2010年6月8日 (火) 掲載

◎「緑の島」に緑いっぱい…ツツジやハマナスなど

 連日の好天を受け、各地でつややかな若葉が広がっている。函館港「緑の島」(函館市大町)もその名の通り、植物の緑であふれている。ツツジは満開でハマナスも大きな花びらを見せ始めた。観光客や地元の散策者らはさわやかな景色を満喫している。

 緑の島は面積8ヘクタールの人工島。函館港整備の土砂を埋め立て、1980年着工、90年3月に竣工し、以来、市民の憩いの場のほか各種イベント会場としても幅広く活用されている。

 管理する函館市港湾空港部管理課によると、島には30種2万2400本の植物が自生。外周約1キロで、ベンチが多く置かれ、晴れた日は散策を楽しむ人でにぎわうほか、チカ釣りをする釣り客の姿も見られる。

 7日正午に足を運んだ札幌市の会社員神保真人さん(37)は「五稜郭、元町と函館観光を楽しんできたが、緑の島は景色が最高で涼しい風も吹いて気持ちいい」と話していた。

 開放時間は午前9時―午後8時。問い合わせは同管理課TEL0138・21・3486。(田中陽介)



◎函館市職員対象に初の分煙・禁煙意識調査

 函館市職員の16.5%が、勤務時間内の職場の分煙・禁煙ルールについて「守られていない」と感じている―。こんな調査結果が、市が全職員を対象に実施したアンケートから明らかになった。“分煙”環境で働く職員のうち、完全分煙化や、建物・敷地内禁煙化を望む声は52.4%にのぼり、「現状で十分」または、「現状のままルールを徹底すべき」を合わせた46.4%と意見をほぼ二分した。

 アンケートは、市議会での質問などを受け、昨年12月に初めて行った。嘱託や臨時職員を含む全職員1472人が対象で、回答率はほぼ半数の49.8%(男性72.9%、女性27.0%)。

 設問は21項目。回答者に占める喫煙者の割合は36.9%だった。喫煙による影響についての設問では、喫煙者本人の健康に「非常に悪い」「悪い」と答えた人が合わせて82.4%と大半を占めた。

 一方で周囲の人の健康に対して同様の回答(「少し悪い」を含む)をしたのは94.3%で、ほとんどの人が喫煙が健康に悪影響を及ぼすことを知っている。また「喫煙がストレス解消に効果がある」との誤った認識をしている人は、69.9%にものぼった。

 「分煙や禁煙のルールが守られているか」の回答からは、一部の職員が決められた喫煙場所以外で吸っている現状が表れた。守られていない」の回答割合は、勤務時間外は23.7%に増加。勤務時間が過ぎるとルールを守らない職員が増える傾向にあるとみられる。

 建物内の喫煙場所に「問題がある」とした場合の問題点については、48.1%が「煙が漏れる」と回答。喫煙場所から、廊下や階段などに煙が漏れる現状が問題視されている。次いで18.8%が「周りから見えて気になる」と答えた。また喫煙者に対する「職場が建物内禁煙となり、屋外で喫煙する場合についてどう思うか」の問いには、45.1%が「積極的に・仕方ないが受け入れる」とし、「受け入れがたい」としたのは33.9%だった。

 調査を受けて、市や職員組合などで構成する「市職場喫煙対策検討委員会」は4月下旬に会議を開催。今後の対応を話し合った。市としては、喫煙に対する正しい知識を啓発する一方、医師の協力を得て禁煙希望者に対する「禁煙教室」を8月から行うことに。同課は「まずはマナー改善と禁煙希望者のサポートに力をいれる」としている。(小泉まや)



◎函館市で「子ども手当」初めて支給

 函館市は道南自治体の先頭を切って7日、「子ども手当」を初めて支給した。初回の支払い対象は、1万7051世帯(約2万6500人分)で、総額は6億8400万円。基本的に銀行口座への振り込みで、対象世帯に渡された。

 中学校3年生以下の子どもがいる世帯に、子ども1人当たり月額1万3000円を支給する。道南の各自治体は基本的に口座への振り込みで支給し、支給日は函館市が最も早い7日。そのほかは10日(七飯町など)または15日(北斗市など)の予定となっている。

 函館市がこの日支給したのは、5月中旬までに到着し、書類不備などがなく認定作業を終えたもの。公務員は職場から支給されるため、対象者の総数は把握できないが、同市子育て支援課は「対象者の95%には渡ったようだ」とみる。支払いなどのトラブルはなく、4、5月分が順調に支給された。

 函館市柳町の会社員、西岡仁さん(34)はこの日、長男(7)と長女(2)2人分の子ども手当を受け取った。「特に生活に困っているわけではないが、もらうとうれしい」と話し、子どもが進学する時などの教育費として貯蓄することを考えているという。

 同市の場合、これまで児童手当を受け取っていなかった人や、対象となる子どもが増えた人は、9月30日(消印有効)までに市に申請する必要がある。同課は「未申請の人は余裕を持って確実に手続きしてほしい」と呼びかける。問い合わせは同課TEL0138・21・3267。(小泉まや)

 


◎座礁船やっと離礁 事故から39日、作業終了

 函館山裏の大鼻岬付近で4月29日未明から座礁していた「北海道海運」(函館市浅野町)所有の貨物船「りゅうえい」(697トン)の離礁作業が7日、事故から39日ぶりに終了した。同日午前10時ごろから岩場からの引き下ろし作業を開始。サルベージ会社のタグボートを最大3隻使用して、同日午後1時ごろに離礁に成功した。同船は同3時ごろ、函館港万代ふ頭に着岸した。

 函館海上保安部は同日、巡視艇ゆきぐもで作業の警戒監視を行った。座礁船は離礁時に船底の一部が損壊したとみられ、機関室が浸水しているが、沈没の恐れはないという。

 同船は4月29日未明、船首が岩場に乗り上げて座礁。船体から燃料の抜き取りや積み荷を下ろす作業、船体の気密化などを継続していたが、海上しけの影響で、作業が長期化していた。同海保は今後、船体を調べるともに、引き続き関係者から事情を聴き、詳しい事故原因を調べている。


◎函館―新函館経営分離問題 道とJRの協議注視

 北海道新幹線の札幌延伸時にJR北海道が函館駅―新函館駅(仮称)を並行在来線として経営分離する考えを示している問題で、函館市の西尾正範市長は7日の定例会見で、今後について「道とJRとの調整を踏まえて対応したい」との考えを示した。一方で、現段階で経営分離を求められた際には「折れられない」として不同意とする方針を強調した。

 同市長は4月30日に道、5月19日にJR北海道に対し、同区間の経営継続を求めており、市議会も今月、両者に経営分離に反対する決議文を手渡している。

 同市長は「市の考えは伝えており、函館圏の重要な都市間輸送として、JRによって安定的な鉄道運行体制の維持・確保を求めたい」と述べ、道とJRによる協議を注視する意向を示した。

 一方、同意を求められた場合の対応については「両駅間のアクセスは都市間輸送として確保すべきで、1両で走る地域交通ではない。条件としては折れられない」と重ねて話し、JRの方針転換を求めた。(千葉卓陽)