2010年6月24日 (木) 掲載

◎道南の加工品売り込め 水産食品展示フェアと商談会

 函館ブランドの水産加工品を全国の流通業者らにPRする「はこだて水産食品展示フェア」と、地場企業の販路拡大に向けた「北海道の『食』特別商談会in函館」が23日、函館市豊川町の市水産物地方卸売市場でそれぞれ開かれた。

 フェアは市や函館特産食品工業協同組合などでつくる実行委の主催で、今年で6回目。函館・近郊の水産加工会社43社が出展し、特産のイカの加工品を中心に、コンブやシューマイなど計1000点以上の商品が会場にずらりと並んだ。

 この日は道内のほか、首都圏や関西、九州方面から大手百貨店、食品スーパーのバイヤーら700人以上が来場。各社のブースには売れ筋商品に加え、今年の新製品もお披露目され、買い付けや品定めに訪れた担当者は商品を試食しながら説明を受けていた。

 一方、商談会は北海道銀行などが主催し、今年で3回目。地元業者22社が首都圏の高級スーパーやコンビニエンスストアなど11社のバイヤーと個別商談に臨み、試食サンプルを勧めながら自慢の商品を売り込んでいた。

 7社と商談したJRの駅でコンビニやキオスクを運営するJR東日本リテールネット(東京)の担当者は「函館は生産と加工の場所が近く安心・安全な商品が多い。ただ、パッケージは似たり寄ったりで見劣りしないための差別化も必要」と指摘していた。(森健太郎)



◎参院選きょう公示 比例に板倉、横山氏出馬へ

 第22回参議院通常選挙が24日、公示される。比例代表には、道南ゆかりの候補として、前函館市議の板倉一幸氏(59)が民主党から、函館市区選出の前道議、横山信一氏(50)が公明党から出馬を予定している。結果によっては道南選出の国会議員が衆院を含めて計3人となる可能性もある。

 板倉氏は私鉄総連の組織内候補として、地域の公共交通の維持とともに、道南経済の活性化を掲げている。出馬表明前から全国各地の組合を回ってあいさつ回りを進め、浸透を図ってきた。

 公示日の24日は中央選挙管理会(東京)から「七つ道具」が届くのを待って、午後3時から函館市杉並町の選挙事務所で出陣式を行う。午後6時半からは本町で「街頭大集会」を開き、鉢呂吉雄衆院議員が応援に駆け付ける。選対幹部は「菅首相に代わったことで、函館でも支持率回復を実感している。ストレートに票に結びつくかは難しいが、25―30万票を目指す」としている。

 横山氏は公明党の北海道・東北ブロック重点候補。道議を2期7年務めた実績を生かし、水産業など一次産業の振興と、今期で引退する風間昶氏(63)が長年取り組んできた北海道新幹線の整備などを訴え、両地区を精力的に回る考えだ。

 24日は午後4時から札幌市の大通公園で第一声を上げる予定で、同党の井上義久幹事長が応援に訪れる。25日には函館入りし、市内3カ所と北斗市、七飯町で街頭演説。午後6時半からは市内のホテルで個人演説会を開いて支持を訴える。横山氏は「比例区は雲をつかむような戦い」としており、地元以外でどれだけ浸透するかがカギを握る。



◎エコの取り組み、函館を先進地に 「エコハ」が図書出版

 環境問題について知識を深めながら、地域活性化プロジェクトを展開する函館のコミュニティーメディア「エコハ」はこのほど、最先端の環境問題への取り組みを解説した書籍「環境ビジネスの新展開―理論と実践」(エコハ出版、A5判、196ページ)を発行した。編集者で、公立はこだて未来大の鈴木克也教授は、「この本を通じて、函館地区でのエコロジー活動が盛り上がってくれることを期待したい」と話している。

 2008年に発足したエコハは、インターネットとフリーペーパーを通じてエコロジー活動を支援する市民メディア。「環境ビジネス」を主要テーマに多彩なゲストを招く「エコハ大学」や、植樹、フォーラムなど市民参加型イベントなどを通じて、幅広い活動を繰り広げている。

 書籍の発行は今回が初めて。鈴木教授を編集人に同大にかかわりの深い10人が風力発電や太陽光発電、燃料電池、エコカーなど最先端のエコロジー技術を分かりやすく解説している。また後半には函館地域における市民や企業による環境活動の様子が、多くの写真や資料などを使って紹介されている。

 鈴木教授は「今後も定期的に書籍の発行を続けて活動内容を周知したい。また、今話題のiPad(アイパッド)でも地域の環境活動を閲覧できるように、データベース化も進めている。エコロジーと最新のIT技術を組み合わせた初の試みによって、函館が全国的な注目を集めれば、地域活性化への道も開けるはず」とさらなる夢を語る。

 同書は1冊2000円で500部発行。希望者はエコハ出版代表の高谷さん(TEL0138・47・7474)まで。


◎昨年度の「函館学」冊子に キャンパス・コンソーシアムが刊行

 函館市と市内の8高等教育機関でつくる「キャンパス・コンソーシアム函館」は、主催する公開講座「函館学」の昨年度の講義録を冊子にまとめた「函館学ブックレット」を刊行した。200セット(全7巻)を希望者に無料配布する。7月7日まで申し込みを受け付けている。

 公開講座は2005年度から始まり、翌年から「函館学」と題して地元函館をキーワードにした多彩な内容で講座を開講している。昨年度は7講座開講し、延べ1800人が受講した。幅広い層に函館学の講義内容に触れてもらおうと、一昨年(08年度)講義分からブックレットを作製している。

 刊行は今回が2回目で、昨年度の7講義を1講義ずつ1冊分のブックレットに仕上げた。@高田屋嘉兵衛と近代経営A中世史の中の函館B箱館八景扇面図 考C江戸幕府と蝦夷地・箱館D箱館開港―みなとが語る函館の歴史―E函館商業学校と地域商業の近代化F函館と近代アイヌ教育史―谷地頭のアイヌ学校の歴史から―の7冊を1セットにした。各巻A5判で50n程度。

 1200セット作製し、500セットは渡島、桧山管内の公共図書館や中学・高校・大学の図書館などの関係機関に配布した。今年の函館学受講者にも配る。事務局は「ブックレットがいろんな分野に興味を持つきっかけとなり、その先の関心を広げてもらえたら」と話している。

 希望者の応募方法は往復はがきのみ。往復はがきの文面に「ブックレット希望」と書き、希望者の住所、氏名、電話番号を記載。返信はがきに希望者の返信先となる郵便番号、住所、氏名を明記し、〒040―8567函館市八幡町1の2、北海道教育大学函館校 キャンパス・コンソーシアム函館ブックレット係へ、7月7日必着で送付する。

 応募は1人1通。応募多数の場合は抽選となる。問い合わせは事務局TEL0138・44・4211へ。(宮木佳奈美)


◎「撤去しかないのでは」 「自由の女神像」問題で函館市教委

 函館市議会の経済建設常任委員会(佐々木信夫委員長)が23日開かれた。西部地区の二十間坂上に設置されている約6メートルの「自由の女神像」について、荒井俊明市都市建設部長は「(設置業者に)撤去しかないのではと話をしている」と、公の場で初めて指導内容について言及。市は29日に開催する都市計画審議会を経て指導を実施する考えだ。

 会合で市は、5日に像が設置されてからの経緯を報告。続いて、石井満氏(民主・市民ネット)は「建物の届け出に問題はなかったのか。また奨励金はどうなるのか」などと質問した。

 これに対し荒井部長は、景観に配慮していると認められる建物に対して支給される「景観形成住宅等建築奨励金」が今月末にも、設置業者に支給されると報告。加えて「建物は当初は景観に配慮していなかったが、景観アドバイザーと協議する中で現在の形になった。市としては建物が景観に配慮していると認識し、奨励金の対象とした」と説明した。

 委員からは市都市景観条例の基準のあいまいさ、市の対応の遅さなどを指摘する声が出た。このほか市は、要望を提出している団体との会合を24日に行うと明らかにした。

 また民生常任委員会(斉藤佐知子委員長)では、女神を設置している店舗からの騒音や悪臭の規制状況について、環境部の阿部喜久雄部長が説明。「職員が現地で確認したが、悪臭や騒音は一般的な感覚でひどくはなかった」とした。(山田孝人)