2010年6月11日 (金) 掲載

◎15日の慰霊祭を前に「鯨族供養塔」を清掃

 函館市弥生町にある「鯨族供養塔」で10日、ボランティア清掃作業が行われた。同塔に隣接する西中学校の生徒会メンバー5人をはじめ、近隣の市民や水産関係者、市職員などが参加。15日に行われる鯨族供養慰霊祭を前に、雑草などを刈り取るとともに、セミクジラをモデルにした像をきれいに磨き上げた。

 同塔は近海で捕獲された鯨類の供養を目的に、1957年に漁業関係者が建立。函館では、2004年に調査捕鯨船「日進丸」が函館に初寄港したのを機に毎年クジラを供養する慰霊祭が行われており、同塔の清掃作業はそれに合わせて実施している。

 昨年に続き、2回目のボランティア清掃への参加となった西中の生徒会長、伊藤考優(としひろ)君(3年)は「身近にある貴重な文化財を自分たちの手できれいにすることは気持ちがいい」と笑顔を見せていた。同塔の保存などに力を注いでいる市民グループ「よみがえる箱館丸の会」の澤田石久巳代表は「函館とクジラとの歴史的な関係を象徴するこの塔を、市民や漁業関係者、行政と協力しながらしっかりと守っていきたい」と話していた。

 同会では13〜15の3日間、日没から午後11時ごろまで同塔のライトアップも予定している。(小川俊之)



◎市営函館競輪の包括委託料、売り上げの上限3.5%に

 函館市は、市営函館競輪の包括委託に関し、次回契約から売上高に応じて委託料を設定する「定率方式」とすることを決めた。委託料は売り上げの3.5%を上限とし、契約期間は来年度から2015年度までの5年間。今月からプロポーザル(提案)方式で次期包括委託者の募集を行う予定で、10月下旬をめどに新たな業者との契約を結ぶ考えだ。

 10日に開かれた市競輪運営協議会(斎藤勲会長)で、市競輪事業部が示した。

 市営函館競輪は08年度から3年間、単年度4億9980万円で民間企業「日本トーター」(東京)に業務を委託。車券の販売・払い戻し、ファンサービスやイベントの実施、施設・設備の保守管理、選手宿舎の管理・運営、広報宣伝、他の競輪場や機関との連絡調整などを行っている。

 同社への委託期間が本年度で終わることから、新たに委託業者を募集。対象を函館競輪場(金堀町10)とサテライト松風(松風町10)の業務とし、委託料は売上額の3.5%を上限とした。

 昨年度の売上高(161億2648万円)を例とした場合、委託料は3.5%換算で5億6442万円、3%換算で4億8379万円となる。同部は「売り上げが上がれば委託料も増えることになるので、業者側の企業努力も必要になる」とする。

 また、これまで市が継続雇用していた、清掃や警備に当たる臨時従事員も来年度から包括委託の中に組み込む方針で、業者に対しては現在の賃金水準を下回らないことを求める。業者の募集は今月下旬からの予定で、同部の種田貴司部長は「審査委員会は学識経験者と競輪関係者で構成し、市職員を入れずに透明性を高める」としている。

 同部はまた、協議会で今月7日までの売り上げ状況を報告。5月の全日本プロ選手権記念競輪を含めた売り上げは61億8820万円で、前年同期比の約2.6倍。全プロ以外では23億4332万円でほぼ前年同期比並みを維持する一方、本場とサテライト松風の売り上げは景気低迷やファン層の高齢化などの影響から2割減となっている。(千葉卓陽)



◎救済率は最大7割…介護給付費過誤申請で厚労省

 函館市が2009年度の介護給付費・財政調整交付金を国に少なく申請した問題で、救済措置の内容を明らかにした厚生労働省の通知文が函館市に到着した。救済額は、追加で必要な金額の7割以内で、何割になるかは未定。市は6月末の期限までに、道を通して必要書類を提出する。

 道を通して9日に通知が来た。市はこれまで過小申請した金額を約1億3500万円としており、最大の7割救済されたとしても、約4000万円が足りない計算だ。

 最大7割と決定されたことに対して市福祉部の川越英雄部長は「残り4000万円という数字は重い」と受け止める一方、「全体の金額が多いことから考えると、救済してくれたことは本当にありがたい」とする。

 また不足分について西尾正範市長は、「(ソフトのアップグレード作業を行った)業者と市が負担する」方針を明らかにしている。業者との負担割合は、近く弁護士などの第三者に判定を依頼する方針。「幹部職員で連帯保証する」(西尾市長)としている市の負担分については、どの程度の役職までが負担するかは正確な金額が判明してから決定するという。(小泉まや)


◎函大惜敗、東洋大リベンジへならず…全日本大学野球選手権

 【東京】第59回全日本大学野球選手権大会(全日本大学野球連盟、読売新聞社主催)の3日目が10日、東京ドームなどで行われ、道学生野球連盟代表の函館大は2回戦で東都大学野球連盟代表の東洋大と対戦し、2―3で惜敗。2年前に敗れたリベンジはならなかった。

 1回戦を2本の本塁打で勝利した函館大。この日も小林勇希選手(2年、秋田大館工)が4回に放った大会9号の2点本塁打で一時逆転したが、エースの佐藤将太郎投手(3年、神奈川・横浜創学館)が連投の疲れで6回に押し出しの四球を与え、再逆転を許した。

 1点を追う終盤は野手の好守備や最終回の攻撃で粘りを見せるなど、優勝候補相手に最後まで全力で戦い、試合後はスタンドから大きな拍手が送られていた。(山崎純一)


◎目指せ売り上げアップ! 函館市内で中元商戦が本格化

 函館市内の百貨店のトップを切って、棒二森屋(若松町)は10日、新館アネックス7階催事場に「お中元総合ギフトセンター」を開設した。この日は午前10時の開店前に恒例の出陣式が行われ、法被姿の社員約80人が中元商戦に向けて売り上げアップを誓った。

 棒二森屋では、地産地消をテーマに4000円前後の商品を中心に約600種類を用意。道南・函館の地場産品20点の中から5品を選べる人気の「選べるギフト」のほか、消費者の節約志向を反映して15%割引の特別提供品や、1780円の持ち帰り用商品もそろえた。

 出陣式で安藤正和店長は「景気低迷で低価格志向が続く厳しい状況だが、自信のある新商品を積極的に売り込み、お客さまに早めのアプローチを」とハッパを掛け、前年比8%増の売り上げ目標を掲げた。最後に全員で「ガンバロー」を三唱した。同センターは8月15日まで。7月5日までは早期割引の特典がある。

 市内ではテーオーデパート(梁川町)が11日から、丸井今井函館店(本町)が23日から、それぞれお中元ギフトセンターを開設。テーオーでは1990円や2990円の均一価格の商品や道内のスイーツの品ぞろえに力を入れ、丸井今井では産地直送品や送料無料の商品を充実させるという。

 各百貨店によると、商戦は7月上旬ごろがピーク。函館では定番のビールやめん類に加え、地元産のソーセージやカレー、海産物の人気が高いという。一方、消費低迷の影響で主力は3000円―4000円の低価格帯が売れ筋で、各店とも早期割引や送料無料サービスなどで顧客獲得にしのぎを削っている。(森健太郎)