2010年6月9日 (水) 掲載

◎市民体育館現在地にメーンアリーナ増設 市教委が整備構想案

 函館市教委は8日、老朽化が進む市民体育館の整備基本構想案を明らかにした。現在地(湯川町1)の市民体育館側駐車場にメーンアリーナを増築整備し、現在の施設を改修してサブアリーナとして活用する考え。事業費は30―35億円で合併特例債の活用を見込んでおり、2013年度からの工事開始を予定。供用開始は5年後の15年度を目指している。

 同日開かれた市議会総務常任委員会(浜野幸子委員長)の委員協議会で、市教委が説明した。

 現体育館は1975年2月の開設。老朽化が進んでいることから市教委は昨年度、学識経験者や体育団体関係者による懇話会を設置して検討を進め、「現在地での増改築が望ましい」との提言書を提出している。基本構想は同懇話会からの意見と、総務委員会が今年1月に出した提言書をベースに策定した。

 メーンアリーナは3500―4000平方メートルとし、バスケットボール3面、バドミントンコート16面が取れる広さとする考え。観客席は固定式、可動式含め2000―3000席を確保する。

 現在の体育館(延べ面積7426平方メートル)は耐震化、バリアフリー化を進めた上でサブアリーナとし、武道練習場とトレーニング室を改修整備する。駐車スペースの確保に向け、現在の市民会館側駐車場には、約300台収容の2階建て立体駐車場を設ける方針。体育館の機能としては、スポーツ以外の会議などコンベンションへの対応も検討する必要があるとした。

 委員協議会で、市教委の妹尾正白生涯学習部長は立地場所について「広い駐車場スペースの確保は難しいが、公共交通機関の利便性が高く、空港や湯の川温泉にも近いことからスポーツコンベンションの誘致にも有利に働く」と述べた。

 これに小野沢猛史氏(市民クラブ)は「大きな大会の際にはバス置場が悩み。対策をしっかり考えてほしい」と求めたが、妹尾部長は「敷地面積の関係から、大型バスは現在乗り降りのみとしている」と現状を説明。「敷地の問題から建設できず、熱帯植物園や根崎ラグビー場、競馬場の活用も考慮し、シャトルバスを走らせることが検討課題だ」とした。

 また小山直子氏(民主・市民ネット)は「現体育館は改修でどの程度持つのか」とただし、大島由紀施設課長は「本年度に行う耐震診断で確認したい」と述べた。(千葉卓陽)



◎開放感あふれる施設に 競馬場竣工記念式典 19日にオープン

 19日にグランドオープンするJRA函館競馬場(函館市駒場町12)は8日、竣工記念祝賀会と内覧会を開いた。関係者約50人が参加し、完成を祝福。新しくなった座席やパドックなども公開された。

 土川建之日本中央競馬会理事長、西尾正範函館市長ら9人がテープカット。懇談会で土川理事長は「競馬場のグランドオープンで函館の魅力がより高まることを望みたい」とあいさつ。来賓の西尾市長も「競馬場を市の財産として大切にしていきたい」と述べた。

 内覧会では「リゾート地の開放感あふれる競馬場」「人と馬の距離が近い競馬場」という2大コンセプトの下、改装された施設が公開された。2階の「雲の広場(ファンエリア)」は、吹き抜けの天井が開放感を与えるつくりとなっている。

 函館開催以外のレースを臨場感たっぷりに観戦できるパドックシアター、高輝度LEDを使用し、レースの状況やオッズが見やすく表示されるオーロラビジョン、競走馬を身近に感じられる「ふれあいパドック」。カラフルなライブシートやターフシートなども公開された。

 同競馬場は「競馬ファンだけでなく、市民から幅広く愛される競馬場にしていきたい」と話している。(黒田 寛)



◎5月こんぶ 出来上々 函館・戸井地区小安

 函館市戸井地区の小安町で養殖コンブ漁が終盤を迎えた。関係者によると今年の成長具合は上々。連日の好天で乾燥作業もはかどり、「いい天気で助かる。忙しいけど、最後の追い上げだ」と漁師は出荷作業に汗を流す。

 養殖コンブは2月中旬から間引きが始まった。水揚げが本格化した4月以降のぐずついた天候で、作業の遅れや品質低下が心配されたが特段の問題はなかったという。

 小安町の臼木照平さん(75)は8日午前3時起床、同3時40分に出漁。「6時半には戻って、家の前で干して、少し乾燥機もかける。本当に手間がかかる。でも今日も晴れたので、いい具合に乾燥してよかった」と笑顔だった。

 小安町ではこの時期のコンブを「5月こんぶ」と呼ぶ。この時期に身入れが増し、水揚げが最盛期を迎えるからだという。今季の5月こんぶ漁は10日まで。(田中陽介)


◎函館市役所の食堂にツチクジラ和風竜田揚げ弁当

 函館市役所地下1階の職員食堂で8日、ツチクジラの赤肉を使った「くじらの和風竜田揚げ弁当」の提供が始まった。毎年恒例の期間限定特別メニューで、同食堂の中島歩さんは「一般の人もぜひおいしいクジラを味わって」とPRしている。

 使用するのは5日に松前・江良沖で捕獲された雌で体長約10メートル、重さ約9トンのクジラだ。7日の朝にセリにかけられ、すでに市内の鮮魚店などで販売されている。

 同食堂では2年前から、各年度の1頭目が水揚げされるこの時期に提供。今年はショウガしょうゆに漬け込んで臭みを取り、竜田揚げの粉をまぶして揚げた。肉を柔らかくするために、水でといたカタクリ粉を入れるなど、ひと工夫している。提供初日の8日は、約30分で完売するほど人気を集めた。提供は仕入れた食材が切れるまでで、10日間程度という。

 営業時間は午前11時―午後3時(オーダーストップは同2時半)。1日限定30食。価格は560円。(山田孝人)


◎福島町長選 村田町長が出馬表明 水産振興など3選へ決意

 【福島】村田駿福島町長(64)は8日の町議会定例会で、任期満了に伴う来年1月の町長選に3選を目指して出馬する意向を正式表明した。次期町長選での出馬表明は村田氏が初めて。

 行政報告の最後に表明した。村田氏は「任期も残すところ半年あまりとなった。その間、自立プランの策定など多くの町民の協力を得て、計画以上の基金の積み立てを達成することができた」と実績を強調。「町内の経済状況は厳しく、基幹産業の水産業、水産加工業を中心に、今まで以上に産業振興に取り組まなければならないと考え、来年1月の町長選挙に立起する」と3選への決意を述べた。

 村田氏は財政再建を柱とした町自立プランを策定し、官民一体で徹底した行財政改革を推進。また、2009年4月には町民との協働のまちづくりを目指し、「まちづくり基本条例」を制定。産業振興策なども積極的に打ち出した。

 村田氏は同町出身で1968年に町役場入り。建設課長、保健環境課長、総務課長などを経て、03年の町長選に初出馬し無投票当選。07年の前回選挙も無投票当選。現在2期目。(松宮一郎)