2010年7月18日 (日) 掲載

◎船上ドッグラン完備のブルードルフィン就航

 国内初の犬用バルコニーを備えた津軽海峡フェリー(函館市港町3)の在来船「ブルードルフィン」(約7000トン)が17日、函館―青森航路に就航した。この日は同社の青函高速船「ナッチャンWorld(ワールド)」(約1万トン)も10カ月ぶりに季節運航を再開。津軽海峡の夏本番が幕を開けた。

 ブルードルフィンは、これまでグループ会社が国際航路で運航していた船を全面改装。全長136.6メートル、旅客定員586人で、トラック換算で65台分、乗用車で200台分を輸送できる。在来船として通年で一日2往復し、函館と青森を約3時間40分で結ぶ。

 最大の特徴は愛犬と一緒に過ごせる国内初の「船上ドッグラン」。屋内に14室・28匹分の収容ケージを備えるドッグルームとつながる。青森発の初便には定員の約7割にあたる386人と犬6匹が乗船し、飼い主と航行中に遊ぶ姿も見られた。

 一方のナッチャンは、昨年に続き夏場の観光シーズン限定で10月末までの運航を再開。函館発の第1便は定員772人に対して乗客約200人と出足は低調だった。同社は「周知不足が響いた。これから巻き返したい」と話した。

 家族6人でブルードルフィンに乗船した青森市内の女性(37)は「設備がきれいで高級ホテルみたい。車いすにも対応していて快適だった」と笑顔。道内観光からの帰省中にナッチャンに乗った名古屋市内の男性(80)は「初めて乗ったが、連絡船に比べて随分とおしゃれになった。また乗ってみたい」と話していた。(森健太郎)



◎南茅部でマコンブ漁スタート 量、質ともに十分

 函館市南茅部地区で17日、天然マコンブ漁が始まった。長さ3、4メートル、幅25センチほどの黒々したコンブが続々と水揚げされ、「初日にしてはまずまず量で、質も十分。一年で一番の稼ぎどき。寝る時間も惜しんで頑張る」と漁師は張り切っている。

 南かやべ漁協大船支所では約150隻が出漁した。磯舟の漁師は箱めがねで海底をのぞき、「マッカ」という先がY字のほこでコンブの根をねじって採る。不安定な船上での作業は、全身の力と熟練の技がものをいう。

 初日の漁は午前5時45分から同8時半まで。大舟漁港では、家族が船いっぱいのコンブをトラックへ移し、自宅などの干し場へ運んだ。

 大船町の金沢勝則さん(54)は軽トラック2台分の水揚げし、「まずまずの漁。コンブの質も比較的いい」と安どの表情。南かやべ漁協大船支所地区代表理事の坂田憲治さん(62)は「水温が低く、若干身が薄いが何も問題はない。身入りは『土用丑の日』に毎年ぐっと良くなる。これからだ」と声を弾ませていた。他支所も追って漁が始まり、9月いっぱい続く予定。(田中陽介)



◎地産地食料理レシピコンテスト、最優秀賞に草島さん

 函館地域産業振興財団(高野洋蔵理事長)は17日、函館短大付設調理師専門学校(函館市柏木町、下野茂校長)で「地産地食料理レシピコンテスト」を開いた。1次審査を通過した8人が指定された道南産の食材を使用した創作料理に挑戦。同校職員の草島美咲さんの「王様しいたけ和風ハンバーグ」が最優秀賞に選ばれた。

 地元食材の普及を目的に、家庭で気軽に味わえるレシピを考案しようと企画した。いずれも道南特産の「ガゴメコンブ」「タマフクラ(大豆)」「王様シイタケ」「ホッキ貝」の4食材のいずれかを使用することが条件。おいしさやバランス、家庭料理としての実用性などが審査された。

 草島さんは、タマフクラをひき肉に混ぜたハンバーグに「王様シイタケ」を丸ごと乗せ、ガゴメコンブでだしを取ったソースを添えた。「インパクトのある大きなシイタケを切らずに使いたかった。甘みのあるタマフクラをひき肉と混ぜました。受賞は照れくさい」と話していた。

 また、コンテストで審査員を務めた札幌テレビ(STV)の情報番組「どさんこワイド179」でおなじみの星澤幸子さんが「夢をかなえる北海道食材」と題して基調講演した。

 星澤さんは、欧米化する以前の日本人の食習慣「一汁一菜」が長寿や心身を健康に保つのに不可欠と強調。体の機能を高める栄養素が豊富な大豆やコンブの役割などを取り上げた。「道内でとれないのはかんきつ類ぐらい」と話し、豊かな人生を過ごすために「食べること」の意味を見直す必要性を訴えていた。(今井正一)



◎SL大沼号出発進行! 17日夏の運転スタート

 JR函館駅―森駅間を走る蒸気機関車「SL函館大沼号」が17日、今夏の運転を開始した。函館駅構内では午前9時35分の発車に合わせて出発式を開催し、鈴木克彦駅長が「疾走感のある眺めを堪能してほしい」とあいさつ。SLは汽笛とともに、勢いよく蒸気を上げて出発した。

 出発式が行われた5番線では、沿線自治体の函館市と七飯・鹿部町の職員らが、チラシなどを配布。鹿部のキャラクター「カールス君」の着ぐるみも登場し、各地の観光をPRした。

 SLが入線すると、詰めかけたファンらは一斉に注目し、車両と連結する様子を見守った。嶋山龍十君(青柳小5年)は、家族3人で初めてSLを見に来た。「顔の部分の迫力がすごい」と驚いた様子で、「今度は乗りたい」と話していた。

 8月1日までは毎週土・日曜日と祝日に、同7―15日は毎日運転する。1日1往復で、行きは大沼公園を経由して森へ、帰りは渡島砂原や鹿部、流山温泉などで停車する。料金は片道1700円。(小泉まや)



◎大門祭開幕 イカール星人登場に会場沸く

 函館市内の大学、短大の学生が企画・運営する合同学生祭「第10回大門祭」(同実行委主催)が17日開幕し、函館市松風町の大門グリーンプラザを会場に、多彩なイベントが繰り広げられた。18日まで。

 学生たちのアイデアと実行力で駅前・大門地区に活気を取り戻そうと、2001年から毎年この時期に開催。函館を代表する夏のイベントのひとつとして親しまれている。

 この日は夏らしいさわやかな青空が広がる絶好の祭り日和。オープニングでは、実行委メンバーによるダンスなどが披露された後、特別ゲストとして「イカール星人」も登場して会場を沸かせた。

 この日は、極真空手の演舞やクイズ大会、北大水産学部応援団によるエールなど多彩なイベントがめじろ押し。恒例のイカそーめん早食い日本一決定戦の予選では、デッドヒートが繰り広げられた。

 孫と訪れた函館市湯浜町の男性(55)は「学生たちが函館の街を盛り上げてくれるのは頼もしい。孫と一緒にゆっくり楽しみたい」と話していた。実行委員長の神原悠里さん(道教育大函館校3年)は「天気に恵まれてほっとしている。オープニングからたくさんの人でにぎわってうれしい」と笑顔を見せていた。

 最終日の18日は午前11時開幕。午後1時からは、函館出身の世界的舞踏家、ギリヤーク尼ケ崎さんの演舞、同3時半からはイカそーめん早食い日本一決定戦の優勝決定戦が行われる。(小川俊之)