2010年6月19日 (土) 掲載

◎分布密度小さい低水温で北上の遅れ影響 マイカ調査函館水試

 秋田県男鹿半島沖から松前沖にかけてのマイカ(スルメイカ)分布密度が、2001年以降、最も低いことが道立函館水産試験場の調査で分かった。低水温による魚群の北上の遅れが影響したと推測される。魚体の大きさは、胴長6〜17センチ(昨年11〜18センチ)だった。

 函館水試(函館市湯川町)の調査船「金星丸」(151トン)が5月27日〜6月1日に実施した北上期調査で分かった。

 荒天で調査を中止したところを除く4地点の分布密度は、イカ釣り機1台1時間あたりの漁獲尾数が0.4〜6.0(昨年0.04〜19.7)の範囲。最も高かったのは津軽半島西方沖で6.0(昨年の同じ地点19.7)、平均は2.5(昨年9.5)と01年以降で最少だった。

 最も多く捕れたマイカの胴長(サイズ)は、昨年と同じ15センチ.で、全体の魚体サイズは過去5年平均より小さめだったという。

 漁獲調査6点の表面水温は10.1〜13.0度(昨年11.7〜15.8度)の範囲で、すべての調査点で昨年を下回った。マイカの分布目安となる水深50メートルの水温は、3.6〜10.3度(同6.8〜12.4度)の範囲で、調査5点で昨年を下回った。

 また、道立釧路水産試験場の道東太平洋調査(6月7〜14日)でも、マイカ分布密度は低い結果が出た。平均0.03(昨年0.43)で1993年以降で最も低い値。表面水温は約1度低く、魚体は前年とほぼ同じ13―16aだった。

 道南近海のマイカ漁は1日解禁され、夏から秋に最盛期を迎える。漁は来年1月末まで。 (田中陽介)



◎好天続き生育回復傾向に…道南農作物

 渡島総合振興局(函館市美原)と桧山振興局(江差町陣屋町)は18日、15日現在の渡島・桧山管内の農作物生育状況と農作業状況を発表した。6月の好天で春先の天候不順による生育遅れは、おおむね回復傾向。農作業も遅れを取り戻しつつあるという。

 農業改良普及センターの調査を基に、管内を平均的に分析。前回4日発表(1日現在)では、5月中旬の周期的な降雨と低温で生育・作業ともにやや遅れが出ていた。

 水稲は渡島・桧山ともに平年並み。茎が分かれ、成長の進み具合を伝える「分げつ」は1日の遅れ。品質に問題はない。

 ジャガイモは渡島で2日、桧山の露地は植え付け作業のずれ込みで5日の生育遅れ。ビートは渡島が2日遅れ、桧山は平年並みだった。

 渡島のリンゴ(つがる)は5日の遅れ。家畜用トウモロコシは渡島で2日、桧山で4日の遅れだが、生育は回復に向かっている。

 桧山の大豆は、種まきのずれ込みで、出芽が4日の遅れ。秋まき小麦(桧山)も4日の遅れだが、前回よりも3日分、生育を取り戻した。

 両振興局の担当者は「天候の回復がそのまま、農作物の生育、作業のばん回へつながった。今後1カ月の天気も比較的いい予報だが、農業改良普及センターの情報に十分注意を払って、作業をしてもらいたい」としている。改行 発表内容は、両振興局のホームページで紹介している。次回発表は、7月5日(同月1日現在)の予定。  (田中陽介)



◎市民体育館増築 代替公園 設置せず…函館市議会

 函館市議会の第2回定例会は18日、一般質問を続行し5氏が立った。妹尾正白教育長職務代理者は、市民体育館を現在地に増築整備することで湯川公園が一部廃止される際、代替公園を設置しない考えを示した。市緑化推進課によると、都市公園廃止で代替公園を設けず、公園面積を削減するのは函館では珍しいという。

 北原善通氏(市民クラブ)の質問に答えた。

 1960年に都市計画決定された同公園は、広さ約1万6000平方メートル。都市公園法では「みだりに都市公園の区域の全部または一部について廃止してはならない」と定められている。しかし、代替の公園を確保するか都市計画事業が施行される場合や、公益上特別の必要がある場合は規定は適用されない。

 市教委は体育館建設が「公益上の必要がある場合」に当たるとの認識を固め、妹尾教育長職務代理者は「現在、道と(廃止に向けた)協議をしており、今後基本計画を策定するなかで整理したい」と述べた。

 市教委ではこれまで庁内関係部局と連携を図りながら、代替公園の確保に向けた検討を続けてきたが、同公園が地域住民が憩う公園という位置づけの「近隣公園」であることから、同公園周辺で代替公園分の土地取得が困難との判断を下した。改行 整備構想案ではメーンアリーナの増築で1600平方メートルが同公園敷地の一部に該当し、立体駐車場の新設では3500平方メートルが当たる。計5100平方メートルの用地削減となる。

 北原氏は「不足面積が4300平方メートルとしたのはどんな理由か」と質問。これに対し妹尾教育長職務代理者は、電車通りに面した東消防湯川出張所跡地の800平方メートルを新たに都市計画公園に加える方針であることから、「合計の公園面積の減少は4300平方bとなる」と答えた。

 都市計画の決定は市が行うが、決定に際しては道の同意が必要となる。(山田孝人)


◎屋上ビアガーデンでグイッ

 函館にも夏到来―。創業40年を数える老舗ホテル「ホテル函館山」(實川幸子支配人、函館市元町19)で18日、屋上ビアガーデンの今季営業がスタートした。初日は天候にも恵まれ、格好のビール日和。満席となる約130人が来場し、ホール全体に「乾杯!」の声を響かせた。

 同ホテルでは30年以上にわたってビアガーデンを実施。地上約30メートルの屋上では、極上のジンギスカンの食べ・飲み放題に舌鼓を打てるほか、市内を一望するロケーションからは夜景が楽しめる。また、屋根が付いているため多少天候が悪くても宴会が楽しめると好評だ。

 この日は午後6時ごろから次々と会社帰りのサラリーマンらが訪れ、同7時すぎには満席に。来場者は早速、ビールやソフトドリンクが注がれたジョッキで「乾杯」を連呼し、ジンギスカンとともに夏の風物詩を楽しんだ。「生、おかわり」などひっきりなしの注文に、13人のホテルスタッフが休みなく対応していた。

 仲間6人で仕事の打ち上げをしに来たという市内の会社員、斉藤陽介さん(33)は「2年前に来たときには寒かったので、今回はリベンジ。最高のビールを味わえた」と笑顔だった。(小杉貴洋)


◎市営熱帯植物園に珍客!63センチのウナギ

 函館市営熱帯植物園(湯川町3)の池にいた長さ63センチのウナギが初めて公開された。来園者は「大きいね」と話しながら植物園に現れた珍客に目を奪われていた。

 池には金魚が82匹、カメが22匹み、ウナギは3年前に清掃した際、石の下に隠れていたのを発見された。「来園者が捨てていった可能性がある」(同園)とみられるが、当時は長さ20aと小さめで金魚などに害がないため、そのまま池に戻した。

 今回、池で久しぶりに姿を現したウナギは3倍ほどに成長し、同園はこんなに大きくなっているとは驚いた。このまま成長させて池の主にしようかと考えている」。公開が終わったウナギは池に戻され、素早く石の下に潜っていった。

 埼玉から観光に来ていた小荒井空ちゃん(4)は「大きくてびっくりした」と笑顔だった。(小山博美)