2010年5月16日 (日) 掲載

◎箱館戦争戦没者を供養 五稜郭祭開幕

 戊辰戦争終結の地、五稜郭を舞台にしたイベント「第41回箱館五稜郭祭」(同協賛会主催)が15日、2日間の日程で開幕した。初日は五稜郭タワー(五稜郭町43)で恒例の「土方歳三コンテスト全国大会」が行われ、出場者の熱のこもった演技や殺陣が大勢の観客を楽しませた。

 午前中は実行委メンバー約40人が新政府軍にふんして、市内に点在する箱館戦争ゆかりの地を巡る碑前祭を行った。空は祭りの開幕を祝うような快晴に恵まれ、中島三郎助父子最後之地碑(中島町)、碧血碑(谷地頭町)、土方歳三最期之地碑(若松町)、箱館戦争供養塔(五稜郭町)の4カ所で、祭文を読み上げ、礼砲を撃ち鳴らし、戦没者を供養した。

 午後からは同タワーアトリウムで記念式典が実施され、同祭のシンボル“錦旗”(きんき)の授与が行われた。函館観光大使の女優、平田まりさんも駆けつけ、オリジナル曲「五稜の星」を熱唱するなど、イベントに花を添えていた。

 今回で23回目の「土方コンテスト」には、例年より多い女性3人を含む25人がエントリー。その人気をうかがわせるように約350人の観客が集まり、熱演に引き込まれた。出場者は殉じる土方の姿を自分なりに表現し、小道具を使ってコミカルにしたりアクションを加え臨場感を出すなど工夫を凝らしていた。

 優勝は森町在住の会社員、小川利人さん(30)。7回目の出場で悲願の栄冠を手にした。野外劇出演などで刀使いを習得し、仲間と練習を続け、精悍(せいかん)な土方を演じるため20キロのダイエットをして臨んだという。小川さんは「夢がかない、生きてきた中で一番うれしい。仲間の支えに本当に感謝している」と喜びを語った。

 16日には優勝した小川さんらも参加するメーンイベント「維新行列」(午後1時から)も行われ、当時の衣装をまとった参加者が市内をパレードする。本町の行啓通では榎本軍と新政府軍の戦闘シーンが繰り広げられる。行啓通から五稜郭公園までは午後1時から2時半まで全面交通規制がある。(小杉貴洋)



◎二爺の力で先輩元気に…レクリエーション団体が発足

 【北斗、七飯】この春に退職した男性2人がこのほど、高齢者向けの余興やレクリエーションのボランティア活動をする「虹の会(二爺の会)」を立ち上げた。2人は北斗市久根別在住の佐藤紀彦さん(69)と七飯町大川在住の佐々木尚孝さん(69)で、ともに七飯レクリエーション協会の会員。16日には函館市松川町のデイケア深瀬(深瀬病院内)で初めての訪問交流を行う。(鈴木 潤)

 佐藤さん、佐々木さんは旧知の仲で、1993年の七飯レクリエーション協会設立に携わった。同協会の前会長だった佐藤さんは元教員で、退職後は北斗市内の立正幼稚園の園長をこの3月末まで務めた。佐々木さんは日本レクリエーション協会公認のレクリエーションインストラクターの資格を持つ。3月末まで函館有斗高の職員として勤務していた。

 これまで2人とも協会の活動などを通して地域の社会教育に尽力してきたが、古希(70歳)を迎える記念に「老いてゆく人生の先輩を元気にさせたい」と思い、新たな分野での社会奉仕活動を決意した。

 ともに芸達者で、初公演では佐藤さんがアコーディオンやマジックを、佐々木さんは映画「男はつらいよ」の「フーテンの寅さん」をまねた啖呵(たんか)売りを披露する。手遊びやクラフト作りなど利用者も参加しながら楽しめるレクリエーションも行う。

 佐藤さんは「わたしたちの上の世代は戦前、戦中を強く生き抜き、戦後の復興を果たした最大の功績者。国民栄誉賞そのものだと伝えたい」と語る。活動を通して、高齢者向けのレクリエーションの普及も図りたい考えだ。



◎江差夜市 人どっと セールやビンゴ、催し多彩

 【江差】江差中央商店街と法華寺通り商店街で15日夕、多彩なイベントを用意した「江差夜市(よいち)」が開かれた。地元商店街の利用客に感謝を込めて、商品の特価セールやビンゴ大会などが行われ、家族連れや買い物客でにぎわった。

 イベントは、江差中央商店街協同組合(小路政信理事長)と山の上商盛会(三国幸吉会長)の主催。中央商店街ではフリーマーケットとともに、沿道の店舗では夜市協賛セールが随所で行われ、大勢の人出でにぎわった。五勝手屋本舗では限定商品の「夜市まんじゅう」も売り出され、大勢の買い物客が長蛇の行列を作った。

 また、法華寺通り商店街は歩行者天国として開放され、菓子店、食堂、食料品店などが自慢の商品を店先で販売。町内の農園によるアスパラやイチゴの直売も好評だった。買い物客の交流スペースになっている「寄来所(よっこらしょ)」では、住民が手作りしたお汁粉やマイタケご飯などの商品も人気を呼んだ。午後7時からは、現金つかみ取りの権利などが当たるビンゴ大会も開かれ、200人を超える買い物客を楽しませた。現金つかみ取りでは、挑戦者がたくさんの硬貨をつかみ上げると観客から盛んな声援が飛んでいた。(松浦 純)


◎大きく育ってね 上の国で児童ら250人ヒバ苗木植樹

 【上ノ国】桧山の森づくり植樹祭が15日、上ノ国町小森の町有林で開かれた。久しぶりに訪れた心地よい青空の下、町内の児童とともに、桧山管内の漁業者や林業関係者ら約250人が、桧山の語源になったヒバ(ヒノキアスナロ)の苗木約500本を丹念に植え付けた。

 開会式で工藤昇町長は「町内で盛んだった林業はこれから環境産業として生きていく。豊かなヒバ林を取り戻して後世に伝えていこう」とあいさつ。高橋則克桧山振興局長は「二酸化炭素の吸収をはじめ、森林の環境保全機能はますます重要になっています」と呼び掛けた。参加者を代表して、町立湯ノ岱小6年の小野亮太君は「緑を守り増やして、北海道を緑豊かで住みよい大地にしていくことを誓います」と宣言した。

 参加者は、高さ30センチほどに育ったヒバの苗木を植樹。湯ノ岱小の子供たちは「早く大きく育ってね」と苗木に語りかけながら、植え付け作業に汗を流した。作業を見守る林業関係者は「大きくなったらこの苗木を必ず見においで。きっと大きな木に育っているよ」と子供たちをねぎらった。

 植樹祭は、桧山の森づくり実行委員会、上ノ国町緑化推進委員会、ひやま漁協上ノ国支所女性部の共催。各団体はそれぞれ毎年、独自に植樹活動を行っているが、植樹祭が本年度、同町での開催となったため、森づくりを手掛ける3団体が一堂に会して植樹を行った。(松浦 純)


◎鍋料理や音楽 笑顔咲く はこだて菜の花まつり開幕

 「第5回はこだて菜の花まつり」(はこだて菜の花プロジェクト主催)が15日、函館市中野町118の函館酪農公社あいす118隣接地で開かれた。先の天候不順で菜の花の開花には間に合わなかったが、鍋料理や青空音楽ステージなどで大勢を魅了した。

 会場近くの1000坪(3300平方メートル)の土地には、一面に菜の花畑が広がる。来場者は、畑に足を運び、「もう少しで咲くね」と見入っていた。

 まつり会場では、菜の花が入ったみそ仕立ての鍋を販売。摘んだ花や種の即売会も行われた。芝生のステージでは、地元バンド「パンチライン」のコンサートが繰り広げられ、大きな拍手が送られていた。

 母親と来場した函館北日吉小3年の武部亜叶夢(あとむ)君(8)は「菜の花が咲いていなくて残念だったけど、おいしい鍋を食べることができて満足。また来年も来たい」とにっこり。同プロジェクトの石塚大代表は「満開の黄色い花で歓迎したかったが、こればかりは仕方ない。来週には満開になりそうなので、美しい景色を見に来てもらえれば」と話していた。

 同プロジェクトは「高田屋嘉兵衛の愛した菜の花を函館へ」をスローガンに活動。江戸時代の豪商・嘉兵衛が魚を肥料に菜の花を育て、菜種油を取るなど、各地の人々の暮らしを支えたことに敬意を示し、「先人の思いを未来につなげよう」とメンバーは活動に力を入れている。(田中陽介)