2010年6月25日 (金) 掲載

◎市内で七夕商戦真っ盛り

 7月7日の七夕を前に、函館市内の商店や大型スーパーでは、祭りを彩る飾りや菓子、浴衣などの商戦が始まった。道南地域では子どもたちが家々を回ってお菓子をもらう風習があり、スーパーでは特設売り場を設けるなどして対応。天の川を隔てた織姫と彦星の“出会いの1日”を盛り上げる。

 函館市古川町63のヤマキチ佐藤商店(佐藤吉樹店長)は18日から、吹き流しの七夕飾りを店先に並べている。国道278号沿いで、きらきら光って涼しげに揺らぐ姿がドライバーや住民の目を楽しませている。

 値段は150円―2800円で、すでに10個以上売れているという。佐藤店長(66)は「潮風に揺れてきれいでしょ」と紹介し、「七夕はもちろん、ここ地元では神社の祭典で使う家庭が多い。神社のお祭りが早い、恵山や戸井から買いに来る人が多い」という。

 ダイエー上磯店(北斗市七重浜4)では6月上旬から、子ども用浴衣の品ぞろえを充実させている。人気は6800円前後のへこ帯がついた2点セット。今年のトレンドとして、上下別々で丈が短いセパレート浴衣に、ハートやラメが入ったおしゃれなへこ帯スタイルを提案する。同店では「これからの時期は浴衣スタイルがお薦め。豊富な展開からお好きなコーディネートを」と話している。

 一方、イトーヨーカドー函館店(美原1)は21日から、毎年変わらぬ人気のスナック菓子(小袋セット)の販売を開始した。今年は地下入り口通路前面に特設コーナーを設置し、40―50種類の菓子を並べる予定という。同店は「全部で1000円前後の商品が好評。子どもに人気の駄菓子バリエーションを増やした」と話す。

 同海洋気象台によると、過去5年間の函館地方の七夕の天候は、曇りと雨が多かった。快晴だったのは2007年で、この年は翌朝にかけて一時、薄曇りの好天だったという。今年の天の川は、子どもたちの頭上に輝くか―



◎消費税争点に舌戦…参院選公示

 【札幌】第22回参議院選挙が24日公示された。道選挙区(改選数2)には届け出順に、徳永エリ氏(48)=民主党・新、新党大地・国民新党推薦=、大林誠氏(37)=幸福実現党・新=、長谷川岳氏(39)=自民党・新=、中川賢一氏(43)=みんなの党・新=、畠山和也氏(38)=共産党・新=、藤川雅司氏(53)=民主党・新=の6人が立候補した。各候補は早速、雨の中、札幌市内で第一声を挙げ、7月11日の投開票日に向けて17日間の舌戦をスタートさせた。

 徳永、藤川両陣営はともに午前8時45分から、JR札幌駅前で第一声。徳永氏は「庶民感覚」を強調、玄葉光一郎政調会長と徳永氏を推薦する新党大地の鈴木宗男代表も熱弁をふるった。連合などが推薦する藤川氏は札幌市職員、札幌市議の実績と即戦力を中心に訴えた。

 長谷川氏は午前9時から大通公園で最初の街頭演説。北海道の将来を見据えた政策を訴え、若さと行動力をアピールした。自民党の大島理森幹事長も応援演説した。

 中川氏は午前9時半、中央区南4西1の事務所前で第一声、独自の北海道経済成長戦略を訴えた。畠山氏は午前9時から大通公園で街頭演説、民主政権を批判し「アメリカと財界に物言える党」を強調した。大林氏は午前8時半、中央区北3西5の道庁東門前で独自の政策を訴えた。

 今参院選では消費税率アップなどが争点に。道選挙区は政権交代を背景に2議席独占を狙う民主と、1議席死守を目指す自民の陣営を軸に、共産や「第三極」を標ぼうするみんなの党がどこまで迫るかが焦点となる。改行 消費税について徳永、藤川、長谷川の3氏はあえて触れず、中川氏は「税率アップより経済の立て直しが優先」、畠山氏は「法人税減税の穴埋め」と批判している。

 徳永エリ候補(48) 民主・新

 私は札幌で生まれ育った道産子で、皆さんと同じ感覚で暮らしてきた一生活者。するべき仕事は北海道の人が安心して、幸せを実感できる社会をつくること。働きたい人が生き生きと働ける労働環境をつくり、1次産業で頑張っている人の暮らしを守りたい。日本を背負って立つ子供たちやその母親が笑顔で暮らせるよう応援し、社会的弱者が望む支援をしたい。多くの人の声をしっかり聞き、皆さんのために働く。

 とくなが・えり 1962年、札幌市出身。藤女子高校卒。全国放送のテレビリポーターなどを経て、札幌市内で飲食店、会社を経営。

 大林誠候補(37) 幸福・新

 日本、北海道の最大幸福を実現したい。幸福実現党こそが現在の政治の世界にはびこっている欲望を浄化し、国民の願いを実現する政党だ。教育現場で起きているいじめに対しては校長、教員、教育委員会がどのように責任を取らなければいけないかを明確にする「いじめ防止法案」の制定に取り組む。消費税を10%に上げることは国民の自由を奪う道筋のスタート。今回の参院選を通して打ち破っていきたい。

 おおばやし・まこと 1972年、滝川市出身。道教育大札幌校卒。中学校教諭を経て幸福実現党に入党。昨年衆院選道10区に出馬し、落選。

 長谷川岳候補(39) 自民・新

 道内全179市町村を回り現場で感じたことは地域の疲弊。北海道が日本のリーダーシップを取り経済を良くする。キーワードは「食料」「水資源」「エネルギー」の3つ。日本の食料基地は北海道だ。上下水道を民営化しアジアへ水を提供していく。風力などの豊富な自然エネルギーのほか十勝のバイオエタノール事業などがあり経済が循環する公共事業は必要。地域に足を運び、地域の強みを北海道の強みにしていく。

 はせがわ・がく 1971年、愛知県春日井市出身。北大卒。YOSAIKOIソーラン祭りの創設者。昨年衆院選道1区に出馬し、落選。

 中川賢一候補(43) みんな・新

 北海道が危ない、日本が危ない。いとこの中川昭一が常々訴えていた言葉だが、本当に今、日本経済は大変な危機的状況。アジアで中国、韓国、シンガポールが大変な経済成長を遂げる中で日本だけ存在感を下げている。成長して経済を立て直し、力強い日本をつくる、そこから始まるのが党の理念。信念、戦略があれば夢は実現する。大きなパワーに打ち勝ち、北海道が国に頼らず世界に立ち向かえることを証明してみせる。

 なかがわ・けんいち 1967年、札幌市出身。東北大卒。旧拓銀を経て道庁入りし、シンガポール事務所などに勤務。中川義雄氏の長男。

 畠山和也候補(38) 共産・新

 自民党政治を退場させたが、次々と民主党政権は裏切った。争点は消費税増税を認めるかどうか。社会保障、国の財政のためというが消費税は法人3税の減収の穴埋め。北海道の定数2を消費税増税勢力に独占させず、増税反対を訴える畠山を押し込んでいただきたい。米国と、いいなりの関係を続けるかどうか。道選挙区で沖縄普天間基地無条件撤去と、全国、北海道への訓練移転を許さない訴えをするのは私しかいない。

 はたやま・かずや 1971年、宮城県石巻市出身。宮城教育大卒。元中学校教諭。党道政策委員長。2007年参院選道選挙区に出馬し、落選。

 藤川雅司候補(53) 民主・新改行 政権が変わり、地方を大切にしてくれるようになったという声を聞く。この流れを止めないでほしいとの期待は強い。日本社会は景気・雇用や子育て、教育、福祉など多くの問題を抱え、危機的な状況。札幌市役所勤務、札幌市議の経験を国会の場で生かしたい。民主党は国民の生活を第一に、人を大切にし、個性や能力を生かす政治。誰もが安心して暮らせる日本の政治をつくるため、即戦力となって責任を果たしたい。

 ふじかわ・まさし 1956年、苫小牧市出身。慶応大卒。札幌市職員を経て2003年から同市議。参院選出馬に伴い2期目途中で辞職。



◎奥野商店 感謝の再出発…中島廉売で被災、移転オープン

 3月16日に函館市中島町の中島廉売で起きた火災で被災した奥野商店(店主・奥野隆宏さん)の新店舗が24日、同町26にオープンした。「再開を待っていた」「頑張って」というお客や廉売関係者の後押しを受け、午前10時の開店から午後6時過ぎまで、途切れることなく店はにぎわった。

 開店と同時に、店内には再開を待ちわびた多くの客が訪れた。息子の伸基ちゃん(2)と来店した永澤嘉代子さん(40)は「この店のサケが大好きなので買いにきた。オープンする今日を待っていた」と声を弾ませた。電車を乗り継いで訪れた市内在住の房立光子さん(74)は「昔から通った店。再開してくれてありがたい」と話した。

 新装オープンを契機に先代の奥野譲さん(75)から店を引き継いだ息子の隆宏さん(44)は「冷蔵庫や機器類を廉売関係者や取引先の業者から工面してもらった。代替わりをしても温かく対応してもらい、感謝してもしきれない」と笑顔で語った。

 今後は、店の経営を軌道に乗せつつ、地域に住む高齢者や、事情があって買い物に出かけられない人のための宅配サービスなども考えている。隆宏さんは「地域の支えがあって再開できた。少しでも恩返しができたら」と話していた。(黒田 寛)


◎担当者の説明に生徒真剣…函館・東北の大学進学説明会

 函館・東北の大学や短大が参加する「函館・東北の著名大学進学説明会」(函館新聞社主催)が24日、函館市梁川町のベルクラシック函館で行われた。受験を控えた高校生やその保護者、学校の進路指導担当教諭らが来場し、各大学の担当者から学校案内や入試などの情報提供を受けていた。

 函館や東北にある19の大学・短大(資料参加校含む)が参加。学校ごとにブースを設け、来場者と個別に懇談する形式で行い、会場の一角では各学校の入試資料や案内書を無料で配布した。来場した生徒や進路指導担当教諭らは、配布している資料を手にお目当てのブースを訪れ、受験倍率や過去の入試問題、就職先などを熱心に訪ねていた。

 青森県立保健大学の説明を聞きに訪れた木古内高校3年の高村裕也君(17)は「いろいろ相談し、分からないことが解決できた」。同行してきた同校進路指導担当の浜名一博教諭(46)も「担当者から直接説明が受けられてよかった」と話していた。(宮木佳奈美)


◎道内の気温やや高め…3カ月予報

 札幌管区気象台は24日、道内の向こう3カ月(7―9月)の天候の見通しを発表した。この間の気温は平年よりやや高めに推移するが、8月は低温傾向となる見込み。降水量は平年よりやや多くなるとしている。

 7、8月の天気は低気圧や気圧の谷の影響を受け、平年に比べ曇りや雨の日が多くなる。特に8月は太平洋高気圧の本道付近への張り出しが強くないため、寒気の影響も受け天気はぐずつき、一時的に気温の低くなる時期がある見込み。9月の天気は高気圧に覆われて気温の高い日が多くなると予想している。

 エルニーニョ監視状況は、太平洋赤道域の海面水温が夏以降、基準値より低い値で推移するとみられる。エルニーニョ現象は春に終息しており、秋にかけてラニーニャ現象が発生する可能性があるという。