2010年6月30日 (水) 掲載

◎附属中2年 浴衣の着付けに挑戦

 道教育大附属函館中学校(相田幸男校長、生徒357人)は29日、2年生の家庭科の授業で浴衣の着付け講座を実施した。2年生約120人が和服の歴史やマナーを学び、着付けに挑戦した。

 2012年度からの新学習指導要領で和服の基本的な着装を扱う内容が盛り込まれるのに伴い、先行実施した。函館和装研究会教授で、同校の社会学級着物着付けサークルの講師を務める橋本祐子さんが留め袖や訪問着など着物の種類、その用途などを解説。「マナーは基本的に人間関係を良くするもの」とお辞儀の仕方も教え、生徒の目の前で、男性教諭に袴(はかま)を着せて着付けを実演した。

 生徒たちは持参した浴衣や借り物で、橋本さんをはじめ、サークルのメンバーらに手ほどきを受け、一部の男子生徒も浴衣を借りて自分で着付けをした。

 自分の浴衣を持参した山本純礼(すみれ)さんは「着付けはちょっと難しかったけど、着物のことがいろいろと分かって勉強になった。また自分で着付けをしてみたい」と話していた。(宮木佳奈美)



◎欧州、南米…ワインのW杯

 ワインのW杯も白熱―。函館市本町7のワインショップ・ワダ(和田一明代表)では、南アフリカ産のワインをはじめ、W杯参加国のワインの大部分を取り扱っている。和田代表は「この機会にイタリア、フランスなど有名国産のワイン以外にも目を向けて」と呼び掛けている。

 W杯同様、不振だったイタリア、フランス産は出足が鈍っている。決勝トーナメントに進出し、日本でも口当たりの良さで高評価のチリ産ワインは依然人気。ワイン生産量世界第3位のスペイン産も、赤、白、スパークリングワインなど、1000―1500円の価格帯のものがよく出るという。

 和田代表のお薦めはアルゼンチン産。一般的になじみは薄いが、大会での快進撃同様、すっきりとした飲み口だ。このほかに大会開催国の南アフリカ産、強敵ぞろいのグループリーグで健闘を見せたニュージーランド産も「ぜひ飲んでもらいたい1本」と和田代表は話す。

 日本については「高温多湿という気候で良いワインは作りづらい」(和田代表)が、潮の風味が味を引き立てる奥尻産ワインもお薦めだという。普段は飲む機会の少ないワインも“W杯特需”がありそう。(黒田 寛)



◎「自由の女神像」撤去指導へ…きょうにも函館市

 西部地区の二十間坂上に設置された約6.3メートルの「自由の女神像」をめぐる問題で函館市は29日、設置業者に対して撤去指導を行う方針を決めた。同日開かれた市都市景観審議会(韮沢憲吉会長)が「景観に適合しない」とする考えをまとめたことを受けてのもので、市は早ければ30日にも指導を行う考え。

 設置したのは市内末広町の水産業者、マルキタ北村水産(北村暢一社長)。8日にオープンした元町店の敷地内に「二十間坂の女神像」として5日に設置。市は9日に像を、都市景観条例に基づく設置許可の届け出が必要な「工作物」と定め、業者から14日に書類を受理した。その後、撤去などを求める陳情・要望書が6団体・1個人から計7件、市に提出されていた。

 23日に開かれた市議会経済建設常任委員会(佐々木信夫委員長)では、荒井俊明市都市建設部長が「撤去しかないのでは」と、公の場で初めて指導の内容について言及。同審議会の意見を得て、指導する考えを示していた。

 審議会では像について委員から、「地域の人が誇りを持って守ってきたもの。その景観に像はなじまない」「100%否定するわけではないが、周辺に住んでいる人が撤去を望む以上、それに準ずるべきでは」などとする声が上がった。また都市景観条例の内容を「より明確にするべき」とする意見も出ていた。

 一方の北村社長は、以前から求めていた撤去を要望する団体と自身、市との3者での話し合いの場が設けられずに撤去指導に至ることに反発を示す。北村社長は「像の扱いについては3者で話し合ってそれから決めたいと、これまで何度も求めてきた。要望団体と市だけで話し合うことはおかしい」と話している。(山田孝人)


◎「大黒湯」創業103年の歴史に幕

 創業103年の歴史を持つ函館市弁天町14の銭湯「大黒湯」(野村昭吾店主)が、設備の老朽化などを理由に30日で廃業する。現在、野村さん(83)は入院中で、一人で店を切り盛りする妻タミ子さん(78)は「迷いはあったがお父さんと2人で決めたこと。最終日は私にとっての定年退職だから、精いっぱいお客さんに感謝の気持ちを伝えたい」と話している。

 大黒湯は野村さんの父善之助さんが1907(明治40)年に宝来町で開業した。現在の建物は移転後の23(大正12)年に新築された。野村さん2歳のときに父が死亡し、母のタマさんが9人の子どもと銭湯を細腕一つで支えてきた。その背中を見て育った野村さんは昭和30年代から本格的に後を継ぎ、現在までタミ子さんと夫婦二人三脚で店を守ってきた。

 内風呂の普及や高齢化、原油高騰などで経営は昔に比べて厳しい状況というが、「お客さんに支えられて今までやってこられた。廃業を知った人からは惜しむ声も頂けた。それだけでこの50年は大満足」と笑顔のタミ子さん。最後の日も普段通り、朝一番の仕事であるボイラーの火入れから開店準備、愛着ある番台で仕事に精を出すつもりだ。お湯の温かさと人情、レトロな雰囲気が魅力の「大黒湯」は姿を消しても、市民の心の片隅にやさしい思い出として残り続ける。

 営業時間は午後2時40分から同8時まで。入湯料は大人420円、小学生以下140円など。(小杉貴洋)


◎2議員の不適切発言 取り消し…函館市議会

 函館市議会の第2回定例会は29日、本会議を再開。三遊亭洋楽氏(無所属)と竹花郁子氏(同)が行った陳情への賛成討論に対し、複数の議員が「不適切な発言がある」と反発。調整のため本会議は約7時間にわたり中断し、再開後に2氏はそれぞれの発言の不適切な部分を取り消すよう求め、議会はこれを許可した。

 討論のあった陳情は、不採択となったもののうち、無所属議員を議会運営委員会の委員として参加可能とする陳情と、無所属議員を予算・決算特別委員会に委員として参加可能とする陳情の2件。陳情を採択とする理由について、三遊亭氏は「(議運は)無所属議員を無視して行われている」などとし、竹花氏は「ほかの中核市では予算・決算特別委員会に、委員として参加を認めている都市が多い」と述べた。

 再開後、三遊亭氏は「不適切で行き過ぎた発言を取り消し、おわびしたい」と陳謝。竹花氏は「誤解を与える表現があったことにおわびし、取り消してほしい」とした。

 議案は、総額を1286億5076万円とする2010年度の一般会計補正予算など議案30件を可決した。一般会計では、緊急雇用創出事業(6事業で77人を雇用)に1億3630万円を見込んだ。市介護保険事業特別会計補正予算案は、国に2009年度の介護給付費の財政調整交付金を過誤申請した影響で、保険料調整のための基金から6342万円を繰り入れ、総額は196億8379万円とした。  意見書案は「戸井高校の存続を求める」「小規模グループホームの防火体制強化を求める」「介護保険制度の抜本的見直しを求める」など8件を可決した。(小泉まや)