2010年4月8日 (木) 掲載

◎中島廉売被災店舗 取り壊し本格化

 3月16日に函館市中島町の中島廉売で起きた火災で被災した4店舗の取り壊し作業が7日、本格的に始まった。重機で建物の壁や内部を崩していく様子に、廉売関係者や訪れた客からは「寂しい」という声が聞かれた。

 内部の備品を取り除いた状態の店舗の屋根を重機ではがし、崩していった。買い物に訪れた市内の女性(77)は「よく買い物にくる見慣れた風景がなくなるのは寂しい」と話していた。廉売内で鮮魚店を営む女性も「長年仲間としてやってきただけに、取り壊されるのは残念」と名残り惜しそうだった。

 現場から少し離れた場所から見守っていた女性は「4店舗は廉売の中心部にあっただけに、今後どうなるかが気になる」と話す。中島町商店街振興組合の二本柳秀樹理事長は「今後のことは、商売をしている人と大家との話し合いになるのでまだわからない」と語っていた。被災した店舗の関係者は「先のことは未定だが、続けていけたら、という思いは捨てきれない」と悔しさをにじませた。

 中島れんばい横丁開催運営実行委員会(能登正勝実行委員長)の島信一朗会長は「実行委で10日まで募金を募っている。商店街振興組合の見舞い金と合わせて贈るので、中島廉売を元気にするためにもぜひ善意を寄せていただきたい」と話している。(黒田 寛)



◎「はこだて観光圏整備計画」 観光庁が認定を内定

 道南の2市16町が一体となって広域観光圏域の形成を目指し、今年2月に国に認定申請した「はこだて観光圏整備計画」が、観光庁から広域観光圏認定の内定を受けたことが7日、分かった。道南の豊かな「食」をキーワードに、地域のブランド化を目指す内容が高く評価された。18市町は今後、広域観光ルートの設定や総合案内所開設など、5年間の認定事業計画を進める。

 18市町の関係機関は08年5月の観光圏整備法の施行後、意向確認や協議を重ね、今年2月に整備推進協議会(会長・西尾正範函館市長)を発足させて整備計画を承認。

 計画は2014年度までの5カ年で、観光入り込み客数を08年度比20%増の1302万人、平均宿泊日数で同25%増の1.82日を目標に設定し、地元食材を使った新たな「ご当地料理」の開発や各地を巡ってのクイズ大会、観光施設や入浴施設で使える周遊プログラムなどの事業を盛り込んで申請していた。

 道運輸局によると、本年度分は全国から20地域(道内は3地域)が応募。今月5日に有識者らで組織する観光圏整備事業検討会が同庁で行われ、13地域を内定した。

 道内関係では「はこだて―」のほか、釧路市と弟子屈町が申請した「釧路湿原・阿寒・摩周観光圏整備計画」の2件が内定。中でも「はこだて―」は食にスポットを当てた内容が評価され、検討会での評価順は1位だったという。

 今月下旬には道南地域の広域・滞在型観光の推進に向けた新組織「みなみ北海道観光推進協議会」(仮称)が設立される予定で、同協議会が国から受ける補助の受け皿団体となる見通し。

 観光圏整備事業は昨年の事業仕分けで「8割程度の予算削減」と判定され、本年度分の認定は狭き門になるとみられていただけに、関係者の喜びはひとしお。西尾市長は「大変うれしい。18市町一体となった地域の振興と発展に取り組む大きな一歩を踏み出した」、函館国際観光コンベンション協会の木村孝男会長は「道南全体の活性化により弾みがつく。歴史や文化、自然といった多様な地域資源を有機的に結びつけ、これまで以上に地域の魅力を高めたい」とコメントしている。(千葉卓陽)

 ◆観光圏 2008年に施行した観光圏整備法に基づき、観光客の来訪や長期滞在を促進する目的で観光庁が特定地域を認定する。事業ごとに国から上限40%の補助が受けられるほか、ホテル・旅館が宿泊客に対し、旅行商品を販売できるなどのメリットがある。昨年度までに全国で30地域、道内では3地域が認定を受けている。



◎HIFがホストファミリーの冊子とHPを作成

 道国際交流センター(HIF)はこのほど、留学生を自宅で受け入れる「ホストファミリー」の手引書となる冊子とホームページ(HP)を作成した。基本的な心構えや具体的な活動法などを紹介。同センターは「興味があればぜひ問い合わせを」と呼び掛けている。

 同センターは通年でさまざまなプログラムを展開し、年間約300人の留学生を受け入れているが、ホストファミリーはいつも不足の状態。今回、参加家族を増やす手立てとして冊子の作成などに取り組んだ。

 冊子とHPの内容はほぼ同じ。「よくある11の質問」と題して基本的な知識をQ&A方式で紹介しているほか、「心構え」や「食事」など活動する上でのガイドラインを7項目にまとめた。体験者の感想も盛り込み、HPでは過去の写真も閲覧できる。

 HIFの藤井佳子さんは「プログラムが幅広いので初来日の学生もいれば、日本語が堪能なケースもあり、外国語ができなくてもホストファミリーはできる」と説明。「食事をしながら海外の話も聞け、自宅で国際交流ができるのが魅力」とアピールする。

 冊子はA5判で16ページ、オールカラー。2000部作成し、HIFのほか、市地域交流まちづくりセンターや市役所に置いている。HPのアドレスはhttp://www.hif.or.jp/homestay/

 ホストファミリーは随時募集しており、問い合わせ、申し込みはHIF TEL0138・22・0770。(新目七恵)


◎椴法華給食調理場が運用開始

 函館市旧4町村地域(戸井西小学校など3校を除く)の学校給食調理を担う「椴法華中学校親子学校給食共同調理場」(新浜町151、椴法華中学校敷地内)が7日、運用を開始した。オープニングセレモニーには多賀谷智教育長をはじめ、関係者ら約25人が出席。給食搬送車の第1便を拍手で見送った。

 セレモニーでは多賀谷教育長が「安全でおいしい給食を食べてもらうため、これからも努力していく」とあいさつ。続いて吉田崇仁市議会議長ら8人でテープカットが行われた後、関係者の大きな拍手を受けながら第1便が恵山中などに出発した。この日は約500人分を調理し、献立は白身魚のフライなど5品だった。

 同調理場は、旧4町村内に3カ所あった学校給食共同調理場が老朽化し建て替えが必要だったことから、昨年6月から総額約5億円をかけ建設が進められていた。配食地域のほぼ中心の椴法華に機能を集約し、1日1100人分の調理能力を持つ。給食搬送対象校は日新小や臼尻中など12校。調理員は9人、学校への搬送は3経路で実施する。

 施設は鉄骨造り平屋建てで、延べ床面積は約740平方メートル。機能面では同市内であさひ小、昭和小に続いて3番目となる「ドライシステム」を採用。床に水を落とさず乾いた状態で作業ができ、室内の湿度が常時低く保たれ細菌の増殖などを防げることが特徴だ。初日は2経路の搬送だったが、12日から通常の3経路で搬送する予定。(山田孝人)


◎森町議会、議員定数16に削減へ

 【森】森町議会の議会改革等に関する調査特別委員会(委員長・青山忠副議長、21人)は7日、議員定数を現行の22から16に削減することを決め、6月に開会予定の定例会6月会議に議員定数に関連する条例改正案を提出する方針を固めた。議決後、2011年の次期町議選から適用する考え。佐藤克男町長が野村洋議長に提出した、議員定数を12に求める要請書については、同委員会に付託し、今後内容を審査する。

 森町の議員定数をめぐっては、旧森町、旧砂原町の合併で新森町となった2005年4月段階で、合併の在任特例を適用し、旧森町18人、旧砂原町14人の計32人で始動。07年4月の町議選を前に新森町全体で22に改正していた。

 議員定数の見直しは昨年10月から協議し、定数削減の方向で計6回の議論を重ねてきた。最終的には16と18の2案に絞り込み、この日の委員会で、委員長を除く委員20人の採決の結果、12対8で16に決まった。

 青山委員長は「旧森町、旧砂原町が合併して5年しか経過しておらず、両町の均衡を維持していくうえで最低限必要な数。住民の利益を最優先に判断した」と説明した。

 6月会議前に町内会連合会など町民に対し、定数16に至った議論経過を説明し、理解を求めていく。

 佐藤町長が提出した要請書については、議員定数の削減のほか、議員報酬の2割カットも求めており、各議員からは「各市町村の実情に合わせて定数を決めるべき。人口比較で判断するものではない」「議員の職務に対し誤った認識だ」と反発の声が上がっている。(鈴木 潤)