2010年6月28日 (月) 掲載

◎中華会館、8日から一般公開

 国内で唯一現存する清朝末期の中国式建築物で、今年で創建100周年を迎える「函館中華会館」(函館市大町1)が、7月8日から一般公開される。同館を管理する社団法人函館中華会館の陳上梅理事長(81)は「古代芸術の素晴らしさと中国の歴史の奥深さを体感してほしい」と話している。一般公開は8月23日まで。

 同館は1910(明治43)年に、函館在住の華僑が出資し建設された。くぎを1本も使用しない中国式レンガ造りの平屋建て。館内には、三国志の英雄で華僑が尊崇する「関羽」をまつる関帝壇があり、金ぱくや朱の漆塗りが施された華やかな装飾が特徴だ。2001年には国の有形文化財にも指定されている。

 一般公開は1982(昭和57)年から開始。建物の老朽化や日中関係の悪化などで2005年から公開を休止していたが、四川大地震の支援をしようと08年、4年ぶりに公開を再開した。これまでの来場者は100万人を突破している。

 節目の年を祝おうと、今回は希望者限定で館内のカメラ撮影が許可される(喜捨として1000円)。開館時間は午前11時から午後4時半まで。入館料は大人600円、高校生350円、小中学生200円。問い合わせは同館TEL0138・22・5660。(小杉貴洋)



◎函館に黒船、熱気興奮 ライブなど多彩な催し 湘南乃風登場

 HAKODATE黒船2010(函館黒船地域活性化協議会主催)が27日、道立道南四季の杜公園(函館市亀田中野町199)で開かれた。人気アーティストのライブ、トップモデルによるファッションショーなどが人気を集め、同イベントのオーディションを勝ち抜いた参加者もステージに登場。会場は熱い熱気に包まれた。

 昨年夏、函館開港150周年記念イベントとして初開催し、第2弾。「函館の魅力を発信する」がテーマで、レゲエ、R&Bの歌手のライブやダンス、DJプレイ、ブライダルコレクション、ファッションショーなど多彩なイベントが実施された。オーディションで選ばれた地元ミュージシャンもステージで歌を披露し、観客の喝采(かっさい)を浴びた。

 ステージ後半にはスペシャルゲストが登場。北海道出身のハウスDJ、DAISHI DANCEさんと俳優としても活躍する武田真治さんが、サックスとDJプレイで会場を盛り上げた。人気R&BシンガーのMay J.さんは、ヒット曲「GARDEN」などを熱唱。観客に手拍子や掛け声を求め、一体感を生みだした。

 人気レゲエグループ「湘南乃風」が最後にステージに登場すると、会場の熱気は最高潮に。観客はトレードマークのタオルを振り回しながら、音楽に身を委ねていた。市内から友人3人と訪れた女性(23)は「最高。とても興奮している」と声を弾ませていた。

 イベントを主催した函館黒船地域活性化協議会の小林一輝会長は「地域と外部からの刺激を融合でき、お客さんの反応も良く、手ごたえを感じた。今後もこの方向性で続けていきたい」と話していた。(黒田 寛)



◎歴史的建物の魅力を再認識 所有者と交流、町並み保存考える

 函館市西部地区の歴史的な建物を巡り、所有者と交流する「見て、聴いて、考える町並み〜住む人の思いにふれて〜」(函館市主催)が27日に行われた。市民21人が参加し、同地区の寺院や民家を見学し、歴史的な建物の魅力に触れた。

 普段立ち入れない歴史的な建物を見て、そこで生活する人と触れ合い、函館の歴史・文化を感じてもらう趣旨で市が企画。歴史的な建物や町並み保存への意識を高めるのが狙い。昨年10月に試行的に実施し、本年度は6、10月の2回開催する。「函館の歴史的風土を守る会」(歴風会)が協力し、吉村冨士夫副会長が建物の情報提供や当日の解説も行った。

 今回は、天祐寺(青柳町)からスタート。続いて1937年に建造された洋風建築の石崎邸(元町)では、居住する石崎滋さん(72)が「外から見ると大きく見えないが、中に入ると広く部屋が9つある」などと説明し、内部を案内した。参加者は、石崎さんに窓ガラスや天井の高さなどについて質問していた。

 大正末期から昭和初期にかけて建造された野登邸(元町)では、居住者の野登宗一さん(90)が「古い家なので手入れが大変。冬は寒い」などと普段の生活の様子を語った。古い建物が好きで参加した市内の松田和子さん(57)は「古い建物は木の温かみが感じられる。保存できるよう助成を出すなどし、大事にしてほしい」と話していた。(宮木佳奈美)


◎往年の名人落語一堂に 東家夢助さんレコード譲り受ける

 函館在往の落語家、東家夢助さん(69)がこのほど、2年前から親交のある横浜市の飯沼唯之さんから1970年発売のレコード「日本落語大全集」を譲り受けた。夢助さんは「明治から戦後にかけて活躍した名人の肉声が聞ける。貴重な贈り物を頂いた」と喜んでいる。

 レコードは約3分の小話から長作まで44人分を収録した10枚組みで、キングレコードが当時1万円で発売した。上方のスーパースター初代桂春團児、柳家小さん(3−5代)、青い目の落語家として人気だった初代快楽亭ブラックなど(いずれも故人)が出演。解説書で演芸評論家の故小島貞二さんが「明治から昭和にかけ古今東西の名人らが一堂に会し、大競演会をするという落語ファンの夢をかなえた全集」と高く評しているほか、当時の落語協会長、日本落語芸術協会長、上方落語協会長が発売を喜ぶコメントを寄せている。

 飯沼さんは2008年3月に函館市内で開かれた夢助さんの寄席に観客として訪れた。以来飯沼さんから夢助さんに激励の手紙が届くようになり、その中で持っている落語のレコードを進呈したいと申し出があり、所持しているリストも来た。夢助さんは「1回しか会ったことがないので恐縮だが、せっかくの話なので1枚だけ頂ければ」と同全集を願い出て、レコードプレーヤーとともに届けられた。

 保存状態は良好で、往年の芸と声がよみがえる。「私の師匠、5代目小さんの落語もあり、大きな励ましを受けた気分」と夢助さん。レコードは市内高丘町22の夢助事務所で保管されており、希望者には同事務所で聞いてもらうことを予定している。問い合わせは同事務所TEL0138・52・0128(ファクス兼)(山崎純一)


◎北斗プレミアム商品券、初日は7割販売

 【北斗】北斗市商工会(宮崎高志会長)のプレミアム付き商品券「ふれあいほくと商品券」が27日、市内飯生の同商工会本所など市内8カ所で発売された。昨年度に続く発行で、初日は大勢の市民が各売り場を訪れ購入。販売総数5000セットのうち7割に当たる約3500セットが売れた。

 同商品券は額面金額1枚1000円で、12枚1セットを1万円で販売。2000円分の割り増しが付く特典となっている。商品券は市内の商工会加盟の約730業者で使用可能だが、今回は大型・量販店を除いた店舗が対象の「専用券」と、すべての加盟業者で使える「共通券」の2種類を用意し、各券6枚ずつ1セットとした。

 商工会本所では、販売開始の午前10時前から200人以上が並び、販売担当者が整理券を配り対応した。

 市内富川町から来た主婦(64)は「プレミアムがお得感あるので購入した。1時間待ったかいがあった。食品や雑貨など生活用品の購入に充てたい」と話していた。

 28日以降は同本所、同支所の2カ所で販売する。購入は1世帯2セットまで。使用期間は9月5日まで。問い合わせは同本所TEL0138・73・2408、同支所TEL同77・8107。(鈴木 潤)