2010年7月2日 (金) 掲載

◎遊び場!沸く沸く 大門キッズスタジアムオープン【函館】

 JR函館駅前地区の活性化や子育て支援を目的とした屋内施設「大門キッズスタジアム」(上平博司マネージャー)が1日、若松町のWAKOビル5階にオープンした。早速親子連れら約200人が来場。子どもたちは、約3万個のプラスチックボールを使ったボールプールなど多彩な遊具で遊び、館内には元気な歓声が響いた。

 函館市が実施する「インドア・プレイスペース事業」で開設。中心市街地に遊び場を提供し、市民に足を運んでもらい地域の活性化につなげることが目的。また保護者間の交流など子育て支援も担う。

 館内は有料と無料の区画に分けられる。有料区画には、壁に付けられた取っ手をつかんで登る「クライミングウォール」など体を使って楽しめる遊具がずらり。このほか授乳室や幼児向けの玩具もそろえ、床は衝撃を吸収する柔らかい素材でできている。無料区画には、絵本などをそろえたコーナーや休憩場を設置している。オープン初日は西尾正範函館市長も視察に訪れ「いい遊び場ができた。大門に定着して多くの人が集まってくれれば」と話す。

 オープンを機に数年ぶりに同ビルを訪れたという上湯川町の主婦、関里香さん(30)は「他の保護者とも交流できてうれしい。子どもにも友達ができるきっかけになると思う」と長女の沙華ちゃん(1)と楽しんでいた。同スタジアムの上平マネージャーは「中心市街地に遊びにきてもらって、活性化につなげたい」と話している。

 対象は0歳から12歳までで料金は200円。保護者(無料)の同伴が必要。午前10時―午後6時(第3水曜定休)。問い合わせは同スタジアムTEL0138-83-7490。(山田孝人)



◎箱館奉行所開館へ盛大に 29−31日の「復活祭」で催し多彩

 国の特別史跡、五稜郭内に復元される箱館奉行所のオープンを記念した「箱館奉行所 復活祭」が、開館日の29日から31日までの3日間、五稜郭公園などで開催される。五稜郭地区の各種団体など官民一体で企画運営を行うイベントで、会期中は五稜郭祭の出演者による殺陣の披露や記念講演会、オープンカフェの設置など多彩な催しが行われ、同奉行所の開館を祝う。

 五稜郭地区のまちづくり団体「新都心五稜郭協議会」や同協議会メンバーが立ちあげた「やっぱり五稜郭プロジェクト」、函館市など8団体の主催で実施。同奉行所を核に道南をPRし、多くの市民に親しみ楽しんでもらうことを目的とする。

 29日は五稜郭タワーアトリウムで殺陣披露のほか鉄砲隊によるアトラクション、五稜郭公園の一の橋広場では、かつて奉行所で飲まれていたという当時のレシピを基に作った「薬用珈琲」の試飲コーナー、新たに開発した奉行所をモチーフとしたモナカをふるまう。このほか歓迎の祝砲イベントを行う。

 30日は市中央図書館で記念講演会や、復元された奉行所を今後のまちづくりに生かす方法などについて、識者らが意見を交わす記念フォーラムを開催する。最終日の31日は有機栽培などでつくった野菜を生産者が販売する直販市「マルシェ」や、同地区の飲食店が自慢の逸品を販売するオープンカフェを設置する。

 このほか、行啓通りから同公園に至る道にバナーフラッグを飾り、祝福ムードを盛り上げる。同プロジェクトは「奉行所を見に五稜郭にきてもらい、この地区も同時に楽しんでもらえれば」と来場を呼び掛けている。問い合わせは同協議会事務局TEL0138-51-4785。(山田孝人)



◎道南の景況感 バブル崩壊後最高水準…6月の日銀短観

 日銀函館支店(市川信幸支店長)が1日に発表した6月の企業短期経済観測調査(短観)によると、道南の企業の景況感を示す業況判断指数(DI、「良い」から「悪い」とする割合を引いた指数)は、全産業でマイナス3となり、バブル崩壊後の1993年以降で過去2番目に高い水準となった。改善幅も比較可能な統計が残る91年3月以降で最大となり、低迷していた道南の景気回復ぶりを示した。

 全産業のDIは93年以降、2006年9月のマイナス2が最も高く、今回のマイナス3は94年12月と06年12月以来で、3年半ぶりの高水準。3月の前回調査に比べて16ポイント改善し、「前回(02―07年)の景気拡大局面のピーク時まで企業の景況感が戻ってきた」(市川支店長)という。

 産業別では、製造業が前回から12ポイント上昇のプラス6で、約2年ぶりのプラスに転じた。近年では06年12月のプラス12に次ぐ水準で、内訳でも機械が11ポイント上昇のプラス22、食料品が9ポイント上昇のマイナス18といずれも大幅に改善した。

 非製造業はマイナス8と、前回から16ポイント改善。特に小売が20ポイント上昇、建設が12ポイント上昇でともにゼロとなり、ウエートの大きい分野で明るい兆しを見せた。宿泊・飲食サービスは22ポイント上昇の、卸売は21ポイント上昇のマイナス15と軒並み改善した。

 3カ月後の景気予測を示す先行きDIは、全産業で今回より11ポイント低下のマイナス14と、慎重な見方を示す企業が目立った。特に公共事業が減少する建設が今回より53ポイント、消費喚起政策の期限が迫る小売が20ポイントの低下を見込む。同支店は「株価の下落や参院選後の新政権運営など先行きへの不透明感は根強い」と指摘する。

 調査は5月下旬から6月末までに道南の104社を対象に行い、計103社(製造業31社、非製造業72社)から回答を得た。(森健太郎)


◎函館税務署管内の路線価 丸井前大幅下落

 札幌国税局は1日、相続税や贈与税の算定基準となる2010年分の路線価を発表した。道内30税務署ごとの最高路線価の上昇は2年連続でゼロ。函館税務署管内の最高路線価は、函館市本町、道道函館南茅部線通りの丸井今井函館店前で、1平方b当たり22万円だが、前年より17.0%下落した。昨年の下落率は1.9%で、大幅に拡大した。

 丸井前は、2015年開業予定の道新幹線をにらんだ土地買収などが好材料となり、08年には16年ぶりの上昇となったが、以降は土地取引が落ちつき、世界的な経済不況が加わり、下落傾向へ転じたとみられる。

 江差税務署管内の最高路線価は、江差町本の道道江差停車場線通り(五勝手屋本舗前)の3万7000円で、下落率は7.5%。八雲税務署管内は八雲町本町の道道八雲北桧山線通りの3万7000円で、下落率は5.0%。

 道内約1万8000地点の平均路線価は4万4000円で、下落率は6.4%だった。道内の最高路線価は札幌中税務署管内の札幌市中央区北5西3、道道札幌停車場線通り(札幌ステラプレイス前)で248万円、下落率は10.1%。(田中陽介)


◎食中毒に気を付けて 生肉避けしっかり過熱を

 気温が高くなる夏を迎え、市立函館保健所は食中毒への注意を呼び掛けている。函館市内では2007年7月以降の発生は報告されていないが、渡島管内では6月にカンピロバクター細菌による食中毒が既に発生している。この菌について生活衛生課の保古晴男課長は、「肉をきちんと加熱することで食中毒は防げる」と話し、調理法や食べ方に注意を促している。

 同保健所によると、食肉はカンピロバクターのほか、腸管出血性大腸菌(O157など)やサルモネラ細菌、E型肝炎ウイルスなど、さまざまな病原体に汚染されている可能性がある。中でもカンピロバクターはここ数年は特に多く発生しており、昨年度に全国で報告された食中毒件数(1048件)の原因物質の3割以上(345件)を占めた。

 カンピロバクターは、生きている鳥や豚、牛など動物の消化器内にいる細菌で、市販の肉は汚染されている可能性が高いという。食中毒になった場合、下痢や腹痛、けん怠感、頭痛などの症状が現れる。保古課長は「生肉を食べる『鳥わさ』や『レバー』は特に危険。潜伏期間が2―5日あるので、意識しないうちに発症している可能性もある」と指摘する。

 これら細菌による食中毒の予防策としては、「生や半生で肉料理を提供することは避け、中心部の色が変わるまで加熱してほしい」と呼び掛ける。目安としては、中心部で75度以上で1分以上の加熱だ。このほかにも、生肉と他の食材をつかむトングを別にするなど、接触による汚染の拡大にも注意する必要がある。

 問い合わせは同保健所生活衛生課TEL0138-32-1523。(小泉まや)