2010年5月2日 (日) 掲載

◎江差山車、追分会館 観光客で盛況

 【江差】大型連休に入り天候も落ち着いた1日、江差追分会館と江差山車会館(中歌町193の3)には大勢の家族連れやツアー客が訪れ、豪華な山車の展示や江差追分などの実演を堪能した。

 4月25日にオープンした山車会館は、初めての大型連休を迎えた。1日も大型バスで訪れた団体客や個人客が詰め掛け「松寳丸(まつほうまる)」と「神功山(じんこうざん)」の迫力ある姿に驚きの声を上げていた。札幌市から訪れた男性(65)は「実物を見るは初めて。とても迫力があります」と笑顔で話した。

 追分会館では、歴代の全国大会優勝者らによる江差追分の実演もスタート。本場の江差追分や民謡に聞き入っていた。実演は10月下旬まで。午前11時、午後1時、同2時半の1日3回行う。小田島訓館長は「山車会館の開業効果もあり、入館者は例年を上回る勢い。連休後半の入り込みにも期待しています」としている。

 また、大型連休中は、町内に伝わる郷土芸能の特別上演も。2日は網元や商家で行われたもちつきの様子をユーモラスな踊りで表現する「江差もちつきばやし」、3日は江戸時代から伝わる「五勝手鹿子舞(ししまい)」を上演。4日はニシン漁の活気を伝える「江差沖揚げ音頭」を、5日には漁場を荒らすサメを退治する様子をにぎやかな踊りで演じる「江差鮫(さめ)踊り」を披露する。郷土芸能は午前11時と午後1時の1日2回の上演を予定している。

 山車会館は追分会館に併設。共通入館料(大人500円、小中高生250円)で、両館の展示が見学できる。大型連休中は無休。開館時間は午前9時―午後5時まで。問い合わせは江差追分会館TEL0139-52-0920。(松浦 純)



◎五稜郭公園 花見客の笑顔は満

 サクラの名所として知られる函館市の五稜郭公園は1日、少し早めの花見を楽しむ人たちでにぎわった。色づき始めたつぼみの下で、花見客はジンギスカンなどを囲みながら春を満喫していた。

 公園を縁取るように植えられているサクラはつぼみの段階だが、暖かい気温と時折差し込む春の陽光を受けて、つややかに輝いていた。高校時代の同級生6人で花見をしていた市内の大学生、前川裕一さん(19)は「朝9時から買い出しに行き、昼ごろから楽しんでいる。飲み物も食べ物もまだたくさんあるので、夜まで続けます」と話していた。

 公園内のあちこちで、焼き肉のおいしそうなにおいが漂い、花見客の楽しげな笑い声が響きわたっていた。午後7時からは公園内に設置されたちょうちんに明かりがともされ、日曜、祝祭日は午後10時まで、平日は午後9時までライトアップされる。

 予約した花見客に肉や野菜、コンロなど一式を提供しているサンフレッシュサービスは「今日は550件の依頼が来ている。例年より花見の時期は1週間ほど遅いが、まずまずの出足」と話していた。(黒田 寛)



◎心打つ夫婦の人生 松前高生がコンクール発表会で手紙朗読

 【松前】「夫婦の手紙」第3回全国コンクール公開発表会(実行委主催)が1日、松前公園内の夫婦(めおと)桜前の広場で開かれ、松前高校の生徒が入賞作品18通を読み上げた。満開のサクラの下での発表会とはならなかったが、それぞれの夫婦のドラマに接し、会場は感動と幸福感に包まれた。

 松前公園天神坂にあるソメイヨシノとナデンが接ぎ木によって一つの根で結ばれていることから、2007年に「夫婦桜」と名づけられた。コンクールは命名を記念し毎年開催している。

 作品を朗読したのは同校3年の堀川尚人君と森田さくらさん。「たくさん練習した」という2人は、さまざまな夫婦の人生を情感を込めて読んでいった。観光客らも足を止め、愛情あふれる手紙に聞き入っていた。

 最優秀賞の大阪府寝屋川市の吉岡一泰さん(80)は、亡き妻にあて、共に歩んだ時間を振り返り「おれにはこれ以上の人生はなかった。ありがとうな、ありがとうな」と感謝の言葉をつづった。

 会場を訪れた町内の小林千弘さん(69)は「高校生の朗読がよかった。心に響くものばかりだった」と感想を語った。実行委員長の疋田清美松前観光協会会長は「審査でも発表会でも胸が熱くなった。多くの人に来てもらいコンクールは成功」と語った。

 今年の応募総数は756通。先月11日に町民約100人が集まり審査を行った。実行委では、入賞作品を一冊にまとめて発行する予定。(松宮一郎)


◎五稜郭公園内に移動観光案内所開設

 函館市と函館国際観光コンベンション協会は1日、函館五稜郭公園の「一の橋」付近に移動観光案内所を開設した。毎年、観光客でにぎわうこの時期に開設し、観光客らに観光パンフレットや地図を配るなどして情報提供に努めている。

 市内の主要観光施設の紹介や、地図のほか、外国人観光客向けの英語版のパンフレットを用意。観光客らの照会に応じ、市や同協会の職員、ボランティアガイドが、バスや電車の乗り継ぎ方法や道順の説明を行っている。

 スタッフは「サクラを楽しみにして来たという観光客の声を多く耳にするが、函館にはほかにも多くの魅力がある。心を込めて地元ならではの情報を提供していきたい」と話していた。三重県から娘と観光で訪れた瀧笑子さん(58)は「ガイドブックを見ながら五稜郭公園を散策したい」と笑顔で話していた。観光案内所は5日まで開設し、午前10時―午後3時まで。(黒田 寛)


◎メーデーで連合、全労連が雇用の確保訴えデモ

 「メーデー」の1日、函館地区連合(荒木敏安会長)と全労連・函労会議(佐々木正美議長)が函館市内でそれぞれ大会を開いた。参加者は格差社会の是正や雇用の確保、平和社会の実現などを訴え、横断幕やプラカードを掲げてデモ行進した。(森健太郎、田中陽介)

 函館地区連合の第81回メーデーは千代台公園中央広場(千代台町)で開かれ、主催者発表で52団体、1688人が参加。荒木会長は「労働者の多くは賃金や退職金がカットされ、医療や年金など将来への不安を抱えている。働く者の雇用と生活を守り、福祉型社会の実現に向けて活動を強化しよう」とあいさつ。

 式典には西尾正範市長や地元選出の道議、市議らも出席。西尾市長は「天候も政治も不順で先が見えない状況だが、今年は箱館奉行所の開所や東北新幹線新青森開業など明るい材料もある。みんなが連帯して安心な社会をつくっていこう」と呼びかけた。

 続いて雇用の確保や創出、労働者の待遇改善、参院選の勝利を目指すメーデー宣言や特別決議を採択。全員で「頑張ろう」を三唱した後、参加者は「核兵器の廃絶を」「派遣社員の雇い止め反対」などと書かれたプラカードを手に市内を行進した。

 はこだてグリーンプラザ(松風町)で開かれた全労連・函労会議の第81回メーデー函館大会には50団体、約400人が集合した。佐々木議長はあいさつで国鉄闘争に触れ、「23年間の地道な闘いの積み重ねでようやく解決のめどがついた。国鉄の長い闘いのように一歩でも前進して雇用や生活、平和の問題を解決できるよう連帯して闘っていこう」と呼びかけた。

 函館市の布谷朗労働政策室長と共産党函館地区委員会の高橋佳大委員長ら来賓のあいさつ後に、雇用拡大や社会福祉の充実、格差解消などを盛り込んだ大会スローガンと大会宣言を採択。佐々木議長を先頭にデモ行進し五稜郭公園を目指した。