2010年5月13日 (木) 掲載

◎ナッチャン今年も運航…7月17日から10月末まで

 津軽海峡フェリー(函館市港町3、関根二夫社長)は12日、昨年9月末から運休している函館―青森航路の高速船「ナッチャンWorld(ワールド)」を、今年も7月17日から10月末までの期間限定で運航すると発表した。道運輸局函館運輸支局に認可を申請中で、早ければ6月中にも正式に決定する見通し。

 同社の高速船は燃料高騰などを理由に2008年10月末で定期運航を休止。昨年は7―9月の期間限定で運航し、その後は函館と青森両港に係留して売船交渉を進めていた。今年も運航再開を望む地元の強い要請があり、繁忙期の季節運航を決めた。

 期間中は函館―青森間を一日1往復し、8月1日―22日の毎日のほか、7月17日―31日までと8月23日―10月31日までの土日、祝日に運航する。青函の漁業関係者に配慮して速度を落として運航するため、所要時間は就航当初より1時間長い2時間45分。定員は772人。

 運賃は昨年と同じくエコノミーが大人4000円、最上位クラスのエグゼクティブが7000円。小型車は軽自動車が1万7000円、6メートル未満の乗用車が2万1000円。今月17日から仮予約を受け付ける。現在、函館港に係留中の姉妹船「ナッチャンRera(レラ)」は運航期間中、室蘭港に係留させる。

 同社は「夏場や秋の観光シーズンには本州や道央圏からのマイカー需要も多く見込める。高速船が青函圏の橋渡し役となり、地域の観光振興につなげたい」と話す。同社は高速船の運航再開と同時に、犬用のバルコニーを備えた在来定期便の新船を導入することも決めている。

 函館市港湾空港部は「高速船は函館にとっての観光資源。夏場にパンク状態の乗用車輸送をカバーし、地域の活性化になることを期待している」とし、函館商工会議所も「高速船の経済波及効果は大きく、運休のままでは宝の持ち腐れ。12月の東北新幹線新青森開業時も含めた通年運航を望んでいる」と話している。(森健太郎)



◎14、15日に中島三郎助まつり

 第17回中島三郎助まつり(中島町商店街振興組合主催)が14、15日の2日間、函館市中島町の中島廉売で開かれる。今年もYOSAKOIソーランの演舞や「春のスイーツまつり」、「100円市場」などのイベントを実施。今年初めて同廉売のパン店と商店街の女性たちが共同開発した調理パンを限定販売する。同組合の川崎正博専務理事は「売り出しもやっているので、この機会にぜひ廉売に足を運んでほしい」と来場を呼び掛ける。

 14日は午後3時から、箱館戦争に散った中島三郎助父子を供養する祈願祭を行い、もちまきなどを実施。15日は午後1時から約50店による「100円市場」、同3時から5チームによるYOSAKOIソーラン大競演が行われる。

 2日間通したイベントでは、午前10時半から、市内の和洋菓子店やレストラン6店舗が参加する「春のスイーツまつり」が開催され、ケーキやプリンなどが並ぶ。限定販売の調理パンは、同廉売の女性グループ「ひまわり会」とフレッシュベークヨシダが考案し、2種類ともパンに福島町産の黒米と今金町産の小麦粉を使った。

 堂守豆腐店の「オカラ炒コロッケ」を使った「オカラ炒ポテコロサンド」は両日20個限定、1個180円で販売。パンに挟むパテにホッケのすり身などを使い、中村商店のしょうゆ味のキュウリの漬け物をピクルス代わりに入れた「春ホッケの照りマヨバーガー」は15日のみ35個限定、1個200円で提供する。

 問い合わせは同組合TEL0138・56・7615。(宮木佳奈美)



◎函館市生活保護率 1000人中43.3人過去最多

 函館市の3月の生活保護率は43・3‰(パーミル=人口1000人当たりの被保護者数)となり、前年同月(41・2‰)と前月(42・9‰)をそれぞれ上回った。人数、世帯数ともに同市の過去最多を更新中で、道内の市部では3カ月連続で3番目の高率となった。北斗市や渡島・桧山管内の町部でも増加が止まらない。

 保護率は近年緩やかな増加傾向にあるが、景気状況などを受けてここ数年は特に上昇ペースが早まっている。道内全体では、昨年3月(26・3‰)からことし3月(28・1‰)までの1年間で1・8ポイント増となった。

 函館市の2009年度全体の保護率は41・9‰(1万1924世帯)となった。05年度(37・5‰)から08年度(40・2‰)までの増加割合と比較すると、ペースが早くなっており、前年度比では一気に1・7ポイント増加している。市福祉事務所は「人口が減る一方で保護世帯が増加している状況。単純な保護率増にとどまらず事態はかなり深刻」とする。

 3月の保護者数は、前年同月比511人増の1万2317人(8634世帯)。前月比では112人(72世帯)増で、市福祉事務所は「変わらず早いスピードで増え続けている。景気回復の恩恵は市内ではまったく見られない」とし、改善の兆候さえない状況に頭を抱える。

 福祉事務所別の集計は、4月に市内を1福祉事務所体制(3月までは2カ所)としたため、今回が最後となった。中央管内が市部で最も高い釧路市(51・2‰)を上回る53・3‰。一方の亀田管内は29・7‰で、同じ市内でも地域差が顕著に表れた。

 道南全体で増加傾向は同じで、比較的低い保護率の北斗市も16・1‰(510世帯)に。前年同月比では、木古内町と上ノ国町が下がったものの、ほかは0・1―4・5ポイントの幅で軒並み増加している。道南すべての保護者数は1万6863人(1万1736世帯)だった。(小泉まや)


◎料理長が「本格餃子」伝授…彩風塘料理教室

 本格広東料理を提供する函館市昭和町3の中国料理店「彩風塘」(佐藤優店長)で12日、同店特製餃子(ぎょうざ)のレシピを紹介する「手作り点心お料理教室ランチ会」が開かれた。約30人の主婦らが参加し、料理長直伝の技を習得しようと、真剣な表情で調理に取り組んだ。

 同店は昨年9月、厚沢部町の鶉(うずら)温泉内にある1号店に続きオープン。道南の農・海産物にこだわったメニューが評判を呼び、人気となっている。料理教室は食事客からの要望に応え、初めて開催した。

 具材のキャベツやハクサイを半分は塩もみで水分を飛ばし、もう半分は食感を残すためそのままとプロならではのひと工夫。その具を、自家製の皮で包み込む作業では、きれいなヒダをつけながら扇状に形を整えるのに参加者は四苦八苦。「難しい」と言いながら、内村卓生料理長のお手本と見比べて「さすがプロだね」と関心しきりの様子だった。

 参加者には特製ランチや土産も用意され、教室を満喫していた。市内の主婦、石丸ノリ子さんは「プロの餃子を教えてもらったので、孫たちに早速振る舞ってあげたい」と話していた。(小杉貴洋)


◎「乙女昆布」味わって…柴田さん、早摘みコンブを製品化

 【北斗】北斗市茂辺地の漁業、柴田孝二さん(38)が茂辺地地区の前浜で取れた早摘みのマコンブを「津軽海峡一番採り『北海道浜乙女昆布』」として製品化した。昨年秋に種付けし、この時期にしか取れない成長前の若いコンブは食感が柔らかく、風味が良いため、料理の具材としてそのまま食べられるのが特徴だ。柴田さんは「水がきれいな茂辺地の海で育った天然コンブから採取した種を使っている。おいしいコンブの味を楽しんでほしい」とPRしている。

 柴田さんは、例年、夏場のコンブの収穫期に向け、4月下旬から5月上旬のこの時期に成長の良いコンブだけを残す作業を行ってきた。この際に摘み取るいわゆる間引きコンブは、漁業者のまかないなどで消費されるか、廃棄されていた部分だが、味の良さと食べやすさに注目した。

 昨年、同市内の青空市で試験販売し、購入者から好評を得て手応えを感じた。柴田さんは「成長したコンブを夏に出荷した方が高く売れる」と話すが、おいしい地場産コンブの魅力を広げるため、今季初めて「乙女昆布」用として約700キロを採取した。

 「乙女昆布」は水につけて数秒で戻り、ダシが存分に出るのが特徴で、あっさりとした粘りがある。みそ汁やお茶漬け、ラーメンに入れても最適といい、「煮込まなくてもつくだ煮が簡単にできる」とする。また、地元飲食店の協力で、沸騰直前のお湯で作っただし汁で割った焼酎を提供したところ、「風味があり、おいしい」とおおむね好評を得たという。

 柴田さんは「コンブはダシを取るというイメージが強いが、いろいろな味わい方ができる。豊富なミネラルを含んだコンブをおいしく食べてもらいたい」と話している。1パック70グラムで販売。同市茂辺地の飯豊商店や函館近郊のホクレンショップ4店舗で購入できる。(今井正一)