2010年6月1日 (火) 掲載

◎物産展で函館の商品 人気

 函館物産協会(石黒義男会長)は2009年度の取り扱い高をまとめた。全国各地の百貨店で開かれた物産展での取り扱い高は過去最高の24億5648万円で、4年連続で20億円の大台を維持した。また02年度に初めて15億円を突破して以来、8年連続で増加を続けている。同協会事務局は「地方での物産展では毎年楽しみにしてくれるリピーターも多い。年を追うごとに信頼も増して取り扱い高に表れているのでは」としている。

 同協会は1957年に創立。現在は水産加工品や海産物などを取り扱う業者を中心に、正会員68社、賛助会員11社で構成されている。

 昨年度は全国各地で開かれた道主催の「北海道の物産と観光展」が33会場、百貨店主催の物産展が197会場などを合わせて、延べ237会場に参加した。

 同協会事務局によると、近年は春や秋の2回開催のほか、会期も数十日間まで延長して集客を伸ばす傾向が強いという。また客を飽きさせないため、1回の会期中に店自体や商品を入れ替える場合も多い。そのため参加店1店舗あたりの経費も増加傾向にあるという。

 函館の製品はコンブなど海産物やマメが人気という。同協会事務局は「冬に物産展を開催した場合、正月用料理に使う素材を買う場合が多く、函館の商品は人気が高い」と話す。また若者や女性をターゲットにしたスイーツも各地で高い評判を得ている。

 同協会事務局は「昨年度の海外開催は1回のみだったが、今後は販路拡大のために一層海外に目を向けていきたい」と話している。(山田孝人)



◎「父の日」商戦本格化

 20日の「父の日」を前に、函館市内のデパートでも商戦が本格化している。“定番”となっている衣類を中心に、ビジネス小物や近頃人気となっている食器類などを充実させ、消費者にアピール。景気の低迷で購入額は減少傾向にあるが、年に一度の感謝を伝える日に向け、各店が知恵をしぼった商品展開をしている。

 テーオーデパート(梁川町10)では、ネクタイ、ベルトなどのビジネス小物を主力商品として販売。3000円―1万円前後の商品が売れ筋で、ワイシャツなどとコーディネートして贈る人も多く、少し値は張るものの3万円前後の財布も人気という。同店は「例年よりも早い時期に商品を買い求める傾向がある。高価格帯の商品も選ばれており、より品質が良いものをという消費者心理が働いているのでは」と語る。

 丸井今井函館店(本町32)は、定番化してきたポロシャツを薦めている。同店では、約20ブランドのポロシャツを用意。例年、1万円前後のものがよく売れ、下着を贈る人も増えているという。2日からは、紳士フロアを中心にギフトの売り場を拡大する予定で「3000円以上を対象に、購入者の顔写真をその場で撮影し、メッセージカードとともに贈るサービスもあるので、この機会にぜひ」とPRする。

 棒二森屋(若松町17)でも、5000円前後のポロシャツを推す。そのほか、最近は陶器やガラス製のビアタンブラーも注目されているという。同店では「3150円以上のお買い上げで送料が無料になる特典付き。期間中、シャツの人気コンテストを実施するのでぜひ来店を」と呼び掛けている。(小杉貴洋、黒田 寛)



◎山菜採り遭難 道南で相次ぐ

 道南では山菜採りに伴う遭難事故が相次いでいる。道警のまとめによると渡島・桧山管内では今年に入り5件の遭難が発生。このうち2人が死亡。1人が行方不明のままだ。今月上旬には遭難が最も集中するタケノコ採りも本格化するため、道や道警が警戒を呼び掛けている。

 道警によると5月31日現在、全道で発生した遭難は26件(計31人、死者4人、行方不明1人、負傷4人)。30日までに遭難した28人のうち50歳以上が24人。70代が最多の12人。札幌市では99歳男性が滑落する事故もあった。道警は「今年は雪解けが遅く山菜の成長が遅い。山菜を求めて山奥に入り迷うケースが多い」とする。

 このうち渡島管内では、3月24日に福島町で70歳男性が、ヒグマと遭遇して逃げる際に滑落して負傷。5月11日には函館市で道に迷った85歳女性が死亡。同24日には八雲町でタケノコ採りをしていた78歳男性が一時行方不明になった。桧山管内では同19日、厚沢部町でアイコ(イラクサ)を採りに出かけた77歳女性が行方不明になったまま。同30日には奥尻町でタケノコ採りをしていた52歳女性が死亡した。

 相次ぐ遭難を受けて渡島総合振興局は、ホームページ上で注意喚起を始めた。山菜採り5か条として@行き先や帰宅時間を家族に知らせるA単独入山を避けて2人以上で声を掛け合いながら位置を確認するB服装は目立つ色でC携帯電話、非常食、クマよけの鈴やラジオを携行するD迷った時は落ち着いて行動―をPRしている。

 胆振管内むかわ町では同22日、山菜採りの男性がヒグマに襲われ死亡する事故も発生。同局はヒグマによる人身事故を避けるため、町役場や駐在所などでヒグマの出没情報を確認することを心掛けるなど「慣れた場所でも油断は禁物。事故防止を心がけて楽しい山菜取りを」と呼び掛けている。

 また、毎年のようにタケノコ採りに伴う遭難が多発する上ノ国町は本年度、捜索費用の実費請求制度を施行するなど対策を強化。遭難が相次ぐ6月は“厳戒態勢”を取る江差署は「高齢者が遭難した場合は生命の危険に結び付くケースも多い。捜索は初動が肝心。行方不明になった際には速やかに届け出て欲しい」としている。(田中陽介、松浦 純)


◎参院選への影響注視 社民党連立離脱で各政党

 社民党が米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題をめぐり、連立政権から離脱した。7月の参院選まで約1カ月前とあって、道南の民主党関係者は参院選への影響を懸念する声が上がっている。野党側も鳩山由紀夫首相の対応を批判する一方、今回の連立離脱が道南での得票にどう影響を及ぼすか注視している。

 道8区の民主党幹部は「連立離脱は大変残念」とした上で「外交・防衛政策以外に共通認識の課題は多く、一事が万事にしないでほしい」。道選挙区に藤川雅司、徳永エリの両氏、比例代表に板倉一幸氏(前函館市議)が出馬する参院選への影響については「(社民党とは)これまで道内では一緒にやれてきていると受け止めている。党の方針がまだ定まっておらず、今後の影響は未知数」と様子見の状態だ。

 一方、自民党は一連の経緯を「選挙のための妥協の末のこと」と批判。党函館支部幹部は参院選に向け「有権者がどういう見方をするのかはわからないが、できれば風が流れてほしい」と話し、道選挙区に出馬する長谷川岳氏の得票増加へ期待感を寄せる。ただ、自民党政権への批判が政権交代につながっただけに「皆さんに理解していただける政党に戻らなくてはならない」と気を引き締める。

 比例代表に前道議の横山信一氏が出馬を予定する公明党は「民主党には当然大きな影響があると思うが、こちらには影響はない」(党函館総支部)と静観の構え。社民党の離脱については「一貫して沖縄県外移設を訴えており、当然の対応」と評価する。

 また共産党函館地区委員会は「沖縄県民の総意はゆるがないので、社民党の動きは県民の心に沿った行動」とみるが「共産党が主張する基地の無条件撤去とは姿勢が異なる」とし、参院選でも“建設的野党”としての立場を貫く構えだ。(参院選取材班)


◎がん検診と健診日程 一つのカレンダーに

 市立函館保健所は本年度、検・健診日程をすべて盛り込んだ「がん検診・特定健診カレンダー」を初めて作成した。3種類のがん検診と特定健診を同時に受けられる場所や時間などを記載しており、それぞれの受診率向上を目指す。6月1日までに市内の全戸に配布した。

 同市のがん検診受診率は伸び悩んでおり、特定健診の受診率も低迷している。同保健所はこれまで個別に受けやすい環境を整えてきたが、大きな効果はみられなかった。すべての日程をカレンダーにすることで、市民が受ける日を選びやすくし、それぞれの受診率向上を目指す。

 カレンダーは、各町会で個別に実施する6―11月には月別で、実施日に場所と時間を記載した。場所は町会館のほか、市総合保健センター(五稜郭町23)、市医師会健診検査センター(湯川町3)で行う。

 肺と胃、大腸の3種類のがん検診と特定健診を同時に受けたい場合は、受診の1週間前までに保健所に申し込むと、大腸がんの検査キットなどが自宅に送られる。会場は町会別なので、自分のスケジュールと合わせ、住んでいる町内や、自宅に近い町会館を選んで受けることが可能だ。

 9、10月は、旧4町村地域の会場ごとに日程を記載。12月から来年3月分は、両センターでのみの実施となり、施設ごとの開催日と時間がわかる。このほか各がん検診の負担料金や、実施する医療機関を表にした。無料で受けられる特定健診については、国民健康保険に加入する40―74歳の市民が対象で、受診率が一定割合に達しない場合は保険料増額の可能性があることを伝えている。

 同保健所は「検診と健診の合わせて4種類を一度に受診できることは意外と知られていない。カレンダーを見て、予定に合わせて受けたい日を選んでほしい」と話している。問い合わせ、検診の申し込みは同保健所TEL0138・32・1532。