2010年5月24日 (月) 掲載

◎プレミアム商品券発売 「1割得に」朝から長い列

 函館商工会議所が発行するプレミアム(割り増し)付き商品券が23日、同会議所や百貨店など市内12カ所で一斉に発売された。各販売所には開始と同時に長い列ができ、初日だけで全体の約7割、2億円以上がさばけた。同会議所は「まずまずの出足で、市民の消費行動につながる一定の効果があった」としている。

 商品券は今年7月の箱館奉行所オープンを記念して、昨年に続き計3万セット(額面総額3億3000万円)を発行。一枚1000円の11枚つづりの1セットが1万円で、プレミアム率は10%。市内のスーパーやコンビニ、飲食店など1000店以上で7月末まで使える。

 棒二森屋(若松町)では、午前10時の開店前から約150人が列をつくり、ピーク時の同10時半ごろには売り場のある別館7階から3階まで600人以上が並んだ。テーオーデパート(梁川町)も開店前に約800人が店を取り囲むように詰め掛け、オープンを15分早めて来店客を誘導した。

 一方、プレミアム率が昨年より5%低下したことで「午前中の客足は昨年以上だったが、盛り上がりはいまひとつ」(百貨店関係者)との声も。多くが給料日前ということもあり「昨年は大半が(上限の)3セット購入していたが、今年は1、2セットの購入者も目立った」(大型スーパー担当者)という。

 家族3人で計9セットを買った市内の会社員、藤井司さん(44)は「結局は食料品や日用品に回ると思うが、1割のお得でも家計には大助かり。地域経済の底上げにもなるはず」と話す一方、市内のパート主婦(37)は「日曜の発売はありがたいが、給料日直前はきつい。販売期間と使える期間をもう少し増やして」と注文を付けた。

 24日は同会議所など市内3商工団体や各支所のほか、棒二森屋、丸井今井函館店、テーオーデパートで販売する。各所とも売り切れ次第終了となり、売れ残った場合は25日以降、同会議所のみで取り扱う。(森健太郎)



◎公演成功へ結束誓う 函館市民オペラの会

 11月7日に函館市民会館で開かれる、函館市民オペラの会第19回公演「リゴレット」(ヴェルディ作曲)出演者の顔合わせ会が23日、ホテルテトラ(梁川町17)で行われた。オーディションで選ばれた主要キャストと、音楽や美術、舞台スタッフら計23人が参加。昨年はリフレッシュ期間としてオーケストラを伴う本公演は行わなかったが、「2年ぶりの本格舞台に向けて一致団結し一丸で練習に励み、成功を収めよう」と結束を誓った。

 市民オペラの会は1990年に誕生。出演者やスタッフ、脚本、指揮、演出とすべて地元の有志が手掛ける。91年の第1回公演「カルメン」(ビゼー作曲)以来、昨年を除いては毎年定期公演を重ね、実力をつけてきた。

 主要キャストは木村映之さん、大村義美さん、千田彩さん、福田尚代さん、井上治さん、瀧本伸幸さん、堀川智美さん、青木靖典さん、西田恵子さん、舩矢朴郎さん、槌賀信基さん。指揮を務める函館理容美容専門学校校長の中島眞之さん(68)は「出演者はもちろん、裏方陣や観客とともに舞台の感動を味わえるような素晴らしい公演を目指したい」と意気込んでいる。

 リゴレットは、オペラ作曲家ヴェルディの名声を決定的にした中期の代表作。道化師の主人公リゴレットとその娘ジルダを巡る3幕の悲劇で、それまでのオペラには見られない、ち密な人物描写と劇的な場面展開により、後世に多大な影響を与えた。同会では今月からキャストの合唱の練習をスタート。6月中旬からはオーケストラのメンバーも顔をそろえる。(田中陽介)



◎「森林再生へ」願い込め植樹 人見保育所の園児ら300人参加

 【七飯】2004年9月の台風18号で、倒木被害を受けた山林の回復を図る植樹祭が23日、七飯町軍川のカリマ国有林で行われた。森づくり団体や人見保育所の園児、一般ボランティアら約300人が参加。「元気に育って、動植物や住民の暮らしを見守って」と植樹活動に汗を流した。

 「美しい森林(もり)づくりの集いin大沼―北海道洞爺湖サミット記念植樹祭―」と題し開催。二十一世紀の道南の森林(もり)づくり事業実行委(武下秀雄委員長)と道森林管理局函館事務所が主催した。

 場所は大沼から8キロ南西の標高500メートル付近。開会式で中宮安一町長らがあいさつし、専門家の手ほどきで0・8ヘクタールにミズナラ1850本を植えた。

 曇りがちだったが、時折青空がのぞくと「さわやかで気持ちいい。心地良い風だ」と参加者の声が弾んだ。植樹後は森林浴を楽しみながら弁当を味わい、広場では、木製フルートや三味線などの音楽コンサートが繰り広げられ、盛り上がった。

 同級生3人で参加した函館水産高2年の作道奏太君(16)は「先生に誘われて参加を決めたが、今日は本当に来て良かった。森林が回復しつつある様子を把握し、植樹の重要さを感じることができた」、人見保育所の土屋百母(もも)ちゃん(5)は「木がぐんぐん伸びてほしい」と笑顔を見せていた。

 植樹後には、1850本の苗木の状態を実行委メンバーが丁寧に確認。武下委員長(69)は「子どもから年配者まで多くの協力で大規模な植樹ができた。ありがたい」と話していた。(田中陽介)


◎楽しいイベント満喫 恵山つつじまつり

 22日に開幕した「第42回恵山つつじまつり」(実行委主催)の各種イベントが23日、函館市柏野町の恵山つつじ公園で開かれた。午前中から霧雨が降るあいにくの天候の中、市民や観光客ら約2500人が海産物の即売やキャラクターショーなどを満喫した。

 恵山山ろく一帯にはエゾヤマザクラやサラサドウダンツツジなど約60万本が自生しており、毎年5月下旬から6月上旬が見ごろとなる。今年は春先からの低温続きが影響し、現在は「数本の木でわずかに花が咲いているが、ほとんどはつぼみに色がついている程度」(同実行委)にとどまっている。

 まつり会場では地元で「バキバキ」と呼ばれる新鮮な根ボッケをはじめ、甘エビ、コンブなどの新鮮な魚介類の即売会やヒーロー戦隊のショーが人気を集めたほか、子どもたちは無料で行われたカニ釣りなどを楽しんだ。

 市内御崎町から訪れた長橋京子さん(62)は「ツツジの咲きは昨年よりも遅いけど、これからが楽しみ」、同恵山町の松井美雪さん(57)は「地元のおいしい食べ物が買えて、人が集まるのが楽しい」と笑顔で話していた。

 つつじまつりは6月6日まで開催され、期間中は出店などが並ぶ。実行委によると、ツツジは今月末に見ごろを迎えるという。(千葉卓陽)


◎わっとな「障害児に憩いの場を」

 函館市内のNPO法人みんなのさぽーたーわっとな(山口照美代表)が5月から、市の委託を受けて障害児の日中一時支援施設「フリースペースすきっぷ」を同市鍛治2に開設した。障害のある子どもの放課後などに憩いの場を提供し、保護者の休息や就労を手助けする。

 同法人は2006年に発足し、障害児の余暇の充実を図る活動を行ってきた。08年には函館亀田小学校内に学童保育所「らるご」を開設した。

 日中一時支援は障害者自立支援法に基づいて市が任意で実施している事業。「すきっぷ」を含め市内には11カ所ある。基本的に保護者が働いていることが入所条件になる学童保育と違い、週に数回、数時間だけでも利用できる上、中学・高校生まで受け入れられる。

 同法人は「小学校卒業後も受け皿は必要。土曜や長期休暇の利用ニーズにも応えたい」と2年前から受託を希望していた。従来も事務所を開放して日中一時支援と同様の事業を独自にやっていたが、定員は3人と少なく、保護者の利用料負担も多かった。市の委託を受けることで、介護福祉士や保育士の支援員4人を配置して10人まで受け入れ可能となり、利用料は同法に基づき、従来よりも負担が軽減された。

 利用対象は日中一時支援の給付を受けている知的障害または発達障害のある幼児から高校生まで。放課後や土曜日、夏休みなどの長期休暇に午後6時まで預かる。3LDKの民家を改装した施設にはプレイルームやDVD・パソコンルームなどを設けた。今月下旬から利用する男児(8)の母親(40)は「放課後は家で過ごすことが多く、他の人と接する機会が少ない。親もひと息つきたいし、こういう場があると安心する」と話す。

 山口代表は「家庭的な雰囲気で楽しく過ごせる空間にするため、子どもたちがもっといろんなことができるよう活動の幅を広げたい」とし、支援員を補助するボランティアを募集している。問い合わせは同法人TEL090・9433・7001。(宮木佳奈美)