2010年6月29日 (火) 掲載

◎函館診療所が移転

 函館市千代台町3の医療法人道南勤労者医療協会函館診療所(長谷川昭一所長)は、施設の老朽化などを理由に7月1日から、柏木町電停近く松見通沿いの松陰町24に移転する。新施設移行後も、現在と変わらず内科診療を行うとともに、高齢者などを対象にした在宅医療をさらに充実させていくとしている。

 同診療所は1976年9月、同協会最初の院所として開院。市内はじめての夜間診療や訪問看護、労災医療(現在は稜北内科・小児科クリニックに移行)などに尽力。同協会加盟の函館稜北病院などと連携し医療活動を展開する。近年は、訪問診療や健診を拡大しながら、高齢者などの立場にたった在宅医療にも取り組んでいる。

 移転については築40年以上が経過したことから、数年前から計画が浮上。今年1月の同協会理事会の承認を受けて正式決定した。新施設は以前、別の医療機関が使用していた物件を借り受け、、身障者用トイレ設置などのリフォームを加えたうえで使用される。

 長谷川所長(53)は「場所は移っても、従来通りのサービスは継続していく。高齢者が地域で元気に生活できるように医療でサポートし、移動が困難な方のためにも往診に力を注いでいきたい」と話している。

 診療日時は月曜日から金曜日、時間は午前9時から同11時半、午後休診(往診応需)。夜間診療は月曜日午後5時から同7時。休診日は土・日、年末年始、祝日。問い合わせは同診療所TEL0138・53・0477。(小杉貴洋)



◎軽自動車税で3割が利用 コンビニ納税

 函館市は税金の納付率向上と市民の利便性向上を目的に、本年度から市税や国民健康保険料をコンビニエンスストアで納付するサービスを開始している。このうち、5月末が納期だった軽自動車税では、納期内に納めた人のうち、約30%がコンビニを利用したことが分かった。金融機関が休日となる土・日曜日の利用も一定量あることも分かり、市税務室は「納付率の向上につながってくれれば」と話し、財政状況改善への期待を強めている。

 コンビニで納付できる税金は市・道民税、国保料、保育料、軽自動車税、固定資産税、都市計画税の計6種。保育料と固定資産税、固定資産税は4月、軽自動車税は5月、市・道民税と国保料は今月にそれぞれ発送した。

 このうち軽自動車税は5月末が納期で、約6万600件を発送。2万8600件が納期内に納め、そのうち8300件がコンビニからの納付だった。市の窓口や金融機関での納付が1万6700件、口座振替は3400件だった。一部で納付書のバーコードデータが読み取れない苦情が寄せられ、約300件は再発行で対応した。

 5月中に軽自動車税を納付した時間帯をみると、午前11時台が約700件で最多だが、銀行の営業終了後の午後3時以降も600件以上の納付があり、午後8時台でも約300件、同9時台で180件あった。

 曜日別では、月曜日が約2000件と抜きんでているが、土・日曜日も計8日間で1000件以上が利用。曜日や時間帯を選ぶことなく納付した実態がうかがえる。

 市・道民税や固定資産税は納期が年4回のため、市税務室は「納期ごとに納めるケースのほかに、1回の納期で4期分納めるケースも考えられるため、現段階での実態把握は困難」とみる一方、「利便性向上にはつながっていると思う。1年間を通して状況を見たい」と慎重だ。(千葉卓陽)



◎乳幼児の細菌性髄膜炎 ワクチン接種「公費助成を」

 函館小児科医会(山田豊会長)は28日、乳幼児の細菌性髄膜(ずいまく)炎を予防する2つのワクチン接種の公費助成を求める要望書と署名1万4400筆を、函館市と市議会に提出した。

 市役所を訪れた山田会長と署名活動の中心を担った函館五稜郭病院小児科長の岩井崇医師は西尾正範市長に対し、「髄膜炎はかかってからでは遅く、ワクチンでの予防が有効。公費助成で接種率を上げ、不幸な病気にかかる子どもが減るよう、ご英断願いたい」と訴えた。西尾市長は「社会問題としてどういうことができるか、国の流れ、市の財源を見て、子宮けいがん予防ワクチンとセットで検討させてほしい」と述べた。

 細菌性髄膜炎は、難聴、脳障害などの後遺症や、死に至る恐れがある感染症。主な感染原因となるヒブ(ヘモフィルスインフルエンザ菌b型)と肺炎球菌のワクチンで8、9割が防げるが、いずれも有料の任意接種で、両方合わせて費用が7万円程度と保護者の経済的負担が大きい。

 同会は、国が無料で受けられる定期接種化を開始するまでの間、自治体が接種費用を助成するよう求め、5月上旬から6月中旬まで小児科の外来や診療所、幼稚園などで署名活動を行った。

 道内自治体の公費助成状況は5月現在、ヒブが33自治体、肺炎球菌は6自治体で、一部または全額助成を行っている。(宮木佳奈美)


◎フェリーにも消毒マット

 青函フェリー函館支店(函館市浅野町5)は28日、本州航路便船内と乗り降り場岸壁に消毒マットを設置した。宮崎県で被害が続く口蹄疫(こうていえき)の侵入阻止対策。車両の車輪と旅客、スタッフらの靴底消毒の徹底を図る。

 対策本部を置く渡島総合振興局や函館市などと設置に向け協議を進めてきた。船内には人通りの多い階段を中心に設置。岸壁には縦6メートル×横10メートルと大型のタイプが置かれた。マットには消毒薬がしみこませてあり、口蹄疫ウイルスの侵入を未然で防ぐ。

 午後零時10分着便からの措置で、船内放送やターミナル待合室のポスターで消毒の協力を呼びかけた。

 青函フェリーの松田日出男支店長は「対策強化の一つとしてみなさんに、マットを利用した消毒をお願いしたい」と話していた。

 津軽海峡フェリー(同市港町3)でもこの日、マットの設置作業が行われ、30日午前1時55分着便から消毒液による侵入防止対策が実施される。函館市内の公共交通機関では、函館空港が2日から国内線ロビーで消毒マットを使った防止対策を行っている。(田中陽介)


◎貝や魚いっぱい みんなで浜遊び

 地域を支える海や水産物を学び、交流を深める「はこだてっ子 水産・海洋体験学習事業」(函館市教委主催)が28日、函館市戸井地区の戸井漁協近くの磯場で行われた。戸井西小の3・4年生26人と万年橋小の4年23人が浜遊びを満喫。地元漁師も駆けつけ、子どもたちに海の魅力を伝えた。

 晴天の下、浅瀬で実施。地元漁師や漁協幹部らが、講師として見守った。

 磯辺には貝や海藻、小魚がいっぱい。児童は水中メガネを使って浅瀬の観察などを楽しむとともに、水をかけあってはしゃぎあい、海辺の授業を満喫していた。

 戸井西小3年の境大輝君(9)は「色々な生き物がいる海が大好き。海をきれいにしたいという気持ちになった」、万年橋小4年の藤村菜々香さん(9)は「海は冷たいと思ったけど、温泉のように温いところもあってびっくり。面白い時間だった」とにっこり。

 地元漁師の成田博満さん(51)は「戸井の海は豊かでコンブやマグロなどが水揚げされる。海づくりは森林づくり。自然を大事にする心を子どもたちには持ってもらいたい」と話していた。(田中陽介)