2010年6月22日 (火) 掲載

◎昭和小学校でプール開き

 函館昭和小学校(秋元順一校長、児童520人)で20日、早くもプール開きがあり、6年生75人が1年ぶりのプール授業を楽しんだ。

 プール開き式で秋元校長は水泳には健康づくり、競技、救命の3つの意義があることを説明し、「命を守ためにも泳げるように、しっかりいろんな泳ぎ方にチャレンジしてほしい」と語りかけた。児童会長の天満康美さんは「今日は待ちに待ったプール開き。安全に楽しく過ごしましょう」とあいさつした。

 泳ぎが上手な児童がクロール、平泳ぎ、背泳ぎ、バタフライの模範泳法を披露。児童4人と担任教諭2人がリレーで競って盛り上がった。

 この日は室温30度、水温25度のプール日和。さっそくプールに入った児童たちは大きな歓声と水しぶきを上げ、水を掛け合ったり、大型ビート板に体を乗せて浮かんだりして水に親しんだ。

 加藤志穂さんは「もぐって遊ぶのが楽しかった。今年はバタフライができるようになりたい」と笑顔で話していた。

 同校では今後、泳力別にグループ分けして泳ぎを学ぶ。市内の小学校では9月ごろまでプール学習が行われる。(宮木佳奈美)



◎市議会 西尾市長「再任用制度」導入を検討

 函館市議会第2回定例会は21日、一般質問を継続し5氏が質問に立った。西尾正範市長は、定年退職した公務員を再雇用する「再任用制度」について、早期導入に向けて検討する考えを示した。ただ、同制度は過去に市議会の反対から撤回した経過もあり、市民の理解を得られるかは不透明だ。

 紺谷克孝氏(共産党)の質問に答えた。

 再任用制度は全国の自治体で導入が進んでいる。市総務部によると、昨年3月末で全国1800市町村のうち1613の自治体が条例を制定。道内でも35市中30市が導入している。

 紺谷氏は、年金の支給開始年齢が65歳に引き上げられたことに伴い、2006年に改正高齢年齢者雇用安定法が施行され、定年の引き上げや継続雇用制度の導入が義務付けられていることに合わせ、再任用制度の導入について市の考えをただした。

 西尾市長は「60歳代前半の生活を、雇用と年金の連携により支えることが必要」とした上で「国の動向も見据えながら労使間で協議し、早期に何らかの仕組みの構築と導入を検討したい」と述べた。

 同制度の導入は、2002年に井上博司市長(当時)が関連条例案を市議会に提案したが、厳しい経済・雇用情勢から与党会派や市民の反対意見が強く、撤回した経緯がある。

 紺谷氏は具体的な導入時期についてただしたが、西尾市長は「公務員が優遇されるのではないかと反対され、凍結になった経過もある。市民に理解される制度ではなくてはならないので、議会とも相談しながら、できるだけ早く導入したい」と述べるにとどめた。

 一般質問はこの日で終了し、23日には総務、経済建設、民生の各常任委員会で今議会に提案された23議案を審議する。(千葉卓陽)



◎参院選企画「道南2氏 出陣のとき」 ▽横山信一氏(50)=公明党比例

 今期限りで引退する風間昶氏(63)の後を継ぎ、北海道・東北ブロック重点候補として立候補する。これまで函館市区選出の道議として2期7年務めた。「道議の実績を生かしたい。視線は常に地方に向け、函館や道南の多くの人の顔を見定めながら政治活動を頑張っていく」。地元の声を政治に届ける信念の下で活動してきた。

 道議在職中には民主党の「事業仕分け」で1度は廃止と認定された「知的クラスター創成事業」の継続に向けて尽力するなど実績を挙げた。国政では地域経済振興の観点から、風間氏がライフワークとして取り組んできた北海道新幹線の整備に加え、水産学博士の経験を生かした1次産業の振興に力を入れる。

 2月に出馬を表明。その後は道内や東北をくまなく回って支持拡大を図り、月1回程度のペースで函館入りするなど積極的に動いた。3月には函館、5月には札幌にも事務所を構え組織を構築。地元経済界の重鎮を後援会最高幹部に据えたほか、函館商工会議所の政治支援団体「日本商工連盟函館地区連盟」も推薦を決め、態勢づくりは着々と進んでいる。

 一方で、精力的な活動を展開しているにも関わらず、東北での知名度の低さに苦しんでいる。「組織にはそれなりに名前は浸透してきたが、一般の人にはまだまだ。厳しい戦いだ」と、函館後援会選挙対策本部の茂木修幹事長は話す。

 社民党の連立離脱で急落を続けていた民主党の支持率は、菅政権発足で息を吹き返した。このことも逆風となり、苦戦を余儀なくされている。横山氏は「函館を一歩離れると、比例区は雲をつかむような戦い。比例区の横山という名前を浸透させることは難しい」と苦しい情勢を吐露する。

 陣営は100万票獲得を目標に掲げる。現職の風間氏は2004年の参院選で約70万票を取り当選しているが、政権与党から転落して初めての国政選挙とあり、全く予断を許さない。ちなみに、昨年8月の衆院選で公明党は道内で比例票約35万票、道8区では約3万票を獲得。支持母体である創価学会の基礎票に加え浮動票などの取り込みを図り、東北地区などでいかに得票できるかが課題となる。

 24日の公示日は札幌で迎え、25日に函館入りして市内や近郊5カ所で演説を行う予定だ。志賀谷隆選対本部長は「厳しい情勢ではあるが道南から最後まで盛り立てたい」と攻めの姿勢で臨む構えだ。(山田孝人)

 ◆プロフィール

 よこやま・しんいち 1959年7月21日、帯広市出身。北大大学院水産学研究科博士課程修了。道立函館水産試験場勤務などを経て、2003年函館市区から道議に初当選し2010年まで2期7年務めた。公明党北海道本部幹事長代行、公明党市民活動局次長。


◎「同じ境遇の人に勇気を」2度の脳こうそく克服した小川さん 日本一周島めぐり248島制覇へ

 2度の脳こうそくを克服し、車と自転車による日本1周と離島巡りを行っている静岡市在住の小川清さん(66)が、19日に函館入りした。2005年から現在まで、離島巡りを中心に、全国各地を精力的に回っている小川さん。今回は北海道南部を中心に回る予定で「脳疾患を患う同じ境遇の人に勇気を与えたい」と、21日には松前方面に向けて出発した。

 小川さんは旅行代理店勤務などを経て、定年間近の2002年に脳こうそくを発症。。この時は7日間の入院という軽症で済んだが、04年に再発すると、一時は自力で歩くこともできなくなった。しかし「大好きな旅行を続けたい」と懸命のリハビリを経て社会復帰すると、05年8月から車に折りたたみ自転車を積んだ全国行脚をスタートさせる。

 中でも、離島に大きな魅力を感じるという小川さん。北は北海道の利尻、礼文島から南は沖縄の島々まで、これまで305島を訪れている。この中で沖縄の西表島の民宿に宿泊中、女将からの「病気のことを公表することで、同じ境遇の人たちの励みになるのでは」とのアドバイスが転機となり、各地を旅行した際に地元の新聞社などを積極的に訪問するようなった。記事として取り上げられることで「自分も同じ病気をした」と多くの人から声を掛けられるようになったという。

 「病気を通じて、旅先の人たちとの距離が縮まった」と話す小川さん。今では「脳疾患乗り越え日本一周島巡り248島制覇へ」と大書きされた赤い旗を抱え、各地を飛び回っている。

 今回の旅は、函館を出発し、松前、積丹半島、根室、えりもと回り、室蘭で終える予定。「途中で目に付いた島があればぜひ訪れたい」と話し、「地元の人との交流を楽しみたい」と目を輝かせる。現在も服薬を欠かせない状態だというが、「北海道にいる同じ病気の仲間に勇気とパワーを与えたい」と精力的に旅を続ける。(黒田 寛)


◎北都交通のバスツアー「坂本龍馬と幕末の箱館浪漫」人気

 「はこだて検定」保有のカリスマバスガイドと歴史探訪はいかが―。北都交通函館支店(瀬戸川町34)は5月から特別企画「坂本龍馬と幕末の箱館浪漫(ロマン)」と銘打ったバスツアーを敢行し、観光客らから人気を集めている。

 函館新名所として定着した「北海道坂本龍馬記念館」(末広町)を中心に元町の歴史的建造物や箱館戦争終えんの地となった五稜郭などをゆったりと散策できるのが魅力。同社では「幕末の歴史を色濃く残す函館を余すことなく知ることができます」と内容に自信をのぞかせている。

 同社では年間、いくつもの定期観光バスを企画しているが、今回は7月29日の箱館奉行所オープンに先がけ昨今の幕末ブームと連動し、函館観光を盛り上げられるプランはないかと模索。ガイドやドライバー、同社員らで構成されるプロジェクトチームが知恵を絞り、商品化にこぎつけた。

 一人の人物(今回は龍馬)に焦点をあて、その背景にある歴史を紹介する企画は今回が初めて。ツアーの目玉は添乗するガイド全員が「はこだて検定」取得者だということ。中でも田島典子さんは豊富な知識と分かりやすい解説でカリスマバスガイドとして人気が高く、利用者からも「ふだんの観光ツアーより内容が濃くおもしろい」と好評だ。

 行程は函館駅バスターミナル―元町散策(ハリストス正教会見学)―坂本龍馬記念館―土方歳三最期の地碑―五稜郭公園―同ターミナルの約4時間。大人3100円(中学生以上)、小人1900円。運行期間は10月31日までの金・土・日・祝日。問い合わせ・申し込みは同支店TEL0138・57・7555。(小杉貴洋)