2010年6月21日 (月) 掲載

◎はこだて駅スポ、ミニ弁慶号発車します

 JR函館駅前広場で20日、東北新幹線新青森駅開業イベント「はこだて駅スポ2010」(JR北海道函館支社主催)が開かれた。小型SL「ミニ弁慶号」の乗車体験や新青森駅記念○×クイズなどさまざまな催しが行われ、大勢の家族連れでにぎわった。

 2003年6月に現在の函館駅舎が開業したのを機に、利用者や地元住民に感謝の念を込めて毎年、テーマを設けて開催している。この日は函館市の観光PRキャラクターイカール星人と旧戸井町のイメージキャラクタートーパスちゃんを1日駅長に任命。新青森駅開業カウントダウンボード除幕式を行い、駅開業まで167日を知らせた。

 YOSAKOIソーランの演舞もあり、地元の4団体が力強い踊りを披露し、観客であふれ返った。

 小型SLの無料乗車が人気を集め、約90メートルのレールを走り、子供たちの歓声が響いていた。家族で訪れた木村晴ちゃん(4)は「汽車が大好きで、3回も乗った。また乗りたい」と笑顔で話していた。(小山博美)



◎参院選企画「道南2氏 出陣のとき」/板倉 一幸氏(59)=民主党比例

 函館市議を3期10年務めた経験を生かし、国政の舞台に挑む。私鉄総連の組織内候補として「地域の公共交通を守ることが与えられた使命」と話す一方で、「道南・北海道の足腰となれるよう力を注ぎたい」と、“道南代表”を強く意識している。

 私鉄総連は旧社会党系の労働組合で、現在は社民党と民主党を支持。勇退する渕上貞雄参院議員(社民党)の後継候補に昨年夏、決まった。

 板倉氏は昨年11月から知名度不足の克服に向けて、全国の各組合へのあいさつ回りを進めてきたが、地域によっては社民党への支持が強いことに加え、鳩山政権が「政治とカネ」の問題や米軍普天間基地移設問題で迷走し、社民党が連立政権を離脱する事態に直面。「組合を回っていても、民主党に対する批判がある程度あった」(板倉氏)と、逆風の中での活動を強いられた。

 しかし、今月上旬に鳩山前首相が辞任、新たに菅直人首相が誕生したことで民主党の支持率は“V字回復”を遂げた。板倉氏は「戦いが少ししやすくなった。新しい体制になったことで姿勢を理解してもらえるのでは」と、自身への追い風を実感している。

 陣営では25万―30万票を目標に掲げ、道内では5万票、中でも地盤のある函館・道南では3万票獲得を目指す。東京に加え、5月には函館市内にも事務所を開設して体制を強化した。地元では私鉄総連道地方労組函館バス支部を中心に、民主党8区総支部や函館市議時代からの支持者で陣営を形成。民主党北海道と、支持団体の連合北海道の比例代表重点候補となる。

 選対幹部は「地元で票を取らずにどこで取る、という気持ちで進めている」。出馬表明以降の活動は全国行脚が中心だったが、公示後は地元・函館に軸足を移し、24日の公示日も地元で迎える。同日夕には「街頭大集会」を開催、秘書として仕えた鉢呂吉雄衆院議員も駆けつける予定。また同党から道選挙区(改選数2)に出馬する藤川雅司、徳永エリ両氏と一体になって、選挙戦を展開する構えだ。

 今回の選挙は8区選出の逢坂誠二衆院議員(民主党)を含めると、道南から3人の国会議員が生まれるチャンス。陣営幹部は「党派は別にしても、参院議員が2人出ることで地元の活性化につながる。地域として取り組む場面も出るだろうし、絶対に当選したい」と意気込みを強めている。(参院選取材班)

 いたくら・かずゆき 1951年函館市生まれ。立正大経済学部卒。鉢呂吉雄衆院議員の秘書を経て、1999年4月、函館バス労組などの支援を受けて市議に初当選し、09年まで3期務めた。2003年6月から09年8月まで民主党道8区総支部幹事長。

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 24日の参院選公示まで秒読みとなり、函館・道南を地盤として比例代表に出馬する板倉氏と横山信一氏(公明党)もそれぞれ活動を強め、選挙戦に突入する。告示を前にこれまでの活動を振り返り、選挙戦の課題や展望を探る。



◎函教大文芸同人誌「青い花」20号発行

 道教育大函館校の1990年度国語科卒業生が中心となって年1回発行している文芸同人誌「青い花」の第20集記念号が発行された。卒業記念に創刊されてから20冊目となり、同人は一般も含め全国70人に増えた。編集長を務める上磯中教諭の宮川高宏さん(42)は「一般同人が増え、古くからの同人の刺激になる。もう少し外に開かれたものにしていきたい」と気持ちを新たにしている。

 「青い花」は国語科の近代文学研究室の学生9人が中心となって卒業記念に発行。多くが教員となって全国各地に散らばったが絆(きずな)は強く、卒業後も集まる機会は絶えず2冊目を製作することに。それから他の科の同期生や先輩、後輩も参加するようになって毎年、1冊の発行を続けてきた。

 2001年にはホームページも立ち上げ、インターネットを通じて一般の同人も参加し、宮崎県から稚内市まで全国から集まるようになった。寄稿者がワープロ打ちした原稿を送付していた時代に比べ、インターネットが普及してからは格段に編集作業もスピードアップ。宮川さんを含む3人が中心となって編集作業にあたっている。作品はエッセーや詩、俳句、小説などジャンルはさまざま。制限なく自由に表現できるのが特徴で、毎年20人前後が作品を寄せている。

 第20集記念号は、20年の歩みを振り返る宮川さんの総括文、これまで発行された19冊分の内容紹介など。同人の70人から一人一言もらい、編集スタッフの励みにもなったという。

 卒業生にとって「青い花」は、大学時代のあの日≠ノ帰れるよりどころ。宮川さんは「20年たっても連絡が取れ、顔を合わせなくても年1回会っているような感じがする。仲間と一緒に年を重ねていけるのがうれしい。30、40年に向けてこれからも続けていきたい」と話している。

 B5判。80部発行。問い合わせは宮川さんTEL0138・77・9648へ。(宮木佳奈美)


◎函館野外劇、衣装づくり 丁寧に

 7月9日に開幕する「第23回市民創作函館野外劇 星の城、明日に輝け」(NPO法人市民創作「函館野外劇」の会主催)に向け、会場の五稜郭公園ではスタッフが舞台作りなどを進めている。キャスト村では20日、衣装部の女性が衣装やかつら、靴などの数を確認したり、アクセサリーの縫い付けなどを行った。

 この日は同部の約10人が作業に参加。今年新たにコロポックルとして出演する児童用衣装の製作では、緑色のシャツにサテンで作った葉やチュール、オーガンジーなどで作った飾りのほか、名前を書いた布を付けていった。同部では5月の大型連休後から函館本通小学校などに保管していた衣装を洗濯し、キャスト村へ移動後、虫干しを行った。この後、最終的な数の確認などを行う。

 同部スタッフは「大きな体格の出演者に合わせた衣装づくりもした。衣装の装飾は小さくても客席からははっきりと分かるので、丁寧に作業していきたい」と話していた。(山崎純一)


◎原発「関心ある」67%

 函館の環境を考える会(山本正子会長、会員30人)はこのほど、2009年度のアンケート活動の結果報告書「ごみ減量・リサイクル推進アンケートPART[」をまとめた。今回初めて、エネルギー問題の一環として原子力発電所についての関心などを問い、「原発に関心があるか」の設問に対しては67%が「ある」と答えた。

 毎年実施しており、今回が8回目となる。調査は昨年11月からことし2月にかけて行い、一般市民160人から回答を得た。報告書は会員らに配布した。

 回答者は20―80代の幅広い年齢層にまたがり、うち40―60代が大半を占めた。年齢や性別以外の質問は11項目。「環境問題に興味があるか」には、84%が「ある」と回答。「ない」は1%だった。

 「環境問題についてどう思うか」に対しては、「心配している」が81%で、「心配していない」は3%、「どちらともいえない」は16%。このほか、省エネルギー型の家電を購入しているのは50%、ハイブリッドカー(エコカー)については99%が認知していた。

 原発に関心が「ある」としたのは67%、「ない」は7%。原発に不安が「ある」は66%で、「ない」は8%だった。「今後必要と思うか」に対しては、最も多い48%が「どちらともいえない」と回答。次いで「思う」は38%、「思わない」は14%だった。

 結果について山本会長は「原発が即“必要”とはとらえられていないが、今後のエネルギー源として意識されていることがわかった」とし、今後は「こまめに家庭の電気を消すなど、できることから省エネへの取り組みを呼びかけたい」と話している。(小泉まや)