2010年7月25日 (日) 掲載

◎厚沢部、巨大コロッケ世界一奪還!

 【厚沢部】第7回あっさぶふるさと夏まつり(実行委主催)が24日に開かれ、直径3メートル8センチ、重さ約500キロもある巨大コロッケが完成し、一時は静岡県三島市に奪われた“世界一”の座を見事に奪還した。

 町内では厚沢部商工会青年部(能登谷大輔部長)が、特産のメークインをPRしようと2004年から巨大コロッケ作りがスタート。04年には1・5メートル、05年は2メートル、さらに06―09年は2・1メートルの記録を達成。ギネスブックには未登録だが世界一≠フコロッケは、食用油メーカーのCMにも採用されるなど注目を集めた。

 ところが今月12日、静岡県三島市で直径2メートル55センチの新記録が出現。厚沢部町では「国内のメークイン発祥の地として絶対に負けられない」(渋田正己町長)と、首位奪還を誓った。

 下ごしらえは23日夜からスタート。本番の24日は、悪天候のため建設会社の作業場に会場を移したが、100人を超える観客が見守る中、精肉店を営む福島伸之さん(43)を中心に作業を開始。下地に渡した足場をサーカスのように行き来しながら大量の卵やパン粉をまぶした。

 クレーンでつり上げたコロッケは、新調した巨大な鉄鍋で揚げた。キツネ色に揚がった姿をみせると、かたずをのんで見守る観客から拍手が上がった。04年からコロッケ作りに携わる福島さんは「これまでのコロッケとは大きさが全然違う。足場から何度も落ちそうになり冷や冷やした。ぶっつけ本番だったので成功はとてもうれしい」と笑顔を見せた。

 2500人分もあるコロッケは、町役場駐車場のイベント会場に大型トレーラーで運び込み来場者に振る舞われた。(松浦 純)



◎「箱館奉行所」29日から公開

 国の特別史跡「五稜郭跡」内に函館市が2006年から復元工事を進めてきた「箱館奉行所」が29日、オープンする。当時の古写真や絵図面を基に忠実に再現され、姿や形だけでなく往時の威厳も備える。同奉行所を守るために築かれた五稜郭が140年ぶりに“主”を迎え、本来の姿で函館の歴史・文化の新たな発信基地となる。

 復元工事は4年の工期を経て、6月30日に完了。総工費は約28億円。幕末当時、約2700平方メートルあった同奉行所の3分の1に当たる約1000平方メートルを復元。残りの部分は、建物が存在した部分の地面に線を引き、当時の規模を表した。

 建物は発掘調査結果などを基に、スギやヒバ、ヒノキなど使用した材質をはじめ、部屋の間取り、約3万8000枚の瓦の枚数まで検証。細部まで忠実に復元することにこだわり抜いた、道内最大級の木造建築物だ。

 内部の見学コースは、それぞれ見どころの違う5ゾーンに分類されている。風格のある玄関周辺の「ガイダンス」では建物案内映像を流す。続く「再現ゾーン」では、外国領事との会談や年中行事など限られた時に使用された72畳の大広間がある。

 中庭を挟んだ「歴史発見ゾーン」は同奉行所と五稜郭の歴史をパネルなどで紹介するほか、天井板を外して伝統的な小屋組みを見せる。「映像シアター」では歴史や復元工事の様子をハイビジョン映像で紹介し、「建築復元ゾーン」は発掘や古文書の調査結果、日本の伝統的建築様式で建設した同奉行所の構造など説明する。

 函館市教育委員会の多賀谷智教育長は「奉行所の建設は函館市民の悲願。建設に向け尽力したすべての人に感謝の気持ちでいっぱい」と振り返り、「次代を担う子どもたちが歴史や文化を学ぶ場になってほしいし、地域の活性化に結びついてくれれば」と期待を寄せている。(山田孝人)



◎大沼湖水まつり開幕

 【七飯】第101回大沼湖水まつり(同まつり実行委など主催)は24日、大沼国定公園広場をメーン会場に開幕した。先祖や水難者を弔う伝統の灯籠(とうろう)流しをはじめ、花火大会などが行われ、大勢の来場者が夏の一夜を堪能した。25日まで。

 湖水まつりは、1906(明治39)年に湖面に灯籠を流し水難事故の犠牲者の霊を慰めたのが起源。現在はステージショーなど各種イベントも合わせて開催している。

 午後6時40分すぎに始まった灯籠行列には町内外から参加した180人が、大沼国際交流プラザ前から同公園広場まで灯籠を持って練り歩いた。到着後、慰霊祭が行われ、僧侶が読経する中、中宮安一町長や大沼観光協会の堀元会長らが焼香し、水難者や物故者の霊を慰めた。その後、来場者は灯籠を湖面に次々と流し、御詠歌が流れる中、約1000個の明かりが幻想的にともった。花火大会も行われ、約1000発の花火が打ち上がり、夜空に大輪が広がった。

 25日は午前9時開場。子供向けのキャラクターショーや歌謡ショー、YOSAKOIソーランチームの演舞のほか、同7時から灯籠流し(1000個)、同8時からは花火大会が行われる。(鈴木 潤)



◎特別展で青函の土偶”共演”

 縄文時代の宝が函館に集結―。道内初の国宝「中空土偶」が展示される特別展「縄文の至宝―世界遺産をめざす15遺跡と土偶―」(市立函館博物館主催)が24日、青柳町の同博物館で始まった。今回は中空土偶に加え、青森県八戸市出土の国宝「合掌土偶」(複製)もお目見え。世界遺産登録を目指す、道内や北東北の遺跡の出土品も並び、縄文の至宝を心ゆくまで堪能できる。9月26日まで。

 「中空土偶」は尾札部町の著保内野遺跡から出土し、2007年6月に国宝に。「合掌土偶」は八戸市の風張1遺跡から出土し、09年3月に指定された。来年秋に予定される「縄文文化交流センター」(臼尻町)オープンに伴い、同博物館での中空土偶展示は今回が最後となる見込み。

 会場は国宝2つを中央に配置。自然と共生しながら高度に成熟した採集、狩猟、漁労文化を浮かび上がらせる狙いで、国宝2つを囲むように@じだいAくらしBわざCこころ―とテーマごとの4ゾーンに区分けした。大船遺跡や鷲ノ木遺跡(森町)、青森市の三内丸山遺跡など、世界遺産の候補地入りしている「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」15遺跡の貴重な土偶や土器など444点がずらりと並ぶ。

 見学した大学生の小川弥芳さん(18)は「実際に土偶などを生で見ると、模様など細かい工夫がされていることがわかって面白い」と展示物に見入っていた。同博物館の田原良信館長は「豪華な展示になった。縄文時代全体がよくわかると思うので見に来て」と来場を呼び掛けている。

 観覧料は一般400円、高校、大学生200円。月曜休館。問い合わせは同博物館TEL0138・23・5480。(山田孝人)



◎アジサイフェスタ始まる

 道内最大規模のアジサイ園と群生園がある総合公園「市民の森」(函館市上湯川町327)で24日、アジサイフェスタ(市住宅都市施設公社主催)が始まった。初日は約1300人が来場し、色とりどりの花々の観賞や多彩なイベントを楽しんだ。25日まで。

 同公園の利用促進や咲き誇る植物の素晴らしさを伝えようと、昨年から開催。1周2・3キロの園路を歩くと21種類のアジサイに触れることができる。種類ごとに順次9月まで見ごろが続くという。

 心配されていた天候も時折、青空を見せ、来場者は園路散策やアジサイの挿し木無料体験会、クイズラリーなどを楽しんでいた。園内のアジサイは満開とまではいかなかったが、家族連れなどは色彩豊かな花を背景に記念撮影をしたり、見物後に同公園名物のソフトクリームを食べ、歩いた疲れを癒やしていた。

 家族4人で訪れた市内の主婦(59)は「孫ときれいな花に囲まれて写真を撮れたのでいい記念になった」と笑顔だった。

 25日も午前10時にオープンし、「紐(ひも)でアジサイづくり」や「ソフトクリーム早食い競争」「アジサイウルトラクイズ」など参加無料のイベントが多数行われる。(小杉貴洋)