2010年6月15日 (火) 掲載

◎森・赤井川小が休校 児童数減、来春から

 【森】森町教育委員会は、赤井川小学校(三上裕子校長、児童8人)を来年4月1日から休校する方針を固めた。児童数の減少が著しく、増加する見通しが立たないと判断したためで、再開のめどは立っていない。卒業する6年生2人を除く在校生6人は休校後、駒ケ岳小学校(児童18人)に転入する。町内の小学校休校は2003年4月の石谷小学校に続き2校目となる。

 赤井川小は現在、6年生2人のほか、5年生1人、4年生3人、1年生2人で、2、3年生はいない。

 来年度と2012年度は、新1年生が1―2人入学し、児童数は7人を維持するが、現4年生が卒業する13年度は新1年生の入学予定はなく児童数が2世帯4人となることから、町教委は休校を提案。昨年9月から保護者や町内会と懇談を重ね、理解を求めてきた。保護者や町内会は町教委の提案におおむね了承している。

 磯辺吉隆教育長は「(児童数が4人になる前に)保護者の不安を解消し、児童の教育環境を整える必要があると判断した。それぞれ思いはあると思うが、地域ぐるみの協力をお願いしたい」と話す。

 三上校長は「休校は残念。子どもたちが安心して駒ケ岳小へ通学できるよう学校運営を進めたい」としている。

 同校の卒業生で、過去にPTA会長を務めた赤井川町内会の伊藤秀信会長(67)は「休校はさびしいが、今後の児童の見通しを考えると存続状態にない」と肩を落とし、町に対し「若い人たちの定住促進など、対策を講じてほしい」と求めた。

 赤井川小は1947年、駒ケ岳小の分校として開校、52年に独立し現校名に改称し今年で創立丸63年を迎えた。(鈴木 潤)



◎龍馬記念館に竜馬さん

 現代の竜馬、記念館に―。「北海道坂本龍馬記念館」(三輪貞治館長、函館市末広町8)のボランティアスタッフとして、公立はこだて未来大学2年生の深浦竜馬さん(19)が新加入した。同館のスタッフや来場者からは早くも“若さあふれる竜馬”の登場に期待の声が上がっている。深浦さんは「この名前と得意のパソコン技術を生かして記念館を盛り上げられれば」と意気込んでいる。

 深浦さんは後志管内余市町出身。父の龍治さん(58)が歌手の武田鉄矢さん原作の漫画「おーい!竜馬」の大ファンだったことからこの名が付けられた。深浦さん自身も幼少期から父親の影響を受け、名前が一緒の「龍馬」には親近感や興味を感じていたという。

 スタッフ志願のきっかけは、龍治さんに頼まれた土産を買おうと記念館を訪れたときだった。来場者をもてなすスタッフの姿や三輪館長の龍馬への熱意に感銘を受け、とっさに「参加させてください」の言葉を口にしていたという。「買い物が終わったら帰ろうと思っていた。なぜあんなに積極的になれたか正直わからない」とその時を振り返る。

 13日に初めてパンフレットの配布や来場者の出迎え、見送りを担当した深浦さん。「人と接し、交流することの楽しさを知った。これからも週末を中心にできる限り参加したい」と笑顔を見せる。一人の若者の心意気がこれからの記念館運営に力を与える。(小杉貴洋)



◎ヒグマ目撃増加 国道や住宅近くで相次ぐ

 【上ノ国】桧山管内南部では上ノ国町を中心にヒグマの目撃情報が増加傾向にある。山林や農地に隣接した道路や住宅近くでの出没も相次いでおり、江差署では「山菜採りなどで山林に近づく際には十分に注意してほしい」としている。

 今年に入り同署管内では、上ノ国町を中心にヒグマの目撃情報が増加。4月以降には9件の目撃情報を公表。中でも11日には上ノ国町中須田の道道江差木古内線沿いで目撃情報があった。14日にも宮越地区で体長約50センチの子グマが、館野地区の国道228号では、道路を横断する体長2メートル程度の成獣が目撃された。町内では山間部の湯ノ岱地区や日本海沿岸の石崎地区などに目撃情報が集中。ヒグマが生息していない奥尻町を除く桧山南部4町全体でも目撃情報が例年より多いという。

 桧山振興局は「6月はヒグマの交尾時期で行動が活発になる。母グマは子グマを守るために攻撃的になることもある」とする。ただ、ヒグマの生息数そのものに大きな変化はないとみられ「ハンターの減少などでヒグマの警戒心が低下して、住宅近くでの出没など行動が大胆になってきた」(管内のハンター)との見方も。また、警察などへの通報手段となる携帯電話の普及で「通報件数そのものが増えているのではないか」(ある町の担当者)との指摘もある。

 一方、幹線道路沿いでヒグマは、道路脇に生い茂る雑草などに身を隠しながら移動することが多い。狩猟関係者は「道路予算の削減で草刈りの回数が減ったことも影響しているのでは。道路沿いであっても草木が多い場所では要注意」と話す。(松浦 純)


◎口蹄疫防止で消毒マット 渡島合同庁舎にも設置

 函館市美原4の渡島合同庁舎に14日、靴底消毒マットが置かれた。宮崎県で続く口蹄疫(こうていえき)の侵入防止対策で、渡島総合振興局は「みなさんの協力で万全を期したい」と来庁者と職員への協力を求めている。

 対策本部の同振興局が、正面玄関など入り口6カ所に設置した。マットは90センチ×1・8メートル。畜舎・鶏舎用消毒薬を噴霧でしみ込ませ、「靴底消毒にご協力を」とガラス扉に案内を張った。定期的に消毒噴霧を行う。

 同様の消毒マットはすでに函館空港国内線ロビー、檜山合同庁舎出入り口(靴底消毒槽)に置かれている。渡島総合振興局は、フェリー乗り場にも消毒マット設置を働きかけているところで、函館市などと調整中。JRにも設置への協力を求める方向で、本庁と協議中だという。(田中陽介)


◎希望胸にカメルーンへ

 JICA(国際協力機構)本年度の青年海外協力隊第1次隊として、カメルーンに赴く函館市元町の佐々木梓さん(33)と、シニア海外ボランティアとしてソロモンに向かう同市元町の梅田文世さん(61)が14日、函館市役所を表敬訪問した。応対した市教委の妹尾正白生涯学習部長は「体に気をつけて頑張って」と激励した。

 佐々木さんは東京都内の大学を卒業後、地元ラジオ局のFMいるかに入局し、約10年間にわたりパーソナリティーとして活躍した。「自分の持っている引き出しを増やしたい」と思い、応募した。

 カメルーンでは首都ヤウンデから約400キロ離れたムンゴ県にある、地元ラジオ放送局の「女性と子供の開発協会」で番組制作指導や放送機器整備を行う。「現地では同じ人間として気持ちを分かち合いたい」と抱負を語った。

 梅田さんは昨年、市立函館病院を退職し、以前から興味があったという同ボランティア募集に挑戦した。理由は助産師としてこれまで培ってきたことから「発展途上国でこれまでの経験を生かしたい」と話す。

 赴任地のソロモンでは首都のホニアラに所在する看護学校で講義や実習を行い、現地の看護師のレベルアップを図る。梅田さんは「まずは言葉や文化を覚えることが大事。自分がどこまでやれるか試したい」と意気込んでいる。

 佐々木さんは今月23日、梅田さんは21日に出国する。(山田孝人)