2010年4月30日 (金) 掲載

◎今年1年の安全を祈る 駒ケ岳・大沼

 【七飯】大沼観光の開幕を告げる駒ケ岳・大沼湖水安全祈願祭と湖畔の清掃活動が29日、湖上や湖畔沿いの駒ケ岳神社で行われた。地域の小中学生や近隣住民ら約300人が参加し、大沼の水上安全と駒ケ岳の沈静を祈った。

 大沼観光協会、山川草木を育てる集い大沼本部、自然公園財団大沼支部の主催。  参加者は遊覧船3隻に分乗し、東大沼の駒ケ岳神社に移動。途中、水上祈願の神事が行われ、大沼観光協会の堀元会長と、中宮安一町長の代理で出席した吉田雅幸総務課長が鍵形のプレートを湖面に投げ込み、大沼を“開錠”した。

 駒ケ岳神社で行われた駒ケ岳の安全祈願祭では堀会長や冨原亮道議らが玉ぐしをささげ、今年1年の大沼、駒ケ岳の安全を祈った。

 今年は駒ケ岳登山道の入山規制が一部緩和され、森町側の赤井川ルートが6月をめどに約12年ぶり入山可能となり、登山の安全祈願も兼ねて開かれた。堀会長は「ぜひ、登山を体験してほしい」と話した。同神社そばの銚子口ルートの解除も検討されており、吉田課長は「来年、登山ができるようにしていきたい」と述べた。  終了後、参加者は大沼湖畔道路のごみを拾いに汗を流した。(鈴木 潤)



◎松前さくらまつり開幕セレモニー

 【松前】「第63回松前さくらまつり」(実行委主催)は29日、開会式とオープニングセレモニーを行い開幕した。この日はあいにくの雨で、予定していた恒例の武者軍団のパレードや物産フェアは中止となったが、ツアーで訪れた観光客らが傘を差して公園内を歩く姿が見られた。祭りは5月16日まで。

 開会式は松前神社の本殿で行い、出席した約60人が祭り期間中の無事故を祈願。テープカットと鏡開きをして祭りの開幕を告げた。

 町観光協会の疋田清美会長はあいさつで「あいにくの雨となったが、松前にもサクラの季節がやってきた。盛りだくさんのイベントを楽しんでほしい」とあいさつ。前田一男町長は「今年は町民の努力で野鳥の食害からサクラを守ることができた。きれいなサクラを見てもらうことができる」と語った。

 フユザクラは見ごろを迎えたが、ほかのサクラはまだつぼみの状態。愛知県豊橋市から訪れた箕浦悦子さん(66)は「サクラを楽しみにやってきたが、残念。雨の松前城を楽しみます」と話していた。

 5月1日は「夫婦の手紙全国コンクール公開発表会」、8日は演歌歌手の大江裕さんが出演する「さくらまつり歌謡ショー」が開かれる。実行委では期間中20万人の来場を見込んでいる。(松宮一郎)



◎SL大沼号 出発進行!

 ゴールデンウイークが29日、スタートした。同日の道南地方はあいにくの雨となったが、JR北海道の蒸気機関車「SL函館大沼号」の今季の運行が始まったほか、行楽地には多くの観光客や親子連れらが詰め掛けた。

 この日の道南の最高気温は、松前町が平年並みの11.6度と最も高かったが、函館9.8度、北斗や木古内、森9.6度、八雲9.1度などと軒並み10度を下回り、4月上旬並みの肌寒い天気となった。

 JR函館駅ホームで行われたSLの出発式では、「箱館五稜郭祭」の実行委メンバーが衣装姿で行進し、大砲の実演で出発を祝った。函館共愛会中央保育園の園児約20人は童謡「汽車ポッポ」を合唱後、車掌らに花束を手渡した。出発前には熱心な鉄道ファンや家族連れがSLの雄姿をカメラに収めていた。

 ほぼ満員の約200人を乗せたSLは同日午前9時35分、ミスはこだての高橋千尋さん(26)の合図で、黒煙を噴き上げながら出発。急こう配の七飯町・仁山経由で森町、鹿部町などの大自然を駆け抜けた。函館旭岡小2年の大津大空(たく)君(7)は「写真をいっぱい撮って、車内を隅々まで見たい」と乗車前に目を輝かせていた。

 SLの今春の運行は5月5日までと同8、9日の9日間で、函館―森間を毎日1往復する。全席指定。5月1―4日はほぼ満席という。(森健太郎)


◎制服が春らしく ハイカラ號車掌

 函館市交通局の復元チンチン電車「箱館ハイカラ號」乗務員(車掌)の制服が29日から、春らしいピンクを基調としたものにリニューアルされた。乗務員の制服リニューアルは2004年以来6年ぶり。函館市内のサクラより一足早く、車内に可憐(かれん)な“花”が咲いた。

 ハイカラ號が1910年に千葉県成田市で走り始めてから100周年を迎えることを記念して、企画した。制服はこれまで鮮やかな赤が特徴だったが、今回は春を意識したピンクを基調とするチェック柄のジャケットと帽子が印象的だ。また同系色のスカーフはリボンにも交換できる。

 今季の車掌を務める高田亜美さん(21)は「落ち着いたデザインで気に入っています。多くのお客さまを迎える大型連休は、車内で函館情報を提供したい」と気持ちを新たにしていた。箱館ハイカラ號は悪天候時などは運休する。詳しい運行時刻は同交通局TEL0138-52-1273。(山田孝人)


◎教科書や防毒マスク並ぶ「戦時中の生活展示会」

 第2次世界大戦中の国内の貴重な資料を紹介する「戦時中の生活展示会」が29日、函館市地域交流まちづくりセンター(末広町4)で始まった。

 5月3日に行われる「愛ラブ9条フェスティバル2010」(同実行委主催)の関連行事。会場には実際に使用されていた戦時中の教科書約30点が並び、直接手に取って見ることができる。米国に対する宣戦布告や、新型爆弾(原子爆弾)投下時の新聞や号外記事なども掲示されている。

 このほか、当時使用された防空ずきんや防毒マスクなどの生活用品に加え、北海道ノーモア・ヒバクシャ会館(札幌市)から提供された、原爆によって溶けて変形した金属やガラス瓶なども展示され、原子爆弾の恐ろしさを目の当たりにすることができる。

 市内の70代の男性は「当時の教科書を読んで、戦時教育の怖さを再確認した。あらためて平和の大切さを思った」と話していた。

 入場無料。5月3日まで。問い合わせは同実行委TEL0138-56-0042。(小川俊之)