2010年5月5日 (水) 掲載

◎新鮮野菜 大人気 仕入れ、販売…大学生が産直市

 函館市内の大学生による野菜産直市「HAKODATE MARCHE〜こだわり野菜のやおやカフェ」が3、4の両日、同市本町の「Old New Cafe」で開かれた。市内近郊の農家によるこだわりの無農薬野菜などが同店のテラス部分にカラフルに並べられ、道行く市民の関心を集めていた。

 道南地域の農業と漁業の活性化を目的に、地産地消のさまざまな取り組みを行っている大学生プロジェクトチーム「famfam(ファムファム)」が初めて開催。自ら足を運んで仕入れ交渉をした道南5農家の手によるジャガイモやホウレンソウ、ヤーコンなど約10種類の野菜を販売した。

 中でも朝取りのアスパラガスは生で食べてもおいしい逸品で、1束500円と市価の倍近い値段ながら、あっという間に売り切れた。また雪の下で熟成された越冬ニンジンは規格外の大きさのため市場には出回らないが、果物のカキのような甘味がありこちらも人気を集めていた。

 ジャガイモやホウレンソウなどを買い求めた市内の50代の女性は「安全でおいしい野菜なら、多少値段が高くても買う価値がある。このような活動は継続してほしい」とエールを送っていた。

 プロジェクトメンバーの吉家寿明さん(道教育大函館校4年)は「予想以上に多くの人たちが足を運んでくれてうれしい。今後は毎月第2、第4土曜日に定期的に開催していくので、さらに多くの農家の協力が得られるように努力したい」と話していた。次回の産直市は22日に予定している。(小川俊之)



◎「気をつけて」「元気でね」 Uターンラッシュピーク

 ゴールデンウイークを古里や行楽地で過ごした人たちのUターンラッシュが4日、函館でもピークを迎えた。JR函館駅や函館空港は、大きな荷物やお土産などを抱えた家族連れなどで終日混み合った。札幌方面に向かう国道5号でも一部で混雑が見られた。

 JR函館駅は札幌や青森・八戸両方面に向かう人でごった返し、「気をつけて」「元気でね」などと互いに声を掛け合う姿が見られた。4日は両方面ともほぼ満席。5日も八戸行きはすべて満席で、札幌行きは若干の空席があるという。仙台市から観光で訪れた小松けい子さん(61)は「函館山などに行った。時間があればもっと回りたかった」と名残惜しそうだった。

 函館空港でも終日混雑が続いた。航空各社によると、4日の本州方面行きはほぼ満席で、5日はすべて予約で埋まっているという。

 道路では函館から札幌に向かう国道5号が込み合った。道警交通部交通管制センターによると、西大沼を先頭に大沼トンネル付近まで最大約4キロの渋滞が発生した。釧路から来函していた吉田節子さん(58)は「釧路に帰るのは、道路の混み具合が緩和しそうな明日にする」と話していた。

 また4日の津軽海峡フェリーは車で乗り込む人が目立ち、ほぼ全便で約8割の乗船率だった。函館―札幌間を走る高速バス「はこだて号」は4、5の両日とも満席という。各社によると交通機関の混雑は5日まで続く見込み。(黒田寛、山田孝人)



◎高卒者の就職率78.5% 7年ぶり80%割れ 

 函館公共職業安定所は、3月末現在の高校卒業者の就職状況をまとめた。就職率は前年同期を3.5ポイント下回る78.5%にとどまり、過去10年では米同時多発テロに伴う不況が影響した2002年度以来、7年ぶりに80%を割り込んだ。世界同時不況の余波で道外の製造業の求人が急減したのが要因で、「超氷河期」ともいわれる高校生の厳しい雇用情勢が浮き彫りになった。

 高校生の就職率は03年度以降、緩やかな上昇傾向にあったが、08年秋のリーマンショックで全国的に求人を手控える動きが加速。例年、内定を得られない地元志向の強い生徒の就職をカバーする役目を果たす道内や道外企業の求人も鈍く、数字を押し下げた。

 同職安管内(渡島・桧山)の高卒者は前年並みの4144人。このうち就職希望者は前年同期比11.7%減の939人と過去10年で初めて1000人を切った。ただ、「本来は就職を希望していたが、内定が得られずに途中で進学に切り替えた生徒も多い」(同職安)のが実態だ。

 3月末までに就職が決まったのは同15.6%減の737人。未就職者は同5.8%増の202人に上り、7年ぶりに200人を超えた。求人数は全体で同27%減の1173人となり、過去最大の減少幅となった。内訳では道外が同43.3%減の395人と激減し、道内が同24.7%減の149人、管内が同11.5%減の629人だった。

 同職安によると、高校生は就職先として地元志向が強い半面、地元企業は長引く景気低迷で求人の手控えが目立ち、求人があっても即戦力を求める傾向が強いという。業種別では慢性的な人材不足の介護職など「医療・福祉」で求人が伸びたものの、高校生の多くが希望する製造業や事務職などは大幅に減り、雇用のミスマッチも深刻だ。

 同職安は「一度フリーターやニートになってしまうと、採用する企業側の印象も悪くなり、正社員採用への道がさらに険しくなる。スキルアップを図るための職業訓練なども紹介できるので、未就職者はハローワークに来て求職活動を続けてほしい」と話している。(森健太郎)


◎健康増進センターの新制度が好評、利用者増える 

 函館市総合保健センター(五稜郭町23)4階にある健康増進センターの2009年度の利用人数は、延べ3万2649人となり、前年度比5.2%(1612人)増となった。昨年度、設置以来初めて利用形態を変更し、料金を手ごろな1回400円としたのが奏功した。市立函館保健所健康増進課は「幅広い年齢層を対象に、運動のきっかけ作りの場として活用が進んでいる」とする。

 同センターは2004年に開設。08年度までは健康測定や25回の運動がセットになった「健康づくりコース」(5600円)のみだったが、受け入れ可能な人数が限られていたことから、希望しても利用できない人がいた。利用者が限定されることで延べ利用人数は伸び悩み、06年度(3万6145人)から07、08年度にかけては、約2000人、約3000人のペースで減少が進んでいた。

 新たな制度はこうした状況を打開しようと導入した。個人利用のほか、フィットネスルームやストレッチルームを専用使用できる時間枠を設置。男性のメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)対策講座「メンズメタボ健康塾」など、数種類の保健所事業もスタートさせた。

 増加の理由について同課は「自分が運動したい時に合わせて利用できるためではないか」と話す。20―30代の若者の利用は、07年度から09年度にかけて全体の9.1%から12.4%に増加。さらに料金を一般の半額(200円)とした65歳以上も、同43.9%から47.4%となった。  利用料金のみで参加できる運動プログラムも設けており、「もっと本格的に取り組みたい」との理由で民間のスポーツ施設利用へ移行した市民もいたという。同課は「今後も利用者からの意見を取り入れ、より使いやすい施設にしたい」と話している。問い合わせは同センターTEL0138-32-1511。(小泉まや)


◎桜前線が本道上陸 松前のソメイヨシノ開花

 【松前】松前町と日本気象協会は4日、松前城資料館の前にあるソメイヨシノが開花したと宣言した。例年よりも遅れて北上していた桜前線がついに道内に上陸した。

 同協会によると、道内の観測地点で開花が確認されたのは初めて。松前町では平年(4月30日)より4日遅く、昨年(4月28日)より6日遅い開花となった。

 さくらまつりが開かれている松前公園は、この日も大勢の花見客でにぎわった。札幌から訪れた佐々木洋一さん(59)と洋子さん(58)の夫婦は「毎年連休に光善寺に墓参りに来ているが、サクラが満開ではなかったのは久しぶり。でもソメイヨシノの開花日に来れて良かった」と話していた。

 松前観光協会の疋田清美会長は「今年のサクラは芽の数が多く、つぼみも大きい。過去にないくらいのきれいなサクラが楽しめる」と話す。町商工観光課によると、ソメイヨシノの見ごろは7日から14日ごろ。(松宮一郎)