2010年5月10日 (月) 掲載

◎64力士が真剣勝負 女だけの相撲大会

 【福島】福島町を代表するイベント「女だけの相撲大会」(町観光協会主催)が9日、福島大神宮境内で開かれた。道南をはじめ全国各地から64人の女性力士が参加。土俵では女性の意地がぶつかり合い、真剣勝負を繰り広げた。この日は好天に恵まれ、町内外から約1500人の観客が来場。盛んに声援を送っていた。決勝は「おでぶ山」こと札幌市の会社員、山本静子さん(34)が、昨年の覇者「田辺山」こと北広島市の介護士、田辺千乃(かずの)さん(40)を破り優勝した。

 大会は千代の山と千代の富士の両横綱を輩出した福島町で、毎年母の日に開かれており、今回が20回目。今年は記念大会として、少女の部も初めて行われ、児童による熱戦も繰り広げられた。

 一般の部は最初の取り組みの勝敗で選手をA、B組に分け、トーナメント戦を行った。呼び出しがユニークなしこ名を読み上げると、会場から大きな笑いがわき起った。両ブロックとも好勝負の連続で、会場を盛り上げた。

 Aブロック決勝で田辺さんを下手投げで破り、2年ぶり4度目の優勝を飾った「おでぶ山」の山本さんは、表彰式で高橋はるみ知事から賞状を受け取った。山本さんは「田辺さんはやっぱり強かった」と対戦相手をたたえた。昨年は準決勝で敗退。「今年は燃えていた。リベンジを果たすことができてよかった」と語った。

 Bブロックを制した乙部町のALT、べサニー・ヌッコルズさん(24、米出身)は「相撲は楽しい。いい経験になった」と感想を話した。「一本木山」こと函館市の会社員、山田かおりさんに声援を送っていたのは息子の稜大君(小学4年)と柊大君(同2年)の2人。「土俵の上のお母さんはカッコいい」と笑顔だった。

 江差町から家族4人で観戦に訪れた山口正吉さん(80)は「昨年初めて観戦して『女相撲』のとりこになった。戦う女性の姿は美しく、かわいらしかった」と話していた。(松宮一郎)



◎台湾観光客9割「満足」

 函館市はこのほど、台湾チャーター便を利用した観光客を対象とする函館観光の実態調査をまとめた。函館の美しい自然や夜景、食事が好評で「函館の観光に満足した」「再び来たい」と答えた人は約9割に上るなど、人気の高さを示した。また次回に来函したい時期としては、国内観光客が夏の函館に集中するのとは異なり、春と秋が上位を占めるなど、函館観光の端境期を埋められる可能性を示す結果となった。

 調査は民間業者に委託。昨年末から今年1月にかけて函館空港を訪れた、台湾チャーター便を利用した観光客400人に聞き取り調査をした。函館に対する評価、イメージなど実態を把握した上で、今後の観光客誘致につなげようと実施した。

 観光スポットの認知度では「函館山」が82・8%の観光客に認知され断トツのトップ。気に入った食べ物ではソフトクリームが75・8%の人が答えて首位で2位は45・7%の牛乳と、乳製品が人気を集めた。お土産では薬や健康食品を購入した人が多く、市ブランド推進課は「台湾は健康志向が高く、日本の製品に対する信頼もあるのでは」と分析する。一方、不満点としては市民と外国語でのコミュニケーションが取りずらかったことなどが挙げられた。

 またチャーター便の本数は函館便が209本となり、昨年に続き国内空港トップの座を守ったが、新型インフルエンザの流行や中国方面への機材振り分けが影響し、同627本から418本減少した。

 しかし、函館山ロープウェイのチャーター便利用者の搭乗者数は、6万876人と前年比約15%ダウンにとどまっている。「チャーター便の数は減ったが台湾は定期便の利用を促進しており、就航している空港から函館に来る人が多い」(同課)とする。

 調査結果を基にした民間業者の提言では、@食や温泉を活用した健康・美容に焦点を当てたPRA春と秋への誘致活動の強化B人気の温泉の魅力度アップ、などを掲げた。

 同課は「今後もセミナーなどを開催して受け入れ体制を強化したい。台湾はリピーター率が高く有望。体制をしっかり構築しながら、同時に増加が期待できる中国人観光客の受け入れにも備えたい」と誘致活動を強化する方針だ。(山田孝人)



◎多彩な催し にぎわう 北斗陣屋桜まつり

 【北斗】北斗陣屋桜まつり(市商工会青年部主催)が9日、国の史跡に指定されている松前藩戸切地陣屋跡で開かれ、大勢の来場者でにぎわった。

 合併前の旧上磯町時代から続く行事で、今回で14回目。約400本のソメイヨシノが並ぶ800メートルの並木道は、満開になると見事な桜色のトンネルを形作るなど、花見の名所としても知られている。この日は一部をのぞき、ほとんどがつぼみのまま祭りを迎えた。

 特設ステージでは、吹奏楽やフラダンスなどのステージ、市町会連合会女性部などによる恒例の輪踊りなど次々と繰り広げられ、午後からは地元ダンスチームやYOSAKOIソーランチームによるダンスショー、お笑いタレントのトークショーも行われた。

 会場では、同青年部がジンギスカンセット50食を販売し、家族連れや団体客がサクラの木で七輪を囲みながら談笑する光景があちらこちらで見られたほか、そばやうどん、ホッキシューマイなどの売店コーナーも客足を誘っていた。

 初めて訪れたという函館市松川町の若山哲雄さん(60)は「満開のサクラが見られなかったのは残念ですが、会場も広くてイベントも楽しめました」と笑顔を見せていた。(鈴木 潤)


◎チューリップまつり大盛況

 【木古内】16日まで行われている「チューリップフェア2010」のメーンイベント「第7回チューリップまつり」(実行委主催)が9日、国道228号線沿いの町亀川サラキ岬で開かれた。約1000人の町民や観光客らでにぎわい、多彩なイベントや地元特産品の物販やジンギスカン花見会などで盛り上がった。

 同フェア期間中(2―5日、8、9、15、16日)の人気イベント。今年は地元グループによるよさこいソーランの演舞やカラオケ大会、豪華賞品が当たるビンゴ大会などで来場者を楽しませた。

 例年のこの時期は80種5万球のチューリップが咲き乱れる会場も、今年は開花が遅れ一部が咲くだけにとどまっていた。しかし、地元の特産「ほたて」を使ったグルメやいか飯、海産物とセットになったジンギスカンなどを目当てに多くの地元客や観光客が訪れ、チューリップの格安販売も実施され人気を集めていた。

 木古内町観光協会の東出文雄会長は「チューリップが咲かず残念だったが、晴天に恵まれ多くの方々に足を運んでいただきうれしい」と話していた。

 15、16両日にも特産品などを販売する「ふるさと物産フェア」が開かれる。同実行委によると、この時期にチューリップも見ごろを迎えるいう。(小杉貴洋)


◎館戦争行列 迫力の殺陣

 【厚沢部】第25回館城跡まつり(館観光促進会主催)が9日、厚沢部町の国指定史跡・館城跡公園で開かれた。

 会場では、箱館戦争当時に館城周辺で繰り広げられた松前藩兵と旧幕府軍との激戦を再現する「館戦争行列」が披露された。両軍は観客の目前で大砲を撃ち合い、激しい斬り合いを繰り広げた。観客は城跡を行進する勇壮な行列に盛んな声援を送り、往時の激戦に思いをはせていた。

 館城は松前藩の新たな居城として1868(明治元)年に完成。国内最後の城郭建築として、現在も発掘調査が続いている。箱館戦争で新政府軍に加わった18代目の藩主徳廣が入城したが、その直後に旧幕府軍の猛攻を受けて落城した。徳廣が城内に滞在したのはわずか10日ほどだったという。

 同公園はサクラの名所で知られるが、春先から低温が続き、ようやくつぼみがほころび始めた。大勢の住民や観光客は、ジンギスカンに舌鼓を打ちながら、演歌歌手の近江亜矢さんによる歌謡ショーや、郷土芸能の当路鹿子舞(ししまい)などのイベントを楽しんでいた。(松浦 純)