2010年7月6日 (火) 掲載

◎旧イギリス領事館 大輪のバラ美しく

 函館市旧イギリス領事館(元町33)の洋式庭園では、色とりどりのバラが見ごろを迎えている。1週間ほど前には6分咲きも、現在は芳しい匂いを放つ大輪が咲き誇っている。12日ごろまで楽しめるという。

 庭園には函館開港150周年を記念し開発された白やレモンイエローの「ローズ・オブ・ハコダテ150」や深紅のつるバラ「アンクル・ウォルター」、天皇家ゆかりの気品あるバラなど26種60株のほか、今年は木立のバラ7種15株もお目見え。観光客や散歩中の市民らが足を止め、花のフェンスやアーチを背景に記念撮影をしたり、鼻を近づけて香りを堪能していた。

 室蘭から妻と観光に訪れていた男性は「たくさんの種類を一度に楽しめてうれしい」と笑顔。山の手在住の主婦は「ピンクのバラがとてもすてきだった。領事館の雰囲気とも合っていて気持ちが安らいだ」と話していた。

 7日午後3時からは同庭園を利用した「たなばたコンサート」が行われ、フルートを中心としたアンサンブル・ソサエティーが演奏する。11日午前11時からはオーク・リコーダー・アンサンブルのリコーダー演奏会が催される(いずれも雨天中止)。入場無料。問い合わせは函館国際観光コンベンション協会TEL0138・27・3535。



◎まちあるき観光に力 21日からガイド入門セミナー

 函館市は、低迷する観光入り込みの打開に向け、観光客に自らの足で名所散策を楽しんでもらう「まちあるき観光」に力を入れている。今月21日からは「まちあるきガイド入門セミナー」を初めて開催し、5日から参加者の募集を開始した。講義のほか、実際に街を歩くフィールドワークを行い、観光ガイドとしての基本を学んでもらう趣向。市観光振興課は「函館のことをもっと知りたい、伝えたい、という市民に応募してもらいたい」と期待を込めている。

 市は本年度に入り、観光客に市内を散策してもらうため、テーマ別に10コースを設定した「まちあるきマップ」を初作成。旧函館区公会堂など定番施設をめぐるルートや夜の教会、寺と神社をめぐるルートなど、各コースそれぞれ1000部ずつ、計1万部を作成したが、先月には3万部を増刷する人気となっている。

 「セミナー」は、「まちあるきマップ」のうち3種類を教材として活用し、講座とフィールドワークの2本立てで実施する。

 市内観光に精通した“まち歩きのプロ”7人が講師となり、函館の歴史を学ぶ講座や、エリア別に絞って深く学ぶもの、さらにはガイドとしての心構えやもてなしの心を学ぶ講座などが用意されている。また。9月23―26日に開かれる「まちあるきイベント」に参加してもらい、「この場で“ガイドデビュー”してほしい」と同課。

 市地域交流まちづくりセンターを主会場に行い、日時は9月29日までの毎週水曜日の午後6時半から8時までと、毎週土曜日午前10時から正午までの週2回(全13回)。

 希望者は16日まで、市観光コンベンション部観光振興課へ電話で申し込む。定員20人(先着順)。同課は「まちあるきがどういうものかを体験してほしい。学ぶ喜びとともに、観光客に伝える喜びを味わってみては」と参加を呼び掛けている。

 申し込み、問い合わせは同課TEL0138・21・3383。(千葉卓陽)



◎市長らカナダへ出発 ハリファクス公式訪問団 交流活発化図る

 函館市と姉妹都市提携を結んでいるハリファクス市(カナダ)への公式訪問団(団長・西尾正範函館市長)が5日、函館空港でから出発した。ハリファクス市への訪問団派遣は2004年以来6年ぶりで、現地では市長表敬や学術機関を訪問する。2012年の提携30周年を前に、両都市の交流活発化を図る考え。

 訪問団は西尾市長のほか、函館市議会の吉田崇仁議長、函館商工会議所の高野洋蔵会頭、森川基嗣副会頭、道教大函館校の冨田幸雄教授など、政財界や学術関係者など15人で構成されている。ハリファクス市とは1982年に姉妹都市提携を結んでいる。

 日程は現地時間6日に到着し、同市のピーター・ケリー市長を表敬訪問。続いて西尾市長が、同市議会の議場でこれまでの交流の謝辞などを述べる予定。また毎年12月の「はこだてクリスマスファンタジー」でのモミの木支援に対する感謝の意と今後の要請も併せて行う考え。

 このほか、函館市内の大学と提携を結ぶダルハウジー大学やセント・メリーズ大学も訪ねて交流を深め、現地の交流レセプションなどに出席する。11日に帰函する予定。

 函館空港で開かれた出発式で西尾市長は「ハリファクス市との交流をより太い線にしたい。健康に留意して行きましょう」とあいさつした。(山田孝人)


◎投票率アップへ電話作戦 森町職員が有権者に呼び掛け

 【森】11日投開票の参院選に向けて森町は5日、町内の有権者に投票を呼び掛ける電話啓発をスタートさせた。

 電話啓発は昨年8月の衆院選に続く取り組み。公示日の先月24日、増田裕司副町長を本部長とする投票率向上対策本部を立ち上げ、目標投票率を75%に定めて啓発に取り組んでいる。

 今回は職員延べ60人が投票日前日の10日まで電話による啓発を実施。約7800世帯に対して、投票を棄権しないよう呼び掛けていく。

 5日は役場本庁舎の総務課職員6人と砂原支所の職員2人が、閉庁後の午後5時半から電話啓発を実施。増田副町長が「良いまちをつくろうという思いを心に刻みながら投票を呼び掛けて」と訓示した後、職員は電話帳をコピーした紙を見ながら町民宅に電話をかけ、「11日は参院選の投票日です」「期日前投票も利用してください」などと呼び掛けた。

 6日からは、町内の事業所約30カ所を訪問し、投票の呼び掛けも行っていく。

 昨年の衆院選では、こうした取り組みが功を奏して、投票率が05年の衆院選を4・4ポイント上回り71・27%となるなど、一定の成果を挙げた。

 町選管は「(75%の)目標達成に向けて全力で啓発をしていく」と話している。(鈴木 潤)


◎ドイツ人旅行家ノイマンさん 本町交差点でアコーディオン演奏

 世界各国を旅して回っているドイツ人旅行家アリック・ノイマンさん(22)が、函館市本町交差点の丸井今井函館付近で、アコーディオンの演奏を行い評判を集めている。「西洋と東洋の文化が入り混じった街でおもしろい」とノイマンさんは函館の魅力を語る。

 ノイマンさんは高校卒業後、小さいころから慣れ親しんできた楽器であるアコーディオンを片手に、母国ドイツ内で演奏旅行を行った。これをきっかけに、その後はイギリス、フランス、スペインなどヨーロッパ諸国やニュージーランドに足を広げ、6月28日に函館入りした。

 東洋の建物が立ち並ぶ中に西洋風建築物が混在する函館の景観について、ノイマンさんは、「とても興味深い。今まで訪れた国にはない独特の文化がある街」と気に入った様子。

 ノイマンさんは街角に立ち、アコーディオンで曲を演奏してチップをもらい、生計を立てている。「ヨーロッパでもアジアでも、やることは同じ。僕のパフォーマンスを見て、お客さんに評価してもらうのが仕事」と笑顔で語る。

 函館での滞在期間は未定だが、「次は韓国へ行ってみたい」と、早くも未知の国へと思いを馳せていた。(黒田 寛)