2010年5月7日 (金) 掲載

◎函館と江差で開花宣言

 サクラ開花の便りが次々と届き始めた。函館海洋気象台は5日に函館の開花(ソメイヨシノ)を、6日は日本気象協会道支社が江差の開花(同)をそれぞれ発表した。函館の開花は平年より2日、昨年より10日遅く、江差の開花は平年より3日、昨年より6日遅かった。

 函館は五稜郭公園にある標本木で数輪の花が開いたのを同気象台の職員が確認。江差は同協会から委託を受けた同町職員が旧江差測候所の標本木で確認した。

 五稜郭公園では6日午後、冷たい風が吹く曇り空の下、シートに座り弁当を広げながら花見を楽しむ市民の姿が見られた。市内八幡町から訪れた主婦佐伯陽子さん(57)は「今度の週末に北見から親せきが来るので、ちょうど満開になってほしい」と話していた。(山崎純一)



◎開花が遅れ減少、落部IC延伸で車多く…道南GW観光客

 今年のゴールデンウイーク(4月29日―5日)は前半に雨が続いたが、後半は天候に恵まれ、高速道路の自動料金収受システム(ETC)割引や、道縦貫自動車道(道央道)が落部インターチェンジ(IC、八雲町東野)まで延伸した効果で、車で訪れる観光客が目立った。一方で、サクラの開花が昨年より10日遅れた影響で、道南各地のサクラの名所では人出が3―5割程度減少し、開花状況に一喜一憂する連休となった。

 ネクスコ東日本道支社によると、4月28―5月5日の道央道の1日当たりの利用台数は12万7424台で昨年比6.9パーセント増。一般道は道警交通部交通管制センターによると、1―5日の国道5号が終日混雑し、3日は七飯町大沼から森町赤井川まで約6キロの渋滞が発生。同センターは「ICが落部まで延びたことで、利用車が道央道と国道5号に分散化した」とみる。

 空の便は、航空各社とも函館と本州方面を結ぶ便が1―5日の連日ほぼ満席状態。JRは東北方面と道内を結ぶ特急が、昨年を1割上回る6万7300人だった。

 函館市内の観光名所・施設では、函館山ロープウェイの搭乗者数が5万6329人と昨年並み。金森商船は「入り込み数は昨年並みだが、臨時駐車場が常に満車だったので車で訪れる客が増えた。サクラの開花が遅れたことで金森レンガ倉庫群に観光客が流れてきたのでは」と推測する。五稜郭タワー展望台は搭乗者数が5万5929人と昨年より2割減。同社は「北広島市にオープンしたアウトレットモールに人が流れたせいか、札幌方面からの観光客が減った」と話している。

 一方、サクラの名所は人出がいまひとつ。五稜郭公園は8万4687人で昨年の16万2900人から半減。函館公園は3万4705人、松前さくらまつりが開かれている松前公園は8万3600人で、いずれも昨年を3割前後下回った。さくらまつり実行委は「開花が遅れたという情報が広まって入り込みが少なかった。今週末にはソメイヨシノが満開になるので期待してほしい」と来場を呼び掛ける。3日から「もりまち桜まつり」が始まった森町はまだ開花せず、5日までの人出は青葉ケ丘、オニウシ両公園を合わせ3万4000人程度。実行委は「昨年より1日当たり1000人ぐらい少ない。ラジオの公開生放送がある9日には開花してほしい」と願っている。



◎10日到着分まで→来月上旬振り込み…子ども手当て

 函館市は6日までに、「子ども手当」の初回支給日の見通しを立てた。10日到着分までの書類で不備がない場合、同市の1回目の支給日となる6月上旬に指定の口座に振り込まれる。その後の受け付け分は認定時期により6月末、7月末の振り込みとなる予定。市子育て支援課は「焦る必要はないが、早めに出してもらえると手当が早く手元に届く」と話している。

 同手当は中学3年生までの子ども1人につき、一律で月額1万3000円を支給する。請求書など関係書類を提出する手続きをしなければならないのは、新規に対象となる場合と、世帯内で支給される人数が増える場合。同市では合わせて約6000世帯が対象で、市は既にお知らせ文や請求書、申請書類を送り返す時に使用する返信用封筒を関係世帯に発送した。

 対象世帯から市への返送は4月19日からあり、6日までに3751件が到着。職場で手続きを行う公務員世帯数は把握できていないが、対象者の半数以上は既に申し込んだことになる。

 到着する請求書は毎日100―200件のペースで推移しており、土・日曜日や連休の後は300―400件になるという。同課では担当職員が毎日、届いた書類をチェックしたりデータを打ち込むなど、受け付け作業に追われている。

 同課は「順調なペースで申請が来ている」と受け止める。一方で、中には健康保険証の写しなど添付書類や連絡先の記載がない場合もあり、このような時には請求を認定する手続きが遅れる恐れもあると指摘する。  支給方法は基本的に、指定された口座への振り込み。正確な支給日は今後、金融機関が決定する。市は5月末到着分までは6月末に、6月末到着分までを7月末に支給するよう調整中だ。 (小泉まや)


◎函館市2年連続銀賞…日本観光ポスターコンクール

 函館市が作成した2010年度版観光ポスターが、日本観光協会主催の「日本観光ポスターコンクール」で銀賞(日本交通文化協会理事長賞)に選ばれた。入賞は2年連続で、銀賞は2005年度以来5年ぶり。市は受賞を機に、観光客の増加に期待を寄せている。

 同コンクールは1947(昭和22)年に開始。全国各地の自治体や観光協会、民間企業などが出品してポスターの出来栄えを競っている。本年度は268点、444枚の作品が寄せられた。

 受賞したのは2枚組ポスターのうち、冬季版として作られた「函館ミッドナイト」。夕暮れ時の暗みがかった青い空と、ハリストス正教会をとらえた1枚。「そぼ振る群青(ぐんじょう)色」のコピーとともに、ペンライト風の文字で描かれた「HAKODATE」のロゴが特徴だ。

 市は昨年度からポスターのデザインを公募しており、昨年度は函館出身のデザイナーが作成した2枚が入賞に選ばれている。

 本年度のポスターを手掛けた市内梁川町の広告制作会社「ブルーム・エー」の岡田暁代表は「落ち着いた雰囲気を出し、函館の魅力がにじみ出る雰囲気をつくった。手応えはあったが、全国に認められてうれしい」と、銀賞の知らせに笑顔。市観光コンベンション部の鈴木敏博部長は「ロゴと色遣いを重視した。ポスターが観光客を呼び込むきっかけになってくれれば」話している。(千葉卓陽)


◎ラーメン店 12日閉店

 函館市本町4のラーメン専門店「満龍」が12日の営業を最後に閉店する。先代店主が開店して40年。1980年からは店主の大場宅二さん(62)と妻のクミさん(58)が30年間、のれんを守り続けてきた。2wは「不況で売り上げが減少していたとき、青森の姉から店を手伝ってほしいと連絡を受けた。今が潮時と思い決断した」と語る。市民らに親しまれた老舗の看板が惜しまれながら下ろされる。(小杉貴洋)

 会社員などを経て、大場さんが料理の世界に飛び込んだのが40年前。以来、修行を積み、親類が経営する「満龍」を継いだ。「真面目にコツコツと、地元を大切に」をモットーに、夫婦二人三脚で店を切り盛りしてきた。自慢の味噌カレー牛乳ラーメンは、特製味噌にカレー粉や牛乳などで味を仕上げた一品。市民や観光客だけでなく芸能人がお忍びで通うほど人気となった。

 大場さんは「30年間はあっという間だった。とにかくおいしいものを食べてもらいたいと無我夢中だった」と振り返る。そんな中でも2人は「長年、店を愛してもらったお客さんとのつながりが一番の財産」と笑顔をのぞかせる。

 お盆や正月、ゴールデンウイークなど帰省のたびに来店する客も多い。閉店を知った客は「ここがなくなったら函館に来る機会も減るね」などと話し、来函中は毎日訪れる人もいるという。

 大場さんは閉店後、青森市内にあるクミさんの姉が経営するラーメン店を支えていくという。将来的には息子の聡さん(37)も移住し、店を盛り上げていく予定。「ここに通ってくれたお客さんにはとても感謝している。青森に行っても同じ味を提供していきたい」と話す。

 同店では、8―12日の5日間、1日300食限定でラーメン(味噌、塩、しょう油)を300円(通常650円)で提供する。営業時間は午前11時―午後10時。問い合わせは同店TEL0138-54-1088。