2010年5月11日 (火) 掲載

◎鮮やか…五稜郭公園サクラ満開

 函館海洋気象台は10日、函館市の五稜郭公園にある標本木のサクラ(ソメイヨシノ)が満開になったと発表した。平年より2日遅く、昨年より9日遅かった。同公園では堀の外周が淡いピンク色で彩られた。公園内を行き交う人々は、「きれいだね」「花びらが落ちていないから満開なんだね」などと会話しながら、携帯電話やデジタルカメラで、熱心にサクラを撮影していた。

 今年のサクラは5日に開花し満開まで5日掛かった。前日の9日はまだ6分咲きだったが、好天のまま天候が推移したことで、一気に満開を迎えた。

 同公園駐車場には札幌、旭川などの道央、道東圏のナンバーの車が並び、公園内は修学旅行生や観光ツアー客でにぎわっていた。毎年夫婦で写真を撮りに来るという市内の男性(69)は、「サクラの色づき具合が華やかで、何回来ても良い」と満足そうな表情で話していた。(黒田 寛)



◎「モンドセレクション」で函館タナベ食品“7冠”

 水産加工品製造販売の函館タナベ食品(函館市桔梗5、田邉元久社長)のシューマイやたらこなど7品が、今年の国際的な食品コンクール「モンドセレクション」ですべて銀賞以上に入賞した。2005年の初出品以来6年連続受賞の快挙で、「いかしゅうまい」など3品が最高賞に当たる最高金賞に輝いた。同社は「北海道・函館の食を通じて地域に貢献できれば」と“7冠”を喜んでいる。

 7品のうち、道産食材を中心に作った「いか」「帆立」「かに」の3種のシューマイが最高金賞に、道南近海のマイカの耳や足なども練り込んだ「まるごといかしゅうまい」と、噴火湾産のたらこを使った無着色の「たらこ」「辛子めんたいこ」が金賞に輝いた。

 このほか、戸井産の早摘み真昆布を湯通し後に塩漬けにした「昆布の若芽」は初出品で銀賞を獲得した。コンブの風味そのままにワカメのような柔らかい食感が特徴で、昨年春から通信販売などで発売。今年は生産した約4万袋(4トン分)のほとんどが既に売り切れる人気商品だ。

 同社は2011年にも市内港町に新工場を建設する計画で、さらに生産体制を強化する方針だ。同社によると、新工場は来年春にも着工し、函館港港町埠頭(ふとう)の市有地に約2600平方メートルの本社兼生産工場を建設。商品ラインナップも増やして年内の稼働開始を目指すという。

 田邉社長は「北海道の食のブランド力を生かし、希少性を高めて商品展開することで消費者に浸透してきた。地産地消の安心・安全はもちろん、本当においしいものを提供して函館を元気にしたい」と話す。商品はいずれも道内の主要な空港や駅、土産物店で販売しているほか、通信販売もしている。

 1961年から始まったモンドセレクションは(本部・ベルギー)は「食のオリンピック」とも称され、毎年、国際的な審査員が世界各国の食品メーカーが出品した商品の品質や味などを評価している。(森健太郎)



◎コースや料金 9割超満足…西部地区のおでかけバス

 函館市はこのほど、昨年10―12月に運行社会実験を行った、西部地区のコミュニティバス(通称・おでかけバス)の実験結果をまとめた。運行コースや利用料金などの面で利用者の90%以上が「満足」との回答を示した一方、1日あたりの平均利用者が50・9人と採算ラインに届かなかったため、市は試験運行時と同じ形態での事業化は困難とする一方、「運行の効率化や既存バス路線との統合再編に可能性を見出せる」とみて、函交通事業者に対し、事業化に向けた検討を要請している。

 同バスは、西部地区に数多く点在する坂道の上り下りの負担軽減と公共交通機関への接続をスムーズにする目的で、函館バスに運行を委託して昨年10月16日から12月30日まで運行。50分間隔で1日12往復、料金は大人一律100円に抑えて利便性を高めた。総利用者は3867人、1日平均利用者は50・9人で、採算ラインに定めた同450人を大幅に下回った。

 利用状況では運行終盤の12月に利用者が増え、最終1週間(12月24―30日)では同73・4人。時間帯別では午前10時半発の乗客が最も多く、午前10時―午後4時の時間帯に集中した。

 11―12月にかけて行った利用者アンケートには204人が回答。女性利用客が全体の4分の3以上を占めており、利用目的は「買い物」が93人で最多。行き先、乗車場所、降車場所はいずれも末広町のスーパーマーケットが最も多く、利用目的を裏付ける形となった。

 運行コース、バス停までの距離、利用料金の3項目で「満足」「やや満足」との回答が90%以上をマークし、継続運行は97・9%が「希望する」と回答した。

 市街づくり推進課は「坂の上と買い物先を結ぶ上で、確実に利用ニーズがある」と分析。一方で採算ラインに及ばなかった点を踏まえ、@利用ニーズに合わせた運行の効率化A既存コミュニティバス路線との統合、再編―を視野に函館バスや函館ハイヤー協会に検討を求めた。同課は「交通事業者への情報提供を行いながら、事業化を働きかけていきたい」と話している。(千葉卓陽)


◎ケースワーカー増員要望へ…道南市長会

 函館、北斗、伊達、室蘭、登別、苫小牧の6市でつくる道南市長会が10日、函館市役所で開かれた。生活保護を担当するケースワーカーの増員に向けて国に法改正を求めるよう、全道市長会に要望することを確認した。

 市長会は6都市の持ち回りで行っており、08年以来2年ぶりの開催となった。

 協議案を提出した伊達市の菊谷秀吉市長は、「ケースワーカーは大学卒だと資格を取得しているが、最近は単位を取らずに採用されるケースが多い」と説明。福祉行政の経験がある職員について、一定の講習を受けることで同等の資格が与えられるよう求めたいとした。函館市もケースワーカーの資格取得率は50%程度とし、「講習を受ける場合も期間短縮などを求めたい」と応じた。

 情報交換では、北斗市が北海道新幹線新函館駅(仮称)の周辺整備について「本年度より造成工事や、支障のある物件の補償にも本格着手する」と報告。函館市は東アジアをターゲットにした貿易や、7月の箱館奉行所オープンなどを説明した。(千葉卓陽)


◎コンビニ納税・軽自動車税納付書 一部読み取れず

 函館市が本年度からスタートした税金のコンビニ納付で、一部の軽自動車税納付書のバーコードデータが読み取れず、コンビニエンスストアで支払えないトラブルがあることが10日までにわかった。市には同日まで、納付できなかった市民とコンビニから40件の苦情が寄せられた。希望者には納付書を再発行するとともに、印刷機を解体するなどして原因を探っている。

 市では収納率や利便性向上などを目的に4月、市税と国民健康保険料、保育料、市民税、資産税をコンビニ納付できるようにした。市税務室によると、納付書のバーコードなどはコンビニ納付に合わせて導入した市の印刷機で印刷し、6日に約6万600件分を発送。7日からコンビニ納付できなかった市民からの苦情があったため、土日曜日の8、9日には職員が休日出勤して対応に当たった。

 7―10日に寄せられた問い合わせは、市民からが36件、コンビニからが4件。市は支払いできるコンビニには、トラブルがある旨を通知。問い合わせがあった市民に対しては、郵便局や銀行では問題なく納付できることを知らせ、コンビニ納付の希望者には納付書を再発行している。

 一方、コンビニで納付できた場合も7―9日の3日間に738件あった。発送時には一部を抽出して読み取り可能かのチェックをしていることから、どの程度の納付書で読み取り不能かは分かっていない。また、同じ機械で印刷した資産税(4月12日発送)と保育料(同26日発送)の納付書ではトラブルの報告はないという。

 同室は「せっかくコンビニに足を運んでくれた市民に対しては本当に申し訳ない」と話し、6月には市民税や国保料の納付書発送を予定しているため、原因究明に全力を注いでいる。問い合わせは同室TEL0138・21・3219。(小泉まや)