2010年7月27日 (火) 掲載

◎夏の高校野球南大会決勝 函大有斗、甲子園届かず…北照に3−4

 【札幌】第92回全国高校野球選手権大会南北海道大会(道高野連など主催)最終日は26日、札幌市の円山球場で決勝が行われ、13年ぶり8度目の甲子園出場が懸かった函大有斗は、春のセンバツ大会で全国8強の北照(小樽支部)に惜しくも3−4で敗れ、涙をのんだ。

 北照に先制を許した函大有斗だったが、3回に木村優希三塁手(3年)の左越え2塁打で1点を返すと、その後もじわじわと得点を重ねた。左のエース・堤口竣太投手(2年)も集中力を保ち勝利を信じて最後まで力投を見せた。

 スタンドには生徒やOBなど約200人が駆け付け、大きな声援でナインを鼓舞。応援に応えようと選手たちも夢の舞台を目指して奮闘した。

 わずかに手が届かなかった夢の舞台への切符に、試合後は涙を流していた選手たちだったが、堂々と前を向いて球場を後にした片口伸之監督は「チャンスの場面であと1本の差が出た。何とか勝たせてやりたかったが、選手たちはよく頑張った」とねぎらった。

 地元函館からも選手の頑張りに、熱い声援が送られた。西尾正範函館市長は「皆さんの戦いぶりは、北照に匹敵する活躍だった。胸を張って函館に帰って来てください。1、2年生の皆さんはこの悔しさを忘れず、次こそは甲子園に出場できるよう頑張って」とエールを送った。



◎夏の交通安全運動期間中に44件の事故 道警函館方面本部

 道警函館方面本部は26日、夏の交通安全運動期間中の交通事故発生状況をまとめた。期間中、管内で死亡事故はなかったが、函館市内で高齢者が意識不明の重体となる事故2件を含め、44件(前年運動期間比4件増)の事故が発生した。今後、8月にかけて夏休みの行楽や帰省客らが増えて活動期となることから、引き続き、交通事故防止を呼び掛けている。

 道内全体では、期間中の事故件数は383件(同17件減)で、9人が死亡。今年の事故死者累計数が100人に達した。函本管内では、25日までに、事故件数は前年同期比65件減の859件、負傷者同58人減の1070件、死者同7人減の4人と比較的良好な状態が継続している。

 道警は現在、9月末までの期間中、「交通死亡事故抑止アクション3」として、▽シートベルト違反▽交差点違反▽速度違反の取り締まりを強化している。自転車で出歩く機会が増える夏休み中の子どもたちの事故や、8月下旬にかけて日没が徐々に早くなり、薄暮時間帯の事故増加が懸念される。函本交通課の森山周二次席は「長距離運転中は、暑さや過労からくる居眠り運転やぼんやり型の事故が増える。交差点付近での事故にも十分注意をしてもらいたい」と話している。(今井正一)



◎函館市事業レビュー開始 市民目線で厳しい指摘 初日は3事業

 函館市が実施している事業に関し、第3者がその必要性や改善点を審議する「函館市事業レビュー」が26日夜、市水道局を会場に始まった。初日は総務部が所管する公用車の集中管理、職員研修事業、地域情報化推進費の3事業が取り上げられ、費用対効果や効率などの面で、市民目線での厳しい指摘が相次いだ。

 事業レビューは、08年度に行った市内部の仕分けで、民間への業務委託や改善が必要と判断された20事業を市が抽出し、今月と来月に10事業ずつ審議する。学識経験者や公募委員ら8人が審議委員となっている。

 市の上戸慶一総務部長はあいさつで、@事業の抜本的見直しA市民への説明責任を果たすB市民目線での事業の位置づけ―に活用する旨を説明し、「プロセスの面などさまざまな議論と評価をいただくことで、行政運営の判断材料としたい」と述べた。

 初日の審議のうち、公用車の集中管理は、各部が使う事務連絡用車両について、所管の総務課が「140台ある車両のうち、43台を一括管理している。事業開始時から11台が削減でき、昼休みと業務処理の時間帯を除いた稼働率は88%に上る」などと説明。しかし、委員からは「事業費と人件費がほぼ同じ額。専門性とはかけ離れている」などと指摘が上がった。

 職員研修事業の審議では、各委員が「どこで市民のために研修内容が生かされているかが見えない」「適正な効果測定が出来ていない」とただし、担当の人事課は「市民にわかりやすく示すことが今後の課題」とした。また、地域情報化推進費の審議は、主に市のホームページや庁内LAN構築の面で、広報課との連携や、各学校とのネットワークの不十分さを指摘する意見が出た。

 初日の議論を傍聴した、市内湯浜町の筒井将喜さん(72)は「政府がやっている事業仕分けとは方法が異なるが、市側の事業への考え方が部分的に分かった」と話していた。審議した事業の評価は拙速な判断を避ける目的から、翌日に決定する。(千葉卓陽)



◎早稲田大学OSS研究所がラ・サール高校に教務システムを提供

 函館ラ・サール高校(フェルミン・マルチネス校長)はこのほど、早稲田大学オープンソースソフトウェア(OSS)研究所(東京)から、高校向け教務システム「School N@vigator(スクールナビゲーター)」の無償提供を受けた。技術があれば使い勝手に合わせて自由に変更できるため、これまでと比べてコスト面、利便性が向上する。同校教務部長の渡辺弘年さんは「費用は格段に抑えられる」として喜ぶ。

 同システムは、早稲田大OSS研究所が2006年に基本機能を開発し、一部の系列校で導入してきた。しかし「現場で実際に使う側の意見を取り入れ、使いやすくなるよう今後の改善につなげたい」との考えから、系列校以外にも広く提供することに。函館ラ・サールは、国内での提供第1号となった。

 08年から導入に向け準備を進め、今年4月から運用を開始した。成績や転入学、指導要録、在学証明書など教務にかかわる情報を管理することができる。同校では、同様のシステムにこれまで毎年100万円程度かけていたが、新システムは基本パッケージが無料のため、導入時に必要なカスタマイズ分の費用約100万円以外は、基本的に必要がなくなる。

 渡辺さんは「1年目なのでカスタマイズが足りない部分はあるが、今後の使い勝手をみて変更し、使っていきたい」と話している。

 同研究所では、希望があれば同システムを提供する。問い合わせは早稲田大OSS研究所TEL03・5291・7710。(小泉まや)



◎函館どつくで新造船進水式

 函館どつく函館造船所(函館市弁天町)で26日、本年度3隻目の新造船「EMMA BALKER(エマ バルカー)」(約1万9850トン)の進水式が行われた。夏休み期間とあって地元の親子連れら約500人が見学に訪れ、巨大な船体の門出に歓声を上げた。

 新造船はデンマークの海運会社が発注した全長175・5メートル、幅29・4メートルの貨物船。函館どつくが開発した「スーパーハンディ32」と呼ばれる独自の船型で、水深の浅い港でも出入りできるよう喫水が浅く、船底が幅広いのが特徴だ。改行 今回は船名の由来となったデンマークの少女(7)がロープを切断して船首のくす玉を割ると、深紅と朱色の巨大な船がテープをなびかせながら函館港に向かって勢いよく進水。見物に訪れた市内鍛治2の大島義男さん(83)は「生まれて初めて見たけど、迫力に圧倒された。船に函館の景気も運んできてもらいたい」と話していた。

 同船は今後、内装工事などを済ませ、9月上旬に船主に引き渡される。函館どつくでは現在、同型の貨物船に特化して年間8隻体制で新造船を建造し、2013年度末までの受注が決まっているという。次回の進水式は9月8日の予定。(森健太郎)