会館の落成を祝った。

 館内がお披露目され、人形や水引などの装飾品を飾り付け、塗装や金具などを磨き上げた豪華絢爛(けんらん)な山車の姿に、出席者や住民が「大変な迫力だ」と驚きの声を上げた。初めて展示された松寳丸は、唯一の舟形山車として、神功山も1754年制作とされる神功皇后の人形などが道の有形民俗文化財になっている。町内に13基ある山車は1年交代で順番に展示する。祭礼関係者が身に着けるはんてんや山車の由来を記したパネル展示をはじめ、大画面映像で祭礼のにぎわいを紹介する。

 同会館は江差追分会館に併設され、共通入館料(大人500円、小中高生250円)で、双方の展示が見学できる。27日まで江差町の住民は入場無料となる。4月から10月まで無休。11月―3月は毎週月曜日と祝日の翌日、12月31日―1月5日が休館日となる。問い合わせは江差追分会館TEL0139・52・0920へ。(松浦 純)



◎胸を張り旗振り練習【野外劇】

 7月9日に開幕する第23回市民創作「函館野外劇」に向け、全体オリエンテーションが25日、函館千代田小学校体育館で行われた。フラッグダンスシーンの出演者30人が初めて顔を合わせ、旗の持ち方などの基本を覚えた。

 開港シーンで繰り広げられるフラッグダンスは、アメリカ、イギリス、フランス、ロシアの4カ国の旗で、華やかに舞台を彩る。今年は小学3年生から70代までが出演。全体でのダンスのほか、4カ国別にそれぞれダンスシーンがある。

 練習では演出コーディネーターの石川泰隆さんが「旗を持つ時は胸を張って、斜め45度に傾けて」などと基本姿勢から指導。旗を左右に振ったり回転させたりする技にも挑戦した。練習後、石川さんが「日本一、世界一の野外劇にしたいので頑張っていきましょう」と励ました。

 昨年に引き続き、劇の進行を担う妖精「コロポックル」役でも出演する千代ケ岱小6年の岡元駿介君(12)は「旗は重いけど思ったより簡単で思いっきり振ると気持ちいい。今年もなるべく多く出演したい」と笑顔で話していた。

 この日は、コロポックル役や、殺陣のけいこも行われた。公演まで毎週末けいこに励み、6月初旬には会場の五稜郭公園の堀に設営される水舞台での練習に移る。出演希望者は事務局TEL0138・56・8601へ。(宮木佳奈美)



◎B型肝炎訴訟  早期解決を 函館でも街頭署名

 集団予防接種の注射器の使い回しが原因でB型肝炎ウイルスに感染したとして、国に損害賠償を求めているB型肝炎訴訟の原告団のメンバーや、道南の肝炎患者でつくる北海道肝炎友の会「はまなす会」(川上博史会長)などは25日、函館市本町の丸井今井函館店前で、国に早期解決を求める街頭署名活動を行った。

 街頭署名は札幌や東京など全国12カ所で一斉に実施し、函館では道内の原告団のメンバー2人や支援者ら約15人が参加。「精神的にも経済的にも苦しみ、目の前で命が縮んでいる。一日も早い解決を」と訴え、国に和解勧告の受け入れを求める要請書への署名を呼びかけた。

 B型肝炎感染をめぐっては、札幌など全国10地裁で約400人が集団提訴している。札幌地裁では3月中旬、全国初の和解勧告が出されたが、国は一律救済には消極的な姿勢で、5月14日の次回期日までに国が和解協議に応じるかが焦点となっている。

 この日は約500枚のビラを配り、約180人分の署名を集めた。長年病と闘う函館市内の男性教諭(51)や札幌市在住の女性(45)もマイクを握り、男性教諭は「国が救済を先延ばしにしている間に亡くなった原告もいる。まずは協議のテーブルに着いてほしい」、女性は「司法でも国の責任は明らか。国には罪のない患者の命の叫びを直接聞いてほしい」と話した。(森健太郎)


◎海鮮丼9杯ペロリ 朝市「どんぶラー王選手権」

 函館の海の幸を丼にして、早食いを競う「第4回どんぶラー王選手権」が25日、函館市若松町9の函館朝市で開催された。市内をはじめ、札幌市や松前町などから計8人が参加。すごい速さで丼を平らげ、観客を沸かせた

 30分で朝市に出店している10店舗の丼10杯をどれだけ平らげることができるかを競った。参加者のなかには「絶対優勝します!」と力強く宣言した人もいた。スタートが宣言されると、参加者はあっという間に丼を平らげ、すぐさま次へ。終盤になると苦しそうにおなかをさする人、黙々とペースを崩さず食べる人と個性が出た。

 ラスト10分には全員が猛烈なスパートをかけた。見事優勝を勝ち取ったのは、札幌から参加した立野光雄さん(26)。30分で9杯を完食、10杯目も半分まで平らげた。立野さんは「みなさんの応援で優勝できました。とてもおいしかったです」と喜びを語り、会場から大きな拍手を受けていた。(黒田 寛)


◎民主に提言や注文続々

 7月の参院選のマニフェスト(政権公約)策定に向けて有権者の声を聞く民主党道8区総支部主催の「どうなんタウンミーティング」が25日、函館市大手町の函館国際ホテルで開かれた。道南の首長や各団体代表、市民ら約350人が参加し、政権与党の政策への提言や要望が相次いだ。

 同支部代表で衆院議員の逢坂誠二首相補佐官は「民主党政権がめざすもの」と題し、マニフェストに基づいた政権交代後の取り組みを説明。「従来の概念を変えて新しい成長戦略が必要。参院選を勝ち抜き、いまの政権でしかできない政策を確実に実現しよう」と述べた。

 集会では、農家の戸別所得補償制度について農協関係者から「政策転換で現場は混乱している。一定の猶予期間が必要」と指摘。漁協団体からは昨年のスケトウの豊漁やザラボヤ被害を例に「浜の実態に合った対策拡充や制度運用を」と訴えた。

 このほか、米軍の普天間基地の移設問題や北海道新幹線札幌延伸の早期実現、医師不足、失業対策などさまざまな注文が相次いだ。逢坂氏は「貴重な意見を踏まえて政権与党の中で頑張っていきたい」と述べ、今後も少人数の意見交換の場を設けていく方針を示した。(森健太郎)