2010年7月12日 (月) 掲載

◎江差町長に濱谷氏 新人に大差で3選

 【江差】任期満了に伴う江差町長選は11日に投票が行われ、即日開票の結果、現職の濱谷一治氏(65)が3962票を獲得、新人で元町議の田畑豊利氏(54)=同=を3倍の大差で破り3選を果たした。投票率は71・71%で、激戦だった2002年の前々回町長選(86・60%)より14・89ポイントの大幅ダウンとなった。

 濱谷氏は新地町の選挙対策本部で小笠原弘後援会長ら約100人の支持者とともに万歳を三唱して3選を祝った。濱谷氏は「3期目は若者の雇用開拓と農林水産業の振興策をトヨタ系企業と連携しながら進めたい」と3期目の抱負を語った。町財政の再建については「3期目には厳しい環境をクリアしたい」と述べた。田畑氏の得票が予想を超えて伸びたことには「町民からの批判があったと理解して謙虚に受け止めている」とした。

 濱谷氏は、現職の知名度と強力な後援会組織、自治労を中心とする連合系労組などの基礎票を固めて8年ぶりの選挙戦を制した。前々回の得票数は3876票。投票率が低下する中で86票を積み増した。ただ、有力な支持基盤を持たず、弱小候補とみられた田畑氏が1000票を超える支持を集めたことは、濱谷氏への批判や不協和音を浮き彫りにした格好だ。

 「マチに大学を創ろう」をスローガンに掲げた田畑氏は、現職への批判票の受け皿として一定程度の得票を伸ばしたが、大学設立などの政策が有権者の理解を得られず、知名度や支持基盤で勝る濱谷氏に及ばなかった。

 濱谷氏は上ノ国町出身。江差高卒。1964年町役場入り。町議会事務局長、桧山広域行政組合総務課長、福祉保健課長などを経て、02年7月の町長選で初当選。06年の前回選挙は無投票当選だった。

 当日有権者数は7652人(男性3594人、女性4058人)。投票総数は5487人(男性2519人、女性2968人)。(松浦 純)

 当 3962 濱谷一治 65 無現○3
   1279 田畑豊利 54 無新
(開票率100% 有効投票数5241 無効票246票)



◎参院選道選挙区 長谷川氏、徳永氏が初当選

 【札幌】参院選道選挙区(改選数2)は、自民党新人の長谷川岳氏(39)がトップで初陣を飾り、民主党新人の徳永エリ氏(48)=新党大地、国民新党推薦=が、民主党新人の藤川雅司氏(53)を振り切り、初当選した。2議席独占を目指した民主党だったが、消費税増税論議や北教組の違法献金事件などが逆風となり、かなわなかった。

 道選挙区は3氏に加え、みんなの党新人の中川賢一氏(43)、共産党新人の畠山和也氏(38)、幸福実現党新人の大林誠氏(37)の6人が立候補した。

 長谷川氏は2月に中川義雄氏の後継として公認を受け、出馬を表明。若さと行動力で「新生自民党」を広くアピールし、地方の業界団体、支援組織を重点的に回ったほか、都市部の無党派層へも浸透。

 公示後は谷垣禎一総裁、石破茂政調会長、小池百合子広報本部長ら党幹部も北海道入りして応援したほか、終盤には公明党比例代表の横山信一氏(50)との選挙協力も追い風となり、大差で勝利した。

 徳永氏はテレビリポーターの経験、唯一の女性候補を武器に、「生活者の目線」を強調。民主党北海道や新党大地、道農民連盟が全面支援したほか、無党派層にも支持を広げ、浮動票の受け皿にもなった。菅直人首相の消費税増税発言で民主党の支持率が低下し、他陣営からの切り崩しにも遭ったが、最後まで手を緩めずに戦い抜いたのが功を奏した。

 藤川氏は札幌市職員、札幌市議を務めた経験と実績から、新人候補の中で唯一「即戦力」をアピールしたが、支援する連合北海道が組織を固めきれず、票を伸ばせなかった。北教組幹部による違法献金事件の有罪判決、小林千代美衆院議員(道5区)の辞職などが、労組を軸とした藤川陣営を直撃。従来の“組織型選挙”にブレーキがかかった。

 党として初めて北海道での選挙を戦った中川氏は党の支持率上昇の追い風を受けて健闘したが、及ばなかった。消費税の税率アップに「断固反対」の立場を貫いた畠山氏も議席に遠く届かず、大林氏も支持を広げられなかった。



◎現職、町議一騎打ちへ 長万部町長選あす告示

 【長万部】任期満了に伴う長万部町長選挙は13日、告示される。2選を目指す白井捷一氏(71)=無所属=と、新人で町議、会社役員の高森治光氏(67)=同=が出馬を表明しており、4年前と同じ顔触れによる一騎打ちとなる公算が大きい。町議補欠選(欠員1)も同日告示され、町長選とともに18日に投開票される。

 白井氏は農協職員から1995年に町議初当選。2003年5月から議長。06年に偽計入札妨害事件で前町長が逮捕、辞職したのを受け、同年7月の町長選で初当選した。

 今年1月に出馬表明。「1期目でやり残したことがまだある。特に道新幹線の札幌延伸実現。医療・福祉、教育などの充実も含め『安心と公正なまちづくり』を掲げ、努力したい」としている。

 高森氏は75年に町議に初当選して以来、9期目。前回の町長選では、告示日直前の立候補表明で後援会立ち上げなど後れをとったが、白井氏に239票差と接戦を演じた。

 雇用減や消費不況などで経済が低迷するまちを立て直したいと3月に出馬を表明。「教育と福祉、産業振興施策の充実が必要。町内用地への企業誘致で地域経済の起爆剤にしたい」としている。

 両陣営は告示日の13日午前9時に事務所で出陣式。事務所前で第一声をし、町内を選挙カーで遊説して回る予定。

 町議補欠選は、6月22日の立候補予定者説明会に2人が出席している。

 同町選挙管理委員会によると選挙人名簿登録者数は6月2日現在で5485人(男性2530人、女性2955人)。