2010年4月6日 (火) 掲載

◎テクノパークに電子部品の日本アレフ進出

 函館市が分譲している函館テクノパーク(桔梗町)に横浜市の電子部品製造会社「日本アレフ」(堀之内英社長)が進出することが5日、分かった。同社は昨年3月で閉鎖し現在清算手続き中のマリンケミカル研究所から施設を買い取り、市から土地の賃貸借契約を月12万円で結ぶ方針。6日に堀之内社長が函館市役所を訪れ土地賃貸借契約を締結するほか、同研究所と譲渡契約を結ぶ考え。

 同社は1968年創業で、資本金は9750万円。従業員数は約310人。検出用センシングデバイスや制御用スイッチ、セキュリティ機器など電子部品の製造販売を行っている。国内に4営業、3生産拠点を置き、海外のグループ会社として米国や欧州などにも営業拠点を配している。

 賃貸借契約する土地は桔梗町379番の約3160平方メートル。買い取る建物は、同研究所が98年からヒトデやホタテの貝殻などの機能性物質の開発研究を行っていた研究棟、事務棟で約970平方メートル。棟内に残る研究機器も引き継ぎ、電子部品製造のほか水産関係の研究も開始し事業多角化を図るという。

 施設では、同社が得意とするセンサー技術と公立はこだて未来大が持つロボット技術を融合させ、より高精度な技術確立を目指したり、函館高専と連携して超小型部品の内面に施すメッキ技術をより発展させていくという。また北大水産学部と同研究所が行っていた、水産資源の高度利用技術の事業化なども進めていく方針。施設を産学連携の研究拠点とし、取り組みを確固なビジネスモデルとして構築していく考え。

 同パークに進出する企業はこれで9社目。市工業振興課は「高い技術を有しグローバルな活躍をしている企業で、地元企業にとっても刺激になり有意義なこと。産学官連携の強みを生かしていければ」と期待を寄せている。(山田孝人)



◎高陽市との姉妹都市提携、今夏の調印式を要請/函館市

 函館市は、韓国・高陽(コヤン)市との姉妹都市提携に向け、同市に対し今夏をめどに函館での調印式実施を要請した。両市の議会ではすでに提携を了承しているが、高陽市が6月に市長選挙を控えていることから、調印式を含めた事務レベルでの調整は市長選後に本格化することになりそうだ。

 姉妹都市提携は、昨年10月に西尾正範市長や経済界関係者らが観光プロモーションで高陽市を訪問したことをきっかけに話し合いが進み、今年1月に高陽側から提案があった。

 両市議会では、函館が2月の定例会で提携を進めるよう決議を行ったほか、高陽でも3月26日の議会最終日で議決した。市企画部は「支障なく、予定通り進んでいる」とする。

 調印式は高陽側から「函館で行いたい」との申し出があり、市は「先方の市長が函館に来たことがなく、こちらを知っていただくいい機会」として応じる考え。市は今月に入り、サッカーの「プリマベーラ函館FC」が同市に遠征した際に渡辺宏身企画部長が同行、同市の副市長に対し8月の港まつり前後の来訪を提案した。

 ただ、高陽側は6月2日に同市の市長選挙が行われることから、その場での返答を避けたという。事務レベルでの作業は「新市長誕生後に具体的なスケジュールを詰めていくことになる」(同部)と話している。(千葉卓陽)



◎続豊治が作った仏壇発見 野外劇関係者が対面

 7月9日に開幕する「第23回市民創作函館野外劇 星の城、明日に輝け」(NPO法人市民創作「函館野外劇」の会主催)に、日本初の西洋船「箱館丸」を作った船大工として登場する続豊治(1798―1880)が製作した仏壇が、北斗市本町100の広照寺(坂口隆彦住職)に保管されていることが分かった。野外劇関係者ら7人が5日、同寺を訪れて「野外劇に新たな方向性を与えてくれる」と感激の対面を果たした。

 船大工の子として松前に生まれた続豊治は、高田屋嘉兵衛の経営する造船場で船大工として活躍。造船所が閉鎖された1833年からは仏壇師に転身したが、55年に函館に来航していたアメリカ船に興味を持ち、再び船大工となり、57年に「箱館丸」を完成させた。

 広照寺に置かれている仏壇は1846年に作られたものと見られる。同仏壇は同寺の檀家(だんか)が所有していたが、処分されるとの話しを聞いた同寺が2007年に引き取った。同寺の住職の甥にあたる坂口照真さん(24)が野外劇に続豊治が登場しているのを知り、「この仏壇が続豊治の作ったものだということを知っていたので縁を感じた」と、今年度のオーディションで続豊治役に挑戦し、見事に合格を勝ち取った。

 坂口さんから仏壇の存在を聞いた野外劇関係者が、貴重な続豊治の作品にぜひ対面したい」と、この日の訪問が実現。野外劇の演出コーディネーターの石川泰隆さん(29)は「一般的な知名度は低いが、劇中では重要な役割を担う人物。この日の貴重な体験を今後の野外劇で色濃く反映させていきたい」と話していた。(黒田 寛)


◎函館市、アートスペース周知するホームページ開設

 函館市教育委員会は、市内のギャラリーやライブスペースなどを紹介するホームページ「函館市アートスペース情報」を開設した。各エリア別にライブスペース39施設、ギャラリースペースは120施設をデータベース化した。同市内では初めての試み。

 市民が気軽に文化芸術活動を行い、鑑賞できるよう、施設情報などを検索しやすくするため企画。市の緊急雇用創出推進事業の一環として実施した。

 ライブスペースは各種コンサートや演劇なども含めた舞台発表のできる施設情報を、ギャラリースペースは絵画、書道、写真、彫刻などの文化芸術作品を展示・公開できる官・民施設を掲載している。区分は西部、大門、五稜郭など市内を10エリアに分類して表示。住所や利用用途、料金のほか、施設の写真も公開している。市教委文化振興課は「簡単に場所を探すことができるようになり、市民がより気軽にアートに触れられるきっかけになれば」と話している。

 施設に対する詳細は直接問い合わせる。ホームページに対する問い合わせは同課TEL0138・21・3464。ホームページアドレスはhttp://www.hakomachi.net/~art/index.html(山田孝人)


◎駅弁の日 みかどが和牛と寿しの弁当限定発売 無料宅配も

 4月10日の「駅弁の日」にちなみ、弁当製造販売のみかど函館営業所(函館市若松町)は8日から11日までの期間限定で、道南産の海の幸、山の幸を盛り込んだ「紅白押し寿司(ずし)」と「あかべご弁当」を販売する。期間中は1点から旧市内限定で無料宅配するサービスも行う。

 駅弁の日は、数字の「4」と漢数字の「十」を組み合わせると弁当の「弁」の字に似て見えることから、全国の駅弁業者らでつくる日本鉄道構内営業中央会(東京)が1993年に制定。同社も毎年この時期に合わせて新商品を発売している。

 今年の「押し寿司」は軽くいぶした知内産のヒラメと道内産のサケを使い、ヒラメの酢飯に細かく刻んだガゴメコンブと山わさびを混ぜたのが特徴。「あかべご」は道南産のはこだて和牛の表面に焼き目を付けた後、軽く煮込んで味付けし、ゴボウやニンジン、シメジなどの炊き込みご飯の上にのせた。

 2商品を企画した同営業所の太田真美さんは「素材の味を生かすよう全体的に薄味に仕上げ、ボリューム感を出した。日ごろの感謝を込めて買い求めやすい価格設定にしたので、多くの地元の人に味わってもらいたい」とPRする。

 価格は200ミリリットルのパック緑茶付きで各950円(税込み)。宅配は希望受け取り時間の2時間前までに予約し、昼ごろの配達時間を希望する場合は前日までの予約が必要となる。新商品以外の弁当8種も配達する。申し込みは同社函館営業所TEL0138・22・2690、ファクス同22・1771。(森健太郎) </