2010年5月14日 (金) 掲載

◎「道の駅」機能完備、観光交流センター新築… 木古内町が駅前整備計画

 【木古内】木古内町は、2015年度に予定されている北海道新幹線開業に連動して行う、木古内駅周辺整備基本計画をまとめた。計画は11年度から15年度までの5カ年で、メーンとなる観光交流センター(仮称)の新築や新駅北側と現駅舎の東、西側への駐車場整備、駅周辺の道路の改良、公園整備などを行う。総事業費は21億5000万円。測量調査や実施設計などに11年度から着手する。同センターは14年度後半から15年度にかけて着工する予定。

 計画は、08年に官民協働で策定した「まちづくり構想」をもとに、1年かけ町が独自で策定。09年度から活用可能な補助金や交付金を検討し、11―15年度の5カ年の計画としてまとめた。事業費の内訳は交付金、補助金が約半分を占め、そのほかは起債(借金)が8億3400万円、一般財源2億1200万円を充てる。

 目玉の観光交流センターは現駅に向かって右側、南側50bほどの場所に建設される。平屋で床面積は約511平方b。「道の駅」を前提としており、24時間対応トイレや駐車スペースなどの条件をクリアする施設となっている。また、観光情報の発信、特産品の紹介や販売スペースなどを備える。「広域観光の拠点」(まちづくり新幹線課)と位置づけており、新幹線の乗降客と乗用車の利用客を合わせた利用を見込む。同センターの事業費は2億9000万円。

 一方、道路整備は、役場前の道道から中央公民館へ向かう環状通線(町道冷水線)の改良舗装事業などを行う。現在5・5bの車道の両側に歩道を設置し、18bに拡幅する。本年度から予備設計に入る。  また、駅周辺の駐車場では、新駅北側に1万平方b、普通車213台分と大型車8台分。現駅の東西にも普通車149台、大型車7台が駐車可能となる。同センターの駐車スペースと合わせると普通車390台分を確保した。

 このほか、旧国保病院の跡地3300平方bに公園を整備する。公衆トイレや遊歩道、あずまやなどを設置するとしている。

 現駅舎の前に作られるロータリー型の駅前広場と駅前通りの整備については、道が事業主体だが、広場にモニュメントや屋根(シェルター)、通りにはベンチと街灯などを町が独自に設置する。

 13日の町議会総務・経済常任委員会(吉田忠義委員長)に同課が説明した。今後、町民に計画を周知していく。(松宮一郎)



◎工藤前副市長、後援会設立へ

 前函館市副市長の工藤寿樹氏(60)が、来年4月の函館市長選出馬を視野に、政治団体となる後援会を設立することが13日、明らかになった。早ければ来週にも市内で設立総会を開くとともに、道選管渡島支所に後援会と資金管理団体の設立を届け出る見通し。工藤氏は函館新聞の取材に対し、「市長選を念頭に活動を進めていく」と話している。

 工藤氏は昨年11月、西尾正範市長に対し「市政運営のあり方に対する方針や理念に違いがある」と批判し、同12月末に任期を3カ月残して副市長を辞任した。

 辞職後の今年4月、函館市昭和3に個人事務所を開設。同時に後援会設立に向けた準備を進め、出身校の函館ラ・サール高や早大の同級生、OBを軸に、人選を進めている。

 工藤氏は取材に対し「道政や国政選挙に出るつもりはない。事実上、市長選に向かっていく形になる」とする一方、特定の政党には所属しない考えを示している。また、政策面については「まだまとまっていないが、地元経済の再生と福祉の充実を目指したい」としている。

 工藤氏は1949年11月、乙部町生まれ。函館ラ・サール高、早大法学部卒。1973年に旧亀田市に採用され、函館市との合併後は財務部長、企画部長などを経て2006年4月に助役就任。07年4月から地方自治法改正により副市長となり、昨年12月まで務めた。(千葉卓陽)



◎お釈迦さまの誕生祝う…花まつり

 函館市仏教会主催の「花まつり」が13日、浄土真宗本願寺派函館別院(東川町12)で開かれた。函館仏教保育教会に加盟する市内7幼稚園の園児ら約260人がきらびやかな衣装に身を包み、お釈迦(しゃか)様の誕生を祝った。

 花まつりは通常、釈迦の誕生日と伝えられる4月8日に行われるが、函館では毎年、寒さが緩むこの時期に開催している。

 この日はJR函館駅から大門グリーンプラザまで稚児行列が行われる予定だったが、悪天候のため中止となり、同別院で奉賛大会のみが行われた。

 本堂内に設置された花御堂の誕生仏の前で、函館市仏教会の日比優道会長代理が「今日はお釈迦様のお誕生をみなさんでお祝いしましょう」と呼びかけ、園児らとともに「ほとけさま」の歌を合唱。続いて僧侶や園児らが、誕生仏に甘茶を注いで手を合わせた。最後は園児の代表2人が「元気で優しい子どもになります」と誓いの言葉を述べてまつりを締めくくった。(小川俊之)


◎市企画部長「現状では同意できない」…函館―新函館経営分離問題

 北海道新幹線が札幌まで延伸された場合、JR北海道が函館―新函館駅(仮称)間を並行在来線として経営分離する方針を示している問題で、函館市の渡辺宏身企画部長は13日の市議会総務常任委員会(浜野幸子委員長)で「現状では経営分離に同意できない」との考えを示した。整備新幹線の建設着工は地元自治体が経営分離に同意することが条件で、国が8月にも新規着工の是非を決定するのを前に、市はいち早く姿勢を示した形。19日には西尾正範市長らが札幌のJR北海道本社を訪れ、経営継続を要請する。

 JR北海道は12日の記者会見で、中島尚俊社長が函館―小樽間を経営分離し、並行在来線とする方針を改めて表明。函館市はこれに対し、現駅―新駅間は並行在来線には当たらないとの認識とともに、1994年に現駅―新駅間のアクセスについて「道が中心となって対応する」との確認書を交わした経緯から現駅周辺の開発に約100億円を投じたことや、駅舎など鉄道施設の購入に多額の費用がかかることを挙げ、JRの経営継続を求めている。

 渡辺部長は「相当の協議は経ると思うが、現状のままでは同意するにはあたらない」と述べ、経営分離回避の姿勢を示すとともに、「住民の足の確保と同様、観光客を含めた都市間輸送のアクセス路線という考え方を(JRに)持ってもらいたい」とした。

 同部長はまた、「オール北海道での延伸運動に水を差す環境は作り出したくない」としながらも、小野沢猛史氏(市民クラブ)の「最後はどこかで腹をくくらなくてはならないのでは」の質問には「相当の覚悟で臨む。地域の意思を固めた上で、経営分離に同意できない姿勢は堅持していきたい」とした。

 国は8月にも札幌延伸を含む新規着工の是非を判断することから、福島恭二氏(民主・市民ネット)は「議会や経済界と市が一体となって強力な運動を展開していくべき」と主張。同部長は「時間がない。全力を挙げたい」と述べた。(千葉卓陽)


◎頼もしいワン パトロール隊江差署で発足

 【江差】江差署(斉藤文則署長)は13日、地域住民が愛犬の散歩をしながら町内をパトロールする「わんわんパトロール隊」を発足させた。隊員と愛犬が散歩を楽しみながら、子供たちの見守り活動や不審者への警戒活動などに、優れた聴覚や嗅覚(きゅうかく)を発揮することが期待されている。

 パトロール隊の発足は、春の地域安全運動(11日―20日)に合わせて発足。同署管内の愛犬家27人と犬35匹が参加した。

 同署で行われた結成式で、斉藤署長は「パトロール隊への参加に快諾を頂いた、皆さんとワンちゃんに感謝します。地域の治安維持に手助けになることを期待しています」とあいさつ。愛犬とともに参加した、江差地区防犯協会の石塚紀雄さんは「防犯意識の高揚と住民への注意喚起に協力してほしい」と呼び掛けた。

 同協会はパトロール隊員であることを示す、犬用の黄色いバンダナを贈呈。バンダナを身に着けた愛犬は誇らしげな表情を見せていた。隊員と愛犬は早速、警察官とともに江差郵便局や北洋銀行江差支店に出動。来客らに振り込め詐欺の防止などをアピールしていた。(松浦 純)