2010年5月23日 (日) 掲載

◎リンゴの摘花楽しむ 七飯で「農業体験会」がスタート

 【七飯】七飯町の農業者でつくる「アグリネットななえ」(宮田宏之会長)主催の「ななえで遊ぼう!農業体験会」が22日、同町大中山の冨原観光果樹園「トトロの里」で始まり、家族連れら約60人がリンゴの摘花作業を楽しんだ。  農業体験会は七飯町の農業を近隣住民に知ってもらおうと、2005年から始まった。農作業や収穫作業などを中心に10月までアグリネットの会員農家の畑を活用して計7回の体験が行われる。

 摘花は、一つの花に養分を集めるために、中心花を残し、その外側の花を摘み取る作業。体験会では、宮田会長が摘花の狙いや作業方法を説明し、「おいしいリンゴを作るための大事な作業」と語った。

 その後、参加者は摘花作業を体験し、リンゴの木の枝先にあるつぼみ状態の花を摘み取った。父親に肩車をしてもらい花を摘む幼児や脚立に上って歓声を上げる児童も見られ、青空の下で終始なごやかに体験が行われた。

 祖父母らと一緒に来た函館桔梗小2年の西村拓人君(8)は「脚立に上っていっぱい摘みました」、七飯大中山小1年の簗瑞稀君(6)と妹の優羽ちゃん(3)は「面白かった」と笑顔を見せていた。

 次回は6月12日に同果樹園でリンゴの実すぐり(摘果)体験が行われる。(鈴木 潤)



◎はこだて観光俳句の入賞作発表 優秀賞に埼玉の斎藤君ら10人

 函館国際観光コンベンション協会は、2009年度に観光名所などで募集した「はこだて観光俳句」の入賞作品を発表した。優秀賞には埼玉県の中学生、斎藤文人君(14)の「函館の夜景を心のシャッターで」など10句が選ばれた。

 同協会は函館の観光振興を目的に、02年度から「函館の四季」をテーマに観光俳句を募っている。五稜郭タワーや函館山山頂展望台など市内7カ所に応募箱を設置し、今回は道内から鹿児島までの564人から計775句が寄せられ、優秀賞10句や入選30句を選んだ。

 本年度は観光客の入り込み減の影響などで、投句は昨年に比べほぼ半減。箱館奉行所のオープンを前に五稜郭への関心が高かったほか、夜景や西部地区など函館の風土や文化を題材にした句も多かった。道南からは入選作品に8人が選ばれたが、優秀賞には該当者がいなかった。

 投句者は12―93歳までと幅広く、入賞句には最年少の12歳の「着ぶくれた人々集う赤レンガ」、「歳三の背中にうつる星ひとつ」も選ばれた。審査に当たった函館俳句協会の杉野一博会長は「今年は俳句作品としての仕上げが上手な作があり、楽しく拝見できた」と評している。  入賞者には函館の特産品が贈られる。本年度の作品も市内の観光施設などで来年3月まで募集している。(森健太郎)

 斎藤さん以外の優秀賞は次の通り。(年齢は応募当時、敬称略)  ▽炎天を港へ落とす基坂=埼玉県、柿沼克紀(47)▽冴え返る枝切りの音五稜郭=静岡県、澤田英美(42)▽帰る雁夢おいてゆく湾の面=札幌市、中村芳美(45)▽北帰行元旦の月ついて来る=鹿児島県、大八木照行(58)▽また来よう函館山でちかう春=神奈川県、大場周子(30)▽イカ刺しは冬空よりも透き通る=埼玉県、藤田麻友(26)▽海風と市電で走る港町=埼玉県、田島多佳子(45)▽梅雨寒し倉庫の中のレストラン=神奈川県、宇都宮巴弥(93)▽吹雪いてもなお歩きたい函館を=千葉県、堀田ゆみ子(60)



◎がん体験者が患者の悩み聞きます 市立函館病院

 市立函館病院(木村純院長)は6月、がん体験者ががん患者の相談に対応する「ピアカウンセリング」を実施する。同じ痛みを共有する仲間(ピア)が話を聞くことで、当事者ならではの痛みや苦しみ、悩みなどを理解し、適切なアドバイスにつなげる。相談者は、がん患者・家族会「元気会」(会員50人、斉藤佐知子代表)の会員が協力する。ピアカウンセリングの実施は道南では初めて。

 地域がん診療連携拠点病院の同院には、がん相談支援センター・がん相談室(1階)が置かれており、これまでにも看護師の八幡範勝センター長が患者の相談に対応してきた。しかし「共感はできるが、患者自身の悩みのすべてを分かることはできない」(八幡センター長)と限界を感じていた。

 元気会はこれまでにも、患者との勉強会や講演会などを通して活動してきた。同院は、この経験などを高く評価し協力を求めることに。毎月1回、会員1人が、同院のがん相談室に詰めることになった。同会事務局の工藤美奈さんは「最初は情報をどこから得たらいいか分からなかったり、治療に不安を持つ人もいる。治療への手助けになれば」と話す。

 道内でピアカウンセリングは、20カ所あるがん拠点病院のうち、札幌市と北見市の3施設で行われてきた。道南では初めての設置となり、八幡センター長は「『自分のことを分かってもらえた』という気持ちで、より前向きに治療に取り組めるようになるのでは」と期待する。

 開設日は祝日を除く毎月第3水曜日で、初回は6月16日。時間は午前9時から正午まで。相談時間は基本的に1回30分で、料金はかからない。事前に電話または来院して申し込むと待ち時間がない。問い合わせ、申し込みは同院がん相談室TEL0138-43-2000。(小泉まや)


◎川村氏が道議選出馬へ 渡島選挙区

 【松前】自民党の前道議、故川村正氏の二男で元道職員の川村主税(ちから)氏(39)が22日、任期満了に伴う来春の道議選渡島選挙区(現定数3)から出馬することを表明した。支持者ら約350人を前に、支持拡大を訴えた。参院選後に民主党からの公認獲得を目指す考え。

 松前公園で観桜のつどいを開き、表明。川村氏は「鳩山首相と父は交流があり、現在、私は秘書として勉強している。鳩山首相についていくことが道南、北海道のためになる。父親は自民党。みなさんもいろいろ考えはあると思うが、渡島西部から道議を出さなければならないという思いで、後押しをお願いしたい」と述べた。漁業を中心とする一次産業の発展や、新幹線を活用した観光振興などを公約に掲げている。

 疋田清美後援会長は「後援会の輪を広げていきたい。みなさんの力を貸してもらいたい」と支持を呼び掛けた。

 川村氏は松前町出身。函館高専卒。1991年道開発局入り。94年から道職員。現在は鳩山由紀夫首相の秘書を務めている。(松宮一郎)


◎野外劇、成功させよう! キャストら結束誓う

 市民創作「函館野外劇」の会(フィリップ・グロード理事長)主催の「第23回市民創作函館野外劇 星の城、明日に輝け」の関係者、キャストが一堂に会するパーティーが22日夜、函館国際ホテル(函館市大手町5)で行われた。7月9日の開幕に向け、パーティー参加者は野外劇への思いをより強めた。

 冒頭、欠席したグロード理事長に代わり、家口利明事務局長が「創作劇にかける理事長の熱い思いを受け止め、全員で成功を目指しましょう」とあいさつ。会場では大きな拍手が沸いた。来賓の函館中央病院、辻繁事務部長も「野外劇の舞台となる五稜郭は有形文化財。野外劇は個人的には無形文化財だと思っている。無事に成功させましょう」と語った。

 東京から駆けつけたデザイナーで、野外劇の美術スーパーバイザー、土屋茂昭さんの発声で乾杯が行われ、浜野幸子市議会議員も応援のあいさつをした。演出家の木村かなえさんは「本番に向け、けいこも本格的になってきている。当日は、多くの人に見てもらいたい」と抱負を語った。(黒田 寛)