2010年4月28日 (水) 掲載

◎五稜郭公園で花見準備着々 開花予想は連休明けも

 春の大型連休中の花見スポットとして毎年大勢の市民や観光客でにぎわう特別史跡五稜郭公園。今年は天候不順の影響などで、サクラの開花は昨年より10日以上遅い5月7日と予想されているが、公園内にはカラフルなちょうちんが飾られ、宴会用のブルーシートも敷かれるなど、花見準備は着々と進んでいる。

 五稜郭公園のサクラはソメイヨシノが中心で、平年は5月3日ごろに開花し7日ごろに満開となるが、ここ数年は温暖化の影響などから4月中に開花しゴールデンウイークの期間いっぱい花見を楽しめる状況が続いていた。

 同公園内で、ジンギスカンやビールなどがセットになったお花見プランを提供しているサンフレッシュサービスによると、昨年は連休初日の4月29日からほぼ連日満員の状態が続いたが、今年は連休後半の7―9日に予約が集中。「当初は連休前半に予約していたお客さんが、開花が遅れることを知って変更するケースが多い」と話す。

 同社では上ラム肉に野菜、タレ、はしなどに鍋やコンロまでそろった手ぶらで楽しめるジンギスカンセットを1人前1800円で提供している。予約・問い合わせはTEL090・6694・7500。

 一方、同公園を眼下に見下ろす五稜郭タワーでは、書き入れ時にサクラの開花が間に合わない状況を心配する。「花見を目的としたツアーで、各地から訪れたお客さんをがっかりさせるのは申し訳ない。せめて一足早く咲くムラサキツツジや、建設中の箱館奉行所の姿を楽しんでもらえれば」と話す。

 五稜郭公園を毎日散歩する市内本町の主婦(60)は「早くサクラを見たい。満開の中をウオーキングすると本当に気持ちいいから」と心待ちにしている様子だった。(小川俊之、田中陽介)



◎体験農園施設「亀尾ふれあいの里」に初めて札幌の中学校が教育旅行

 函館市の体験農園施設「亀尾ふれあいの里」(米原町132)が初めて、市外学校の教育旅行の体験型プランに組み込まれた。5月23日に第1号として札幌市の平岡中学校の一行約170人が訪れ、田植えなどを体験する予定だ。国が推進する体験型学習のニーズに合致している施設だけに市農務課は「函館の新たな体験型の観光資源として定着し、リピーターの増加につながれば」と期待を寄せる。

 同施設には以前から教育旅行での体験学習候補地として、旅行代理店などが視察に訪れていた。市街地から近いことや景観の良さが評価された。

 今回は主に田植えを体験してもらい、土をいじる感覚を知ってもらうプログラムを用意するという。同施設指定管理者の「亀尾年輪の会」(田村冨作会長)は「これからこういった修学旅行生向けのプランも考えていきたい。まず今回受け入れてから検討を進めていきたい」と話す。市観光コンベンション部は「これから実績を積んで函館発の体験型プロフラムを発信できれば」とする。

 国は2008年から実施する「子ども農村漁村交流プロジェクト」で、農村漁村での民泊などの体験型教育を推進している。市農務課は「今後需要が高まる可能性は高い。教育旅行の取り込みに向けて、プランなどを整備したい。函館が持つ都市近郊型農業の形に触れてもらえれるものを考えたい」とし、「施設の利用者増と、農家の新たな収入源の創出にもつながれば」と話している。

 同施設は農村地域の活性化などを目的に08年に開設。約3・1ヘクタールの敷地内には体験農園や果樹園などを備える。昨年度の利用者数は延べ5853人。(山田孝人)



◎3月の道南 有効求人倍率0・36倍 新規求職者4カ月ぶり増

 函館公共職業安定所が27日に発表した3月の渡島・桧山管内の雇用失業情勢によると、有効求人倍率は0・36倍と前年同月を0・02ポイント下回り、33カ月連続で前年割れとなった。前年からの下げ幅は縮小しているが、減少傾向にあった求職者が増加に転じるなど雇用環境は先行き不透明な情勢にある。

 有効求人が前年同月比4・5%減の4329人に対し、有効求職者は同1・4%増の1万2058人と3カ月ぶりに増加。同職安は基調判断を「依然として厳しい状況にある」とし、昨年10月から前月までの「求職者の増加傾向が落ち着きつつあるものの」という表現を削除した。

 雇用の先行指標となる新規求人倍率は同0・06ポイント低下の0・60倍で、2カ月連続で前年同月を下回った。新規求職者が同3・7%増の3425人と4カ月ぶりに増加に転じたのが要因で「家計収入の低下などでパートの求職者が増えている」(同職安)という。一方、新規求人は同4・5%減の2027人と7カ月連続で減少した。

 新規求職者のうち、事業主都合で離職した人は同15・3%減の800人と4カ月連続で減少した一方、在職者(同7・9%増)や無職(同17・2%増)、自己都合の離職者(同10・7%増)と増加傾向にある。産業別では建設業が同55・2%減、公務・その他が同28・3%減と落ち込みが目立った。

 今後の見通しについて同職安は「年度末を区切りにビルメンテナンスや警備などの請負業務で契約を更新しないケースも見込まれる。雇用環境が改善するような明るい材料は見当たらず、新規求職者が増加する可能性もある」と危惧(きぐ)している。(森健太郎)


◎きじひき高原キャンプ場 あすオープン

 【北斗】北斗市村山172にあるキャンプ場「きじひき高原キャンプ場」は29日から、今季の営業を開始する。今年は例年より10日ほど早めて開業。26日から管理事務所のスタッフが常駐し、バンガローの清掃やロープの設営など準備作業を急ピッチで進めている。

 同キャンプ場はきじひき高原の中腹にあり、約6万平方bの敷地面積に7人用のバンガロー12棟や約150張りを収容するテントサイト、多目的広場などがある。360度のパノラマ眺望を楽しめ、南側は大野平野を、北側は大沼、駒ケ岳を一望できる。函館山の反対方向から眺める裏夜景の名所としても知られている。

 晴天に恵まれた27日は午前9時ごろから阿部力さん(69)と小山正彦さん(63)、塩昭彦さん(57)の3人のスタッフがバンガローの掃除や芝生の手入れなどの作業に当たった。「ここは眺望も良くてリピーターも結構多い。たくさんの人に利用してほしい」と阿部さん。

 ゴールデンウイーク中は札幌や東京方面からの利用予約が入っており、5月2、3日はバンガロー12棟すべてが宿泊予約で満杯という。

 今季は10月15日まで営業する。予約、問い合わせは同キャンプ場管理事務所TEL0138・77・8381、総合分庁舎TEL同77・8811。(鈴木 潤)


◎ひやまの宝発掘本部を設置 桧山振興局

 【江差】桧山振興局は25日、農水産物や加工食品の販路拡大や1次産業と商工業との連携を図る「ひやまの宝(たから)発掘本部」(本部長・高橋則克局長)を設置した。高橋局長は「管内には食品や商品を道内外に知ってほしいというはじけるような思いがある」とし、組織横断的な同本部の活動に期待を示した。

 同本部は本年度から、農林水産業や食品産業の現状把握、新たな製造業の展開につながる可能性調査、異業種交流の促進に向けた検討を進める。現状把握の結果をもとに、地場産品や技術のデータベース化、百貨店や通販業者などのバイヤー向けの商品カタログの整備に取り組むという。

 函館や札幌での物産フェア開催、集客力がある観光イベントでの地場産品の販売、食品開発や健康商品の開発など、新分野進出に取り組む建設業者などの支援も強化する。農水産物を生かした加工食品や料理の開発、地元飲食店での提供、管内の枠組みを超えた販売体制を整え、観光産業の後押しにもつなげる考えだ。

 同本部は、高橋局長が本部長、山田享副局長が副本部長を務め、地域振興、産業振興、保健環境の3部長、地域振興や産業関連課長で構成。農林水産業、建設業、商工業などの連携強化を担当部局が一丸となって取り組む。学校給食での地場産品の活用や食育に関する取り組みを通じて桧山教育局との連携も深める。

 初の本部員会議で、高橋局長は「計画策定など絵を描く時代は終わった。今は実際に行動に移すことが必要。振興局一体の取り組みを期待したい」と述べた。初会合で決定した本部の名称には「桧山は宝箱のような魅力が詰まった地域。貴重な宝物を発掘して地域活性化につなげたい」との願いを込めたという。(松浦 純)