2010年4月27日 (火) 掲載

◎函館市内で偽札さらに6枚 複数種流通か

 函館市内の食品スーパーなどで偽の1万円札が相次いで使用された偽造通貨行使、同未遂事件で、新たに偽1万円札2枚と偽5千円札1枚、偽千円札3枚が見つかったことが26日、函館中央署や函館西署の調べで、分かった。新たに確認した偽1万円札2枚のうち、1枚は25日に使用された8枚と同一の記番号で、もう1枚は別の記番号だったといい、両署では、複数種の偽札が市内で流通しているとみて、関連を調べている。

 函館中央署によると、同市内の食品販売店の女性会社員(48)が26日午後、25日に現金で支給された給料の中に、偽1万円札1枚を見つけたと届け出た。女性は口座に振り込むため訪れた金融機関で色合いの異なる紙幣があることに気付いたといい、25日に発見された8枚と同一の記番号だった。

 また、偽千円札はいずれも同署管内で発見され、同市美原のディスカウントストアで23日に、同市田家町と湯川町の食品スーパーで25日に1枚ずつ、計3枚があった。いずれも透かしがなく、田家町と湯川町の千円札は記番号が同じで、買い物客が別の店で釣りとして受け取った紙幣に紛れ込んでいたという。

 函館西署管内では、同市松風町の和菓子店の男性店主(75)が25日夜、売上金の中から偽1万円札を発見し、26日に同署に届け出た。この偽紙幣には透かしがなく、25日に確認された偽1万円札とは記番号が異なるという。さらに、偽5千円札は同市若松町の函館朝市内で、海産物販売を行う女性(77)の売上金に紛れていたとみられる。女性の家族が26日に同市内の別の場所で使用する際に透かしがないことに気付いたといい、女性は「24日か25日の売り上げの一部」と話しているという。

 同市内で26日までに確認された偽紙幣は、同一記番号の1万円札が計9枚、別番号の1万円札が1枚、5千円札が1枚、千円札が計3枚となった。同一記番号の偽1万円札は、真券よりも下地部分の色が濃く、透かしがない。紙幣表面左隅の銀色に光るホログラム部分が白いなど、粗雑な部分も多く、注意をすれば、見破ることは可能だという。

 偽1万円札が市内で相次いで発見された事件を受け、25日に偽札が使用された函館朝市では26日、組合員らが警戒を強めた。函館朝市協同組合連合会(井上敏広理事長)は同日、組合加盟店ほか函館朝市の全エリア約280店舗を対象に事件を周知するちらしを配布した。井上理事長は「ちらしを配布して注意を喚起した。受け取ったお札を一度確認するなど、各店で注意するしかない」とする。朝市内でカニ販売店を営む男性(63)は「朝市はこれからが忙しくなる時期。これ以上、事件が続かないよう、早く犯人を捕まえてもらいたい」と話していた。



◎銀輪激走 白熱 函館けいりん開幕

 今年、開設60周年を迎えた函館けいりんが26日、市営函館競輪場(金堀町10)で開幕した。初日はナイターレースの第5回藤巻兄弟杯争奪戦が行われ、仕事帰りのサラリーマンなど大勢のファンでにぎわった。

 今シーズンは11月上旬までの62日間を予定。このうち、ナイターレースは56日間の日程で開催する。5月14、15日には国内プロ選手が集まる全プロ記念など、ビッグレースが複数開催される。また、電子マネーで車券を購入できる新システムも今年から導入している。

 市競輪事業部は「今年も盛りだくさんのイベントを予定しているので、たくさんの方に来てほしい」と呼びかけている。

 入場料は無料。問い合わせは同競輪場TEL0138・51・3121、または場外車券売場のサテライト松風TEL51・22・6600。(後藤 真)



◎定例会見西尾市長、並行在来線問題で「了承できない」

 函館市の西尾正範市長は26日に開かれた定例会見で、北海道新幹線の札幌延伸開通に伴いJR北海道がJR函館線の現函館駅―新函館駅(仮称)間を、並行在来線として経営分離する方針を示していることについて「市としては了承できない」と述べ、開通後もJR北海道の運営を求める考えを示した。

 JR北海道は3月25日に開催された国の調整会議で、札幌延伸開通時に並行在来線として経営分離する区間について、現函館駅から小樽駅間との方針を示す一方、小樽―札幌間は新幹線開通後も引き続き経営する意向を示している。

 同市長は「現駅と新駅を結ぶ路線も現時点では第3セクターに移行となる考えと聞いているが、地域としては了承できる話ではない。JR北海道の最終意思を確認した上で訴えていきたい」とする。

 94年11月に行われた道と地元関係団体との協議では、現駅―新駅のアクセスについて、道が中心となり責任を持って対応することを確認しており、市はこの協議内容を基に近く、道に要請する考え。

 並行在来線の扱いは96年2月に政府と与党の申し合わせで示された見解に基づき、市は「現駅と新駅の間は並行在来線にあたらない」との認識を示す。同市長は「(函館―新駅間は)新幹線と並行して走る並行在来線ではなく、アクセス路線。JR北海道の責任でやってもらわないと、地域と道と信義上の問題が出てくると受け止めている。よくこれから話し合いたい」と述べた。

 また同市長は、現駅が約86億円を掛けて将来的な新幹線車両の乗り入れに対応できる駅舎や駅前広場の整備を手掛けたことにも触れ、「市民の税金で建てたようなもの。3セクになってまた市民の税金で買い戻すことにはならないのでは」とさらなる財政負担の懸念を示した。(山田孝人)


◎江差町 早期健全化団体の本年度脱却目指す

 【江差】道内では本年度、江差町など7市町が自治体財政健全化法に基づく早期健全化団体の指定を受けた。このうち江差町を含む5市町が、2009―10年度決算で実質公債費比率の圧縮を図り、同団体からの指定脱却を目指す方針だ。

 道によると、2008年度決算に基づき、渡島・桧山管内で“黄色信号”に当たる早期健全化団体になったのは江差町だけ。道内では、歌志内市、空知管内由仁町、宗谷管内浜頓別町、中頓別町、利尻町、胆振管内洞爺湖町の6市町が指定を受けた。財政破たんした夕張市は“赤信号”の財政再生団体となった。

 7市町とも、財政規模に占める起債(借金)返済の比重を示す実質公債費比率が基準の25%を超過。洞爺湖町29.8%、江差町28.6%、中頓別町28.3%、浜頓別町28.2%、歌志内市26.8%、由仁町26.4%、利尻町26.2%だった。このうち江差町などは、公共施設や下水道整備などの建設事業が負担になった。

 7市町は、起債の抑制、職員給与の削減、公共料金の徴収強化、町税の税率見直しなどを盛り込んだ財政健全化計画を策定。歌志内市、浜頓別町、利尻町は今秋に確定する09年度決算で、江差町と中頓別町は10年度決算、由仁町と洞爺湖町は12年度決算で、同比率を25%未満に圧縮するという。江差町は、3月の定例町議会で財政健全化計画を議決。基金取り崩しによる起債の繰上償還、内部管理費の削減、社会資本整備の予算削減などを進め、09年度決算で同比率を27.7%、10年度決算で24.5%に圧縮。さらに町立幼稚園と幼稚園の統合や、利用率が低迷している文化会館の在り方を検討するという。(松浦 純)


◎函館の中島・深堀両児童館寺子屋事業スタート

 函館市が本年度試行する「児童館寺子屋事業」が26日、中島と深堀の2児童館でスタートした。参加対象となった2年生児童と講師を務める退職校長共に、初対面でぎこちない中でも熱心に学習に取り組んだ。

 同事業は、小学生に身近な児童館で学習指導を行い、勉強に親しんでもらう目的がある。個々の学習レベルに応じた対応で、理解する喜びや学ぶ楽しさを経験することで、学習に親しむ下地を作る。2館のみ来年3月まで試行し、結果を踏まえて次年度以降に事業化するかを検討する。

 中島児童館の寺子屋には、函館中島小学校の2年生児童15人が参加を申し込んだ。学校の授業が終わるとまもなく、ランドセルを背負ったまま直接、児童館に集合した。同館では4人の退職校長が交代で指導に当たる。

 この日は平田哲明さん(67)と道幸義宏さん(64)が担当。平田さんは「わからなかったことがわかると勉強は楽しくなる。毎日宿題や予習をする習慣を作りたい」とあいさつ。道幸さんは「わたしは退職してからしばらく勉強をしていないので、いっしょに楽しく勉強しましょう」とおどけて児童を笑わせた。

 児童がやりたい勉強をできるとあり、早速取り出したのは宿題。算数のプリントを終えた児童は、「先生見て!」と講師を呼んでいた。このほか漢字の練習など思い思いの勉強に取り組み、講師は机の間を歩き回っては児童の声に応えていた。(小泉まや)