2010年7月16日 (金) 掲載

◎湖水まつりで水難者供養 灯籠準備始まる

 【七飯】大沼公園広場で24、25の両日開かれる「第101回湖水まつり」(同まつり実行委主催)に向けて、大沼湖に浮かべる灯籠(とうろう)に供養者の戒名などを書く作業が15日、同広場の空き店舗で始まった。同まつりでは約2000個の灯籠を湖面に流す予定で、運営関係者ら5人がボランティアで作業に当たる。

 同まつりは1906(明治39)年に地元の住職が灯籠を浮かべて水難者を供養したのが始まりで、灯籠流しは灯籠に供養する人の戒名や法名を記して湖面に流す。6月下旬から同実行委で灯籠を販売している。

 15日は2人が作業に取り組み、一つ一つに丁寧に筆で書き記していた。10年以上前から作業に参加している沖望さん(83)は「供養にかなうような字を書くよう心掛けています」と話した。

 灯籠流しは両日とも午後7時から。初日の24日は同6時半から、JR大沼公園駅前をスタートに灯籠行列をした後、同広場で慰霊祭を開く。

 慰霊祭や灯籠流しのほか、両日とも午後8時から花火大会が行われ、「しまじろう」のキャラクターショー(25日午前10時、午後1時)や、ものまね歌手の何ン田研二ショー(同日午後6時)などの催事も繰り広げられる。改行 灯籠は1個1000円で販売中で、購入申し込み、問い合わせは大沼国際交流プラザTEL0138-67-3020。(鈴木 潤)



◎大学生が直売バトル 19日に野菜甲子園

 函館市内の大学生がチームに分かれ、市内近郊で採れた新鮮野菜を直売して売り上げを競う初の試み「野菜直売甲子園 2010 in 五稜郭」(同実行委主催)が19日、函館市本町の五稜郭公園前電停付近を中心に開かれる。同実行委は「地元農家の思いを学生の力で消費者に伝えることで、町の活性化につなげていければ」と意気込んでいる。

 同イベントは、市内の大学生による、農業や漁業の活性化を目的とした支援を行うプロジェクトチーム「famfam」のメンバーらが中心となって企画した。多くの野菜が旬を迎えるこの時期に「収穫作業で忙しい農家に代わって学生が直売してみては」との発想が出発点。「仕入れから販売までをトータルで考えることで、職業意識を育てることにもつなげたい」と、チーム別の対抗方式を取り入れた。

 今回エントリーしている学生は約40人。本町交差点付近の歩道沿い7か所に直売所を設け、一般市民や観光客を対象に新鮮野菜を販売する。函館市や七飯町などで収穫されたばかりのトマトやブロッコリー、アスパラガス、キュウリ、サクランボなどが並ぶ予定で、各チームは1万5000円の予算内で仕入れから宣伝、店舗の飾りつけなどを行い、最終的な販売利益を競う。

 実行委メンバーの吉家寿明さん(道教育大函館校4年)は「販売するのは、地元の農家が育てたおいしくて安心で安全な野菜ばかり。学生たちがどのように工夫して販売するのかを楽しみながら買い物してほしい」と来場を呼び掛ける。

 野菜直売の実施時間は午前11時から午後4時までで、会場を訪れた人は販売所7カ所を回ると景品がもらえるスタンプラリーに参加できる。また会場近くには無料駐車場も用意している。野菜直売甲子園の問い合わせは同実行委TEL080-1841-1177(吉家さん)。(小川俊之)



◎男女共同参画アンケート 不平等 最多は「職場」

 函館市の男女共同参画課が行った男女共同参画に対するアンケートがまとまった。男女が不平等と感じる場所としては「職場」を選んだ回答が最も多い23件。次いで「社会全体」が19件、「社会通念・慣習など」が11件と続いた。このほかは「家庭」は7件、「学校」は1件だった。

 逆に平等と感じる場所として最も多かったのは「学校」の19件で、「職場」は7件、「家庭」は6件。不平等で選ばれた件数が多かった「社会全体」は2件、「社会通念・慣習など」は1件だった。

 このほか「『男は仕事、女は家庭』という考え方についてどう思うか」には、53件の回答があった。内訳は、「そう思う」が17件、「そう思わない」は36件。思わない人が圧倒的に多かったが、依然として男女の役割分担を考えている意見もあることがわかった。

 「男女が平等だと感じるのはどこか」の質問への回答数が35件に対し、「男女が不平等だと感じるのはどこか」には61件の回答があった。同課は「不平等と感じる場所が多いという意識の表れではないか」とみている。

 アンケートは、6月21―25日に市役所1階で実施した男女共同参画パネル展の中で実施した。シールを張る回答方法で、来場者が質問に答えた。(小泉まや)



◎戸井高校の存続求める 函館市と市議会が連名で要望書

 【札幌】函館市と函館市議会は連名で15日、戸井高校存続を求める要望書を道と道教委に提出した。市教委が6月に東部地区の小中学生の保護者に実施し、約6割以上が反対とした戸井高校廃校案に対するアンケートも合わせて手渡した。

 この日は西尾正範市長や吉田崇仁議長、平馬隆司学校教育部長らが札幌を訪問。道庁では多田健一郎副知事と総合政策部に、教育庁では新しい高校づくり推進室の山田寿雄室長に提出した。要望書では「戸井高校が募集停止すると交通事情から子どもや親の経済的負担が多くなるほか、家庭の事情で高校進学を断念する事態も懸念される」と存続を求めた。

 西尾市長は「戸井高校存続のため恵山高校を廃校とした経緯があるほか、合併5年で地域に学校がなくなることは地域振興上、大変なこと。様子を見てほしい」と訴えた。道と道教委は「26日に渡島合同庁舎で開く会で説明する」とした。

 戸井高校の廃止案は、6月に道教委が発表した公立高校配置計画案(2011―13年度)で明らかにされ、13年度で募集を停止し15年3月末で廃校とするもの。市教委はすでに道教委にも存続を求める要望書を提出している。(山田孝人)



◎「環境経営に認証制度活用を」函館で企業向けセミナー

 環境保全に取り組む企業の認証制度について学ぶ「環境マネジメントシステム入門セミナーin函館」が15日、函館市若松町の函館商工会議所で開かれた。担当者が各種認証制度の概要を説明したほか、道南で取り組む企業の実例などを紹介し、環境経営に理解を深めた。

 道商工会議所連合会と同会議所の共催。道内の環境規格「北海道環境マネジメントシステムスタンダード(HES)」や、環境省の「エコアクション(EA)21」など、社会的評価や金利優遇などが得られる企業の認証制度を普及しようと企画した。

 この日は道南の建設業者を中心に約20人が参加。道商連の担当者が制度取得までの流れやメリットを解説し、「法令違反などへのリスク管理や経費削減につながり、公共工事の入札参加資格審査で加点されるケースもある」として広く導入を呼びかけた。

 EA21に取り組む市内のえんどう桔梗マタニティクリニックの遠藤加寿子理事は認証後のごみ削減や節電の効果を紹介。「職員の環境問題への意識が変わり、無駄を省くことで合理的に仕事ができるようになった」と意義を語った。

 一方、HES取得企業・団体は道南で2業者にとどまっているため、同会議所は16日、函館市に対して、競争入札の参加資格審査の評価点にHES取得を加えることを求める要望書を提出する。(森健太郎)