2010年6月14日 (月) 掲載

◎ハマナス色鮮やか 珍しい白い花も

 北海道の花「ハマナス」が、道南各地の沿岸部で咲き始めた。紅紫色の愛らしい花びらが潮風に揺れ、さわやかさを漂わせている。

 ハマナスはバラ科。海岸の砂地に多く自生し、秋にはたわわな実をつける。

 函館港「緑の島」(函館市大町)の散策路では、10日ほど前に早いものが開花。快晴の11日は開花が進み、空と海の青さに映えていた。また、緑の島には、まれに白い花が咲く「シロバナハマナス」もある。

 オーストラリアから観光で訪れた男子大学生のキャメロン・チュウさん(19)は「プリティーフラワー。きれいですね」と花びらを触り、散策を楽しんでいた。

 緑の島管理事務所によると7月ごろに満開を迎えるという。開放時間は午前9時―午後8時。(田中陽介)



◎雇用創出へ6事業計画…函館市

 函館市が9月から実施する重点分野雇用創造事業は、新規6事業を展開し計77人の雇用を生み出す計画だ。本年度は函館の同事業では初めて、民間から事業を公募して委託する「一般公募型雇用創造促進事業」も実施。市労働政策室は「民間からの公募を実施することで、地域のニーズに合った事業が展開できるのでは」と話している。

 同事業は道緊急雇用創出事業臨時特例基金を活用し、求職者に対し介護やITなど成長分野で新たな雇用を創出して、地域のニーズに応じた人材を育てることが狙い。市は11日に開会した市議会第2回定例会に提出した補正予算案に、緊急雇用創出事業として1億3630万円を計上した。

 事業は就業機会の提供と人材育成の2本柱で実施される。介護や医療、農林水産、環境、エネルギー、観光、地域社会の計6分野の中から短期の雇用・就業機会を提供する「重点分野雇用創出事業」では5事業を行い、37人の雇用を実現。成長期待分野での公募型事業を始め、街路灯発光ダイオード化に向けた調査事業、道路案内標識の効果的な配置計画検討に向けた現況調査事業などを実施する。

 短期の雇用機会を提供した上で、同事業で地域ニーズが高く今後成長が期待できると定めた、IT分野に精通した人材育成を目的とする「地域人材育成事業」では40人を雇用。地域の企業で就業するために必要な知識や技術を、講義や職場での実習で学ぶ実施企業は公募する。

 企業公募は7月上旬にも実施。雇用期間は3―6カ月で、募集は8月ごろを予定している。(山田孝人)



◎昨年度下期の景況、大幅改善…政策公庫中小企業事業

 日本政策金融公庫函館支店中小企業事業は、2009年度下期(09年10月―10年3月)の道南の中小企業の景況調査をまとめた。売上DI(「増加」から「減少」の割合を引いた指数)はマイナス9で、上期(09年4―9月)に比べ42ポイント上昇と大幅に改善した。過去最悪だった前期からの反動でリーマンショック前の07年度上期の水準まで回復し、景気の底入れ感もうかがわせた。

 同支店は「急速な景気悪化で企業が経費削減などの経営合理化を進めたことや、金融面の政策効果で減収の中でもある程度の資金繰りが維持できた結果」と分析。一方、設備投資などは依然として消極姿勢が目立ち「延命策で現状をしのいでいる体力勝負の状況」とも指摘する。

 業種別の売上DIは、製造業が前期比31ポイント上昇のマイナス25で、3期ぶりに改善。非製造業は同46ポイント上昇のマイナス3と大幅に改善し、7期ぶりに好転した。利益DIは全体で同30ポイント改善のマイナス2。製造業で同28ポイント上昇のマイナス13、非製造業で同26ポイント上昇のプラス1まで好転し、同支店は「徹底したコスト削減効果の表れ」とみる

 設備投資については、非製造業で同9ポイント増の29%と増加した半面、製造業では同19ポイント低下の33%と減少し、全体では30%と前期から変わらない企業の慎重さもうかがわせた。同支店は「企業が設備投資を控える動きが、厳しさを増す雇用情勢に影響している」と懸念を示す。

 2010年度上期(4―9月)は、売上DIが今期比5ポイント上昇のマイナス4、利益DIは同8ポイント低下のマイナス10を見込み、「増収減益」の傾向が強まっている。同支店は「景気の底入れ感もうかがえるが、プラス材料は乏しく見通しは厳しい。今後は資金繰りの悪化を予想する企業も多く、楽観できない状況が続いている」としている。

 調査は3月末時点で、渡島・桧山管内の中小企業173社を対象に実施。計92社から回答を得た。回答率は53・2%。(森健太郎)


◎馬車に乗り優雅に散策 JRAグランドオープン記念

 19日のJRA函館競馬場新スタンドグランドオープンの記念イベントとして12、13の両日、金森レンガ倉庫周辺で馬車の無料運行が行われた。観光客らは晴天の下、馬車に揺られながら約10分間の優雅な散策を楽しんだ。

 JRAではこれまで札幌競馬場の開幕に合わせて馬車運行を行ったことはあるが、函館での開催は始めて。観光スポットであるベイエリアの眺めを満喫できるとあって、2日間で合わせて約160人が乗車する人気ぶりだった。

 黒い毛並みが美しいフリージアンという種類の馬が引く馬車に乗った観光客は「意外に速い」「ちょっと揺れるね」と話しながら、歩いてる人たちに手を振っていた。

 家族で乗車した大川町在住の小林篤史さん(33)は「函館に引っ越してきたばかりだが、観光地函館の景色を十分楽しむことができた。風も気持ち良くすがすがしい気持ちになった」と話していた。(小山博美)


◎子供みこしはつらつ! 元気を贈る 老人ホーム訪問

 お年寄りに元気になってもらおうと北海道東照宮例大祭の子供みこしが13日、特別養護老人ホームももハウスともも太郎(函館市赤川町390)に訪問した。児童らは施設中に威勢のいいかけ声を響かせ、元気にみこしを担いで歩いた。

 北海道東照宮(大谷長道宮司)は毎年この時期に例大祭子供みこしを開催し、同ホームを訪問するのは今年で6回目。子供みこしには児童80人が参加。12、13日の2日間にわたり、午前は市内の高齢者施設を訪問し、午後は陣川町内6キロを元気よく歩いた。

 頭に手ぬぐいを絞め、法被姿の児童は「ワッショイワッショイ!」と大きなかけ声を掛けながら施設の中を元気よく回り、入居者は手拍子をとりながら笑顔でみこしを楽しんだ。子供代表の「お年寄りの皆さんが素晴らしい社会を築いてくれたことに感謝し、それを受け継いでいきたい」とのあいさつに涙する入居者の姿も。子供みこし世話人会会長の小林健二さんは「子供たちの元気な姿を喜んでもらえてよかった」と話していた。(小山博美)